友野雅志の『Tomo俳句』 -8ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono


葡萄青い星それぞれ隠しおる

青い記憶のまま葡萄もがれたり

ふところに葡萄隠してまくらもと

葡萄噛む口一日の重さあり

葡萄剥く光うまれる暗さかな


夕焼けが路地駆けぬけて胸あつし

靴止まる夕焼け鳥と飛びたくて

夕焼けに苺クリーム溶けて来る

夕焼けに列車の音八分音符

夕焼け挟んだ日記煙草すいこむ











身爽やか忌日の風にあらわれて

闇すべて地に沁みた朝爽やかさ

鳶ちぎり空爽やかに吹かれゆく

きみの背の透ける道爽やかたどる


重ねし暦の爽やかに吹かれおり


桃割れど生まれる子なし月見えず

赤いミニ桃の白切るイタリアン

桃固し忌日のひとに切りわたす

桃を蟻が這っている救急車

流星のごと桃に傷腿にキス


電線鳴る蝉の地から聞こえくる


蝉の声の細さよ卒塔婆の列


蝉ひきづられアボカドサラダ掬う


シッ夜耳奥で鳴っている蝉の声


赤日傘蝉のどしゃ降り回りゆく


野分に黙りくだかれただ立てり

野分爪青も傷のみ地に空に

歩けばちりぢりの地図野分跡

野分の夜闇集まりて駆けぬける

野分下天と地息をとめている



摺りあしの服擦れている盆休み

動かぬ盃に盃合わせ盆休み

盆休みパシフィック渡る茜雲

天のラッパ足とまりたる盆休み

帰る道たどれぬままに盆休み

敗戦日タバコ一本に神霞む

敗戦日ハンバーガーの汁溢れ

しかたなし神おおらかに敗戦日

敗戦日裂かれた魚の風にゆれ

敗戦日空閉じて地水に沈む

濡れた髪カレーの国の雲のごと

雷や髪おおうスカーフ黄色

夕立や髪にからむ煙の青

虹色のヒール手に髪かきあげる

夏の風髪乾くまで神田川

胸にキス柘榴味する夕暮れよ

アイスティー胸の形に透きとおり

烏賊釣れば胸裂く記憶列をなし

胸のなか西茜見し帰り道

胸ひろげ蝶の少女のほそい腕