友野雅志の『Tomo俳句』 -15ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono



暮春かなしみとよろこび藍の底


ピンク黒服暮春行く道明かし


暮春の道未生の海へつながって


暮春月と陽落ちており音も無く


暮春零れたる星のごと帰る











 




星と花弁夜空飛びかうイースター

イースターガラスの水に星浮かび

丸い赤い口受けとめるイースター

イースター風が知らせる時があり

生きるかなイースター卵ポケットに


春陰やきみのかたちに残る藍

春陰の星は傾きめぐりゆく

血と煙春陰向こうにかすむ星

春陰やバス追うきみが見えなくて

春陰や忌日もかすか昨日今日



蜃気楼背透けて海を渡りゆく

見えねども木管聞こえる蜃気楼

蜃気楼地球といっしょに呼吸する

蜃気楼砂寄せ削る世界地図

蜃気楼未生の我と眼をあわす




春が浮く水底の天沈み行き


鯉の尾のショールのごとく柔らかく


天も地も春銀の峰を残すのみ


春河原浅黄の筆をてんてんと


まっすぐの紺の背より落つ春数片




エイプリルビールイカリング未来見る

エイプリルルイビィトン姉穴あける

エイプリル留守にキスするハイスクール

エイプリル上海帰りルルルリル

エイプリルガーファンクル聴きプレッチェル


池の端春が黙して過ぎてゆく

振りかえる満開の花の囁きあり

アスファルト隙より春ののぼり来る

誰がため花は海おおう白鷗

ひとつふたつ花弁落ちるモノクロで



天の使い囁き残る赤ショール

ショールゆれ都ぼんやりかすむかな

オール漕ぐショール届かぬ水中花

ショール画集ドガ金文字紀伊國屋 

ショールの香サンプルシャネル多慶屋二階


天の鳩まっすぐのぼりて糸おろす

波うつ大地千年前の鳩あがる

海の青のみ鳩永遠に空の影

鳩ひそかにもどるルソーの森のなか

かなしさはピカソの鳩の青い線



手のひらで光を掬う啄木忌

光よりあげる手清し啄木忌

「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨を塗りつつ秋風を聴く」
啄木忌キムチチヂミの高い声

彼はるか金雀枝のとこ啄木忌

レクイエム銀河で洗う啄木忌