友野雅志の『Tomo俳句』 -12ページ目

友野雅志の『Tomo俳句』

日頃書きのこしている俳句をのせます。好きなところだけお読みください。俳句の他、読書、ギター、詩、料理、絵、写真が趣味です。noteには下にのせています。https://note.com/mtomono



パステルを転がしながら夏至が来る

上に陽下に地球夏至が立っている

パラソルの上に雲その上に夏至

夏至の花揃って天に雌蕊伸ばす

どこへ行けど夏至陽に貫かれ


一夜だけの蛇衣青く捨ておかれ

蛇の衣五枚そろえて嫁入りす

赤児乳飲む蛇衣縁の下

蛇衣踏みくだき嫁銀ブラへ

賛美歌ソプラノに蛇衣光り




種噛みて父となりけり桜桃忌

生まれた罪が山盛りの桜桃忌

桜桃忌来し方アダム呪いけり

桜桃忌赤い実に月混じりたり

ブランコのリズムで老いる桜桃忌










時計草夕陽が散って弾けたり

種嚙めばメールのごとき時計草

時計草スプーンより金垂れる夜

時計草雌蕊は火種隠しもち

回帰線絡んだままの時計草


はじめの光見たいかなサングラス

サングラス天使舞い降りキスをする

天の象形文字サングラスで読む

焔の鳥の影よぎるサングラス

サングラス未来も藍の霞なり



ほたるぶくろフランシスの呼気の型

ほたるぶくろ震わせて真珠の鼓動

ほたるぶくろ隠し宿すは死と卵

ほたるぶくろ鳴る朝来れば死者出ずる

夜の雨ほたるぶくろをあふれ出て

薄暑かな海図の風にあたる午後

薄暑傘は銀河系を流れゆく

緑に染まるきみの背に薄暑来る

どこまでも走りつづける薄暑かな

薄暑生きんかなと古い聖衣着る


ガーベラの刃に赤道の記憶あり

ガーベラの褪せて輪郭物理学

パステル溶けガーベラの野斑らなり

きみくぐりたる青硝子ガーベラの香

ガーベラの冠擦れる藍の星

梅雨に冷やされよ絶叫絶笑の星

もう梅雨ねきみの闇行く金の鯉

天に散る白亜の梅雨の雫かな

靴下もつ手に沁みいる蝋の梅雨

しとしとと散花と褥梅雨しみて




初鰹眼が青あおと漂いて

潮は星をめぐりゆく初鰹

初鰹大葉と生姜が終に添い

雨の音板を叩けり初鰹

初鰹箸香りたり碧と黒