友野雅志の『Tomo俳句』 -17ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono




春光のこぼれるばかりたなごごろ

歩むあと春光道にあふれでて

春光を額でうけてながれいく

天めぐる春光は今ここにある

春光の見えないさきを笑いいく




あわくうすくながれる風に春があり


頰にかさなるあわいピンク  春くれば


ながれゆく桜をわけて赤ブーツ


桜ふるすべてがおちるその間には


わらい泣き角まがる眼に春をみる




闇のなか若芽はひかり伸びゆき

曲がり角若芽に光真っ直ぐに

幼女頰ちょっと若芽透きとおり

ブラウスの声に若芽陽に揺れている

黒ひかる革靴の音若芽下




藍の夜を雪解け青の雫にし

雪解けの夜の長さに地がねむる

雪解けは歴史の罅の溶けるごと

雪解けて声聞く地にしむ泣き声

雪解けは今昔のひかり抱いている



天も我もほのあかく生く西行忌

山頭火放哉の背しぐれる西行忌

西行忌椀に降るたましいを食らう

西行忌寝て死にたいと缶が鳴る

西行忌みがいた靴で草鞋追う


天の雫のしぐれてる糸桜

糸桜青ながれきて赤に落ち

水のなかきみも満開糸桜

糸桜つめたい指が天もとめ

糸桜いろはに惚れて口ふさぐ





春空にまだ恋文が透けている

紅くっきり実に残っている春の空

春空に干すヒール、ディオールにこころ

酒春空山頭火に満ちあふれ

柩より飛ぶもののある春の空



ノクターンの黒鍵踏みて春の道

日付変更線超え滑空するカザルスの鳥

此岸は桜が  彼岸の眼は水おおう

春空の風と翔けるカンパネラ

春空を仮りの衣に鴉のファルセット



天のどの使い円窓を開けたのは

寝床から寝床へつなぐ夢泳ぐ

カクテルに青い地球が浮かんでる

天使らの翔けてひきずる白い衣

鴉が引っかいたあとの澄んだ月

鳥はまだもどり来ず春の空には

春空のトランペットの耳鳴りよ

色加えたい春の空の透きガラス

春の空かなしみは無し風もなし

春空よ生すべてまぼろしと言うか