友野雅志の『Tomo俳句』 -21ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono




空の波細い魚焼く七夕や

七夕に濡れて流れる闇の夢

七夕や天溢れたる夢の音

七夕や濡れてさまよう影と鳥

七夕やきみの眼にある水の星



星洗い海染まりたり慰霊の日

慰霊の日天しとしとと降りにけり

慰霊の日向こうの風に吹かれたり

慰霊の日天地しずまり草の笛

慰霊の日遠き世より鳥と風




早苗蜻蛉水面の青をゆらしけり


空ぬけて早苗蜻蛉と鯉の赤


音もなく早苗蜻蛉の影高し


早苗蜻蛉いのちを残す水の音


きみはなし早苗蜻蛉のもどり来て




伽羅蕗の夜のそこよりかおりたり

ぬるぬると肌にのこれり伽羅蕗や

伽羅蕗や惹かれてなぜか駅ふたつ

伽羅蕗や戸口を影のとおりすぎ

伽羅蕗やつめたきながれ青き夜





影のぼりゆき雨はねる巣立鳥

よちよちと幼児のより添う巣立鳥

巣立鳥すわりし嫗は目をとじて

さらさらと日差しがきこゆ巣立鳥

巣立鳥ゆらゆら揺れて線となり




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カーネーション受けとる手消ゆ目覚めかな

カーネーション影ゆれる道翁の背

カーネーション枯れたる束の乾きけり

カーネーション落とした首の帰り道

カーネーションたがためとなく赤五本



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夏浅しいのちのながれ浮かびゆく

いのちひろがる地のうえや夏浅し

ふむ影のうすさすずしさ夏浅し

夏浅し陰の深きに過去があり

夏浅し声のころころころがれり





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夏来たる頰を緑が走りたり

水底を陽のわたりたり夏来たる

空に鳥藍にそまりたり夏来たる

アイスクリームブルーとピンク夏来たる

学舎に足音軽し立夏かな


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陽もひとも坂くだりゆく四月尽

過ぎさりし時に色あり四月尽

四月尽まためぐりくるか淡き青

四月尽身を横たえる風みどり

四月尽天の音聞く昼寝かな



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身をまかせ揺れて終えたり藤の花

藤の棚ふかれる髪の藍の香や

藤の波星の吐息のあたたかさ

水揺れて藤波うてり鯉の音

老いの踏む地を覆いたる藤の花



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