今回のお題は「急がば分かれ」です。
話をシンプルにするために算数をイメージしてください。

中学受験の算数でスコアを得るために必要なのは解法をマスターすることです。
これがまた誤解されやすいのですが、言われれば何となく分かる、では再現性を伴いません。
再現性に欠ける状態ではマスターしたとは言えない。
それにはその安定した記憶が必須です。
そのために必要なことは何か?

学習効率を上げるためのセオリーとして、教材をできるだけ絞り込む、というのがあります。
この方向性を見失うと大変なことばかりで得るものが少ない状況に大体が陥ります。
何故かというと、理解不足で消化不良になってしまうからです。
問題とその解答に見覚えがある程度の認識の山。
これ自体は悪くないのですが、それだけを集めて再現性まで習得するのは至難の技です。
尋常ではない記憶量が要求されるからです。
コンピューターなら可能でも、人ではまず無理。
それができるような凄まじい能力の人ならそもそもそんな無謀なことはしない。

人が再現性まである安定した記憶を得るには、その解法のプロセスを理解することが必要です。
大量の断片があってもそれを活用することはできません。
そしてそういった性質の記憶はとてもなくなりやすい。
分からないものは安定した記憶に落とし込むことがとても難しいのです。
だから本当の学習の効率化をするには、しっかりとした理解を伴う学習を積み重ねることが王道であり近道となります。
これが表題の「急がば分かれ」です。

算数でイメージ、と書いたので少々具体的な話をしましょう。
一見スラスラ解けている問題があったとします。
算数の場合、普段はそこまでプロセスを問題演習において確認しないことも多い訳ですが、しっかり確認してみると子供の予想を上回る器用な解決法に驚くことが(;^_^A
分からないけど何となくこれを割れば、確かこの数字をこっちで何かする、といった感じで正解の数字に辿り着いているケースが結構あるんです。
はい、こういった場合、しばらく経つと綺麗さっぱり消えてくれます、、、
再度やってみた際にどうにも理由不明に割る部分を掛けたりするのが典型的ですね。
以下ループ、上達しない、そのうち嫌になってくる。
この何度繰り返しても同じことになるという顛末、やってもやってもできるようにならないケースのほとんどではないかと思います。
中学受験は時間との戦いでもあります。
是が非でも避けるべきでしょう。

シンプルにする目的で算数を中心に書きましたが、他の科目でも同じ構造はたくさんあります。
最も単純暗記寄りの社会ですら例外ではありません。
労力を無駄にしないための参考になればと思います。

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前回の続きです。
同じタイプの問題の出題頻度が高い学校の場合に相性的なモノが、のお話でしたね。

突っ込んだお話をしましょう。
難易度が同じ学校A、Bがあり、Aには相性の良さを感じ、Bにはそうではなく、また、Aは同じタイプの出題が目立つ、とします。
この場合、Aを受けた方が子供にとって有利に働くのでしょうか?

結構よくある状況と思います。
それに対する僕の答えは
「基本的に必ずしも有利に働くとは言えない。ハードルの高さは同じ。気持ち的に若干取り組みやすいかも、というのが必ずしもの意味。気休め程度と考えるのが賢明。」
です。
その仕組みを説明していきましょう。

中学受験における難易度=偏差値ですが、あの数字、思った以上によく出来ています。
理論上はもちろんですが、自身の経験上も偏差値が同じならば大変さは同じように感じられます。
上記の場合、想定されることが幾つかあります。
まずは合格に必要な得点率が異なるであろう点です。
AはBよりも高い得点率を必要とすることでしょう。
理由は相性よく感じさせてくれる同じタイプの出題の多さです。
確かにその試験問題に対して少しでも多く正解するという観点からはとても助かる。
正解数が増えるのは確実ですから。
しかし中学受験は一定のラインを越えれば皆合格という試験ではありません。
諸条件の結果、合格ラインが定まるという試験です。
受験生の学力が同程度ならば取りやすさでラインが上下する、としか言えません。
それでは有利も不利もないでしょう。
そのことを考慮すると次の想定にたどり着きますね。
自分がやりやすければ他者もやりやすい。
そこには自分だけの有利さは無い。
まあ、当たり前の話ではあります。
偏差値って、そういった幾つかの要素が絡み合って出来上がっていますから。
試験問題の前では、受験生は皆平等なんです。
実際の指導において過去問をやらせてみても、合格ラインからの距離は同じ程度の挙動を示すことがほとんどです。
言い方を変えると、あと何点欲しい、という考え方をすると同じ、ということです。

最後にちょっと方向を変えたお話をしてまとめとします。
今回の記事は基本的に受験生側の視点から書いています。
中学受験の場合、保護者の負担もかなり大きいのでそちら側から少々。
見守る立場にとって、出来ない問題の割合が物理的に少ないのは精神衛生上とても良い、というのが僕の経験上はっきりしています(;^_^A
問題の難易度、合格ライン等の理屈ではなくて、ぱっと見からの気分の問題ですね。
ストレスは伝播しがちなので、見守る立場とはいえ、それが少ないのは有益とも言えます。
その観点からすると、取りやすい系の選択はアリなのかもしれませんね(*^▽^*)

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今回のお題は「問題が合う合わないのお話あれこれ」です。
過去問を扱う時期になると毎年のように繰り返される話です。
定番すぎますね。
受験にプラスになる性質の話なら大歓迎なのですが大概は、、、、、

最初に強調しておくべきことがあります。
勉強量が欠けている状態で合う合わないを語るのは愚の骨頂ということです。
練習していない問題は上手に解けないのが普通です。
練習を積んだ結果、スキルを得て上達して解けるようになるだけ。
ましてそれを前提に学校選択は愚かすぎます。
せっかくの可能性すら閉じ込めてしまう。
上記の「大概は」の意味は、このお話をする人のほとんどがこれにあたるということです。
とりあえずはそれなりに練習してから考えましょう、ということ。
そうでなければ騒いでいるだけで時間の浪費にしかならない。
こういった事情から自分の指導時にこの話題になった際、問題の合う合わないはほとんど考えなくて大丈夫です、と言うことが多いです。
大体が嫌な顔をされます(;^_^A
練習不足が明白なのにこの話をしてくる場合は、もっともらしい理由をくっつけて避けようという意図でしょうから、その逃げ道を封鎖する感じの意見は煙たいのでまあ嫌がられます。
ちなみにですが、後に過去問演習を重ね、あまり合う合わないの影響がないことがはっきりしてくるとそこでまたなんとも言えない微妙な反応をされます(笑)
とまあ、ほとんどがこんなところ。
これにて一件落着でも差し支えないとは思います。
余計なことに悩まずしっかり勉強しましょう、と結論もシンプルですしね。

でもそれじゃあ面白くない(;^_^A
よって色々と書いちゃいます。
「最初に強調」って書き出しちゃったし(笑)
都合よく勝手読みしての暴走禁止でお願いします(;^_^A

実際は相性的なモノが生じてしまうことがあります。
結果論ではあるのですが。
ただし、そこにははっきりとした法則が存在しています。
二つですかね。
一つは極端に変わった傾向の学校の場合。
やたらに記述たっぷりの国語、へんてこな社会、自由すぎる理科あたりが典型的でしょうか。
算数は意外にこっちのケースには当てはまらない印象です。
ちらほらと学校名が浮かぶ方もおられるのではと思います。
難しめの学校群が形成される感じなので、仮に苦手な傾向だと最初に感じても練習によりそれを克服するのが受験勉強そのもの、といった感も強いかな。
問題はもう一つの方。
同じタイプの問題の出題頻度が高い学校の場合です。
こっちは先ほどとはくるりと一変して、算数、理科が中心。
すっぽ抜けると大撃沈する科目コンビですね(;^_^A
すっぽ抜けの逆が、結果として合うと感じる、という仕組みです。
こちらは比較的難易度が低めの学校に多い。
学力が厳しい状況だとセクションによりかなりムラが多く、それがくじ引き状態でいい方を引き当てると相性よく感じるんですね。
よって学力が厳しい場合の方が学校選びによる合否への影響は大きいことになります。
しかしその行動、学力の伸びは前提に入っておらず、伸びを願い、前提に入れた考え方をしていくとそれに比例して合う合わないの意味がなくなっていくという。
やはり合う合わないの観点から色々と、というのが中学受験の場合は本筋ではないからなのでしょうね。
どうしてもどこかで無理が生じてしまう。

次回に続きます。

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