友野雅志の『Tomo俳句』 -4ページ目
朝の地は枝垂桜で濡れており
まだ生きむ枝垂桜の肌触り
頰枝垂桜に染めて走り来る
枝垂桜雫を淡く染めにけり
くぐりゆく枝垂桜の万華鏡
花冷えや地をおおいたる天の銀
花冷えや肘窩に刺さる指ピンク
射手座とのぼりきみ見たし花冷えに
口合わせ移しとるきみの花冷え
目も指も言葉も透けり花冷えや
春雷朝の雫の蕾かな
春雷やひかり天に満ちあふれ
春雷や足は聞こえず赤い傘
春雷地にひびき紅はうすくひく
春雷や今朝の化粧ながしさり
春衣空を羽織りて魂透けて
大路を浮きながれ春衣静かなり
春衣背と胸まるく触れ銀の風
春衣触れし指は千切れながれ行き
春衣脚おおきくひらき星駆ける
神触れし木の芽はひかり溢れさせ
木の芽夢が沁みプリズムの朝
子のスカートまわり木の芽ロンドの輪
木の芽落つ思い晒され朝の青
生きんかな着飾った朝の木の芽喰む
花の陰きみのまるみの藍残る
花の陰消えしひと待ち地にキスす
花の陰地のさらさらに頰かさね
花の陰さらさらかさね揺れ沈みけり
花の陰夜にくぐりて身透けいく
既に無きひとの色なり花の陰
春嵐グリーンドレスが駈けぬける
天の声聞こえぬ日あり春嵐
枯れた身に色振り撒いて春嵐
春嵐バス待ちならぶコートの背
春嵐舌から舌へ花弁かな

春雨や胸までピンクおおわれて
春雨や時のつめたさ僧おおい
ちょっと待ってブラウスの蔭も春雨
傘は過ぎテーブル春雨の青に
春雨や銀の簾の揺れる朝
行きつ戻りつ時を待つ春の宵
春の宵声まで甘い色を帯び
春の宵袖にヴィトンかすかなり
春の宵過ぎし紅ワインの香あり
そよ風に寝息さらさら清明や
清明や子オバーの歯で噛めるかな
屈原の歳指足らぬ清明や
清明や祖父ちまき二本ポッケ入れ
天地青肌いろいろの清明や


