友野雅志の『Tomo俳句』 -18ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono




窓くもり紅濡れている初花の

初花のいつかの香りいつの夢

朝陽は笑みのなか染める初花を

老いたれば初花口にふくみたく

耳たぶに色匂わせて初花は




鎮める音の水底より春の河


春の河渡れど渡れど空ひとつ


泡溢れひとつとなりて春の河


春の河天を溶かして海に入り


脚ひかり滴のなかの春の河






春分大路のひかりの曲がる角

生きている春分蕾の柔らかさ

羽ひかる少女の背に春分

陽直ぐにすすみ春分の天を割る

春分の日中の砂場へイエロー合羽



まっすぐに彼岸からひかるきみの笑み

淡いあわい青隙間より彼岸見え

彼岸菩薩の臍に風さらさらと

彼岸にゆれる赤スカートと花雌蕊

彼岸だねむしゃむしゃ一気にお茶も終え


水温み赤児あふれる朝明かし

水温み青に天使が羽ひろげ

水温むチェロに吹かれバスを待つ

夕暮れのヒールゆっくりと水温む

赤い指ワインゆらして水温む



ピアスを揺らし卒業の門をでる

卒業写真ルーペの中のへの字口

詰襟の子の背をさがす卒業式

卒業す並木の陰の列くぐる

卒業式子等の指先天を指す



玉葱にあふれた朝に涅槃西風

涅槃西風黄色の衣をくぐり行く

写経の腕止め受ける涅槃西風

涅槃西風新疆葡萄を三粒噛む

涅槃西風スカート周りで戯れる



啓蟄の地踏めば波ときみの声

接木跡手を当て握る腕ひとつ

初雷のあたらしい雨まだ痛く

天頂より燕一声立ちどまる

たらの芽の天地集めて静かなり




仮住いと大連ミモザ揺らす風

ミモザと歴史抱き降りるバスステップ

瀬戸内文庫ミモザ残す影の綾

チキンソテーにミモザ今も黙りいて

ミモザ蝶になれ揺れ翔けるセーラーの背


天からの春雨受ける傘の先

春雨の夢まであふれぽつぽつと

春雨に遠いかなしみの香りあり

春雨におおわれ星の透きとおり

赤黄青春雨はねるドレミファソ