少し前の話ですが、観に行ってきました。
東京都庭園美術館で開催されていた、きらめく装いの美 “香水瓶の世界”
美しかったです。終始うっとりしっぱなしでした
すでに展示期間が終わってしまったので、ぜひ行ってみて!とオススメできないのが
残念なんだけど。。。
香りの歴史をたどると紀元前2000年に遡る。
現代のように「香り」はお洒落という目的ではなく、
昔々は「香り」が疫病や悪霊を払うとされ、魔除けの役割を果たしていたそうです。
そこから「香り」が持ち運ばれるようになり、次第に常に「香り」を身に付けるようになったことから、
魔除けの役割から「香り」そのものを楽しむようになったそうです。
その頃の貴重な瓶も展示されていました。
18世紀になると、
貴族の間で開かれていた舞踏会で、過剰なまでにウエストをきつく締め、
失神して可憐さをアピールしていた女性の必需品が、
気分が悪くなったときに嗅ぐための、酢に塩を混ぜた気付け薬を入れていた瓶が
いわゆる香水瓶のはじまりだとか。
大昔から「香り」は、人の暮らしと密接に関わっていたのだとよくわかります。
まだまだ解明されていない謎な部分がたくさんあるそうですが。
18世紀末、香水の流行により、大貴族などの身分の高い人々は特別な装飾が施された
香水瓶を持ちたいと願うようになり、豪華な香水瓶をつくらせたそうです。
この時代の香水瓶も何点か展示されていましたが、ため息が出るほど豪華で煌びやか。
こういったところでも、上流階級の人たちは競っていたんだと感じます。
このように上流階級の人々が「香り」を持ち歩くという発想が、いわゆる現代における
香水の起源でなんですって。
いまでは、ファッションブランドが香水を出すのは当たり前になりましたが、
20世紀初頭、「ファッションと香水は一体が必要」という考えから、自ら香水ブランドを
立ち上げたのがファッションの革命児、ポール・ポワレ。
ポワレの影響を受けて、ココ・シャネル、クリスチャン・ディオールなどが
続々と香水部門を設け、個性豊かなボトルデザインを発表したそう。
エルザ・スキャパレリやゲラン、ランバン、ニナ・リッチなど多くのデザイナーの
香水瓶が展示されていました。
古代エジプトから、17、18、19、20世紀と時代を追って香水史を知ることができる
展示会でした。
会場には約350点もの香水瓶が展示されていましたが、
時代によって、豪華で華やかなものだったり、 簡素化されていたりと、
時代やブランドごとにボトルデザインが移り変わってきた様子がよくわかります。
どういう歴史を辿って今に至っているのかなど、奥深い知識も知ることができて
とてもおもしろかったです。
この展覧会のために特別に執筆された本。
美しすぎる香水瓶がたくさん載っています。