それでは、第2弾となります。
今回は、①令和8年度における老齢基礎年金の満額、②在職老齢年金における支給停止調整額です。よろしくお願いします。
※ 小タイトルの数字は、第1弾からの通し番号となります。
【3】令和8年度における老齢基礎年金の満額はいくら?
国民年金法第27条の規定により、老齢基礎年金の満額は・・・
「780,900円×改定率」
となり、その額に100円未満の端数があるときは、その端数を四捨五入します。
そして、前回の第1弾によって、令和8年度における国民年金(基礎年金)の年金額改定率は「1.019(プラス1.9%)」であることが分かっています。
さて、国民年金法第27条の規定による「改定率」とは…
令和 N年度の改定率
=令和 N-1年度の改定率 ×令和 N年度の年金額改定率
となります。
🔷令和8年度の改定率
=前年度(令和7年度)の改定率×令和8年度の年金額改定率(1.019)
⑴ 昭和31年4月2日以後生まれの者の場合
▼令和8年度の改定率
=1.065×1.019
=1.085
■令和8年度の老齢基礎年金の満額
780,900円(法定額)×1.085
=847,276円50銭
=847,300円(100円未満の端数を四捨五入)
※ 令和7年度の満額(831,700円)から15,600円の増額です。
なお、年金額の改定は令和8年4月分からとなりますので、実際に年金
⑵ 昭和31年4月1日以前生まれの者の場合
▼令和8年度の改定率
=1.062×1.019
=1.082
■令和8年度の老齢基礎年金の満額
780,900円(法定額)×1.082
=844,933円80銭
=844,900円(100円未満の端数を四捨五入)
※ 令和7年度の満額(829,300円)から15,600円の増額となります。
[注1] 令和5年度の年金額改定率は、名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回る正常な経済情勢でしたので、新規裁定者は「1.022」、既裁定者は「1.019」と、67歳到達年度以前にある「新規裁定者」と、68歳到達年度以後にある「既裁定者」とが明確に分かれていました。
しかし、令和6年度以降は、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回るという異常な経済情勢が継続していますので、令和5年度当時において既裁定者であった昭和31年4月1日以前生まれの者について、令和5年度当時の新規裁定者との改定率の差(0.003)が、現在においても引き続き残っているというわけです。
[注2] 法本来の趣旨であれば、「令和8年度」において、昭和34年4月1日以前生まれの者が「既裁定者」となり、昭和34年4月2日以後生まれの者が「新規裁定者」となりますので、そのように記述・解説している年金実務専門書も確かにあります。しかし、厚生労働省年金局の見解によると、令和6年度以後において、「物価変動率」によって年金額が改定される者が存在しなくなったが故に「既裁定者」という概念そのものが消滅してしまい、結局は、新規裁定者と既裁定者という概念を持ち出して区別する意味がなくなるのです。
【4】令和8年度における在職老齢年金の「支給停止調整額」はいくら?
令和7年度年金制度改革法により、令和8年度から、厚生年金保険法第46条第3項の規定による在職老齢年金制度の「支給停止調整額」が「62万円(法定額)」と、改正前の48万円(法定額)から大幅に引き上げられます。
しかし、この「62万円」というのは、あくまで「法定額」であり、実際の「支給停止調整額」は、令和7年度以降の「名目賃金変動率」を次々に乗じていくことによって額が改定されます。
名目賃金変動率
=物価変動率×実質賃金変動率
令和8年度における在職老齢年金の実際の支給停止調整額は、次のように計算します。
62万円(法定額)
×1.023(令和7年度の名目賃金変動率)
×1.021(令和8年度の名目賃金変動率)
=647,579円46銭
=65万円(1万円未満の端数を四捨五入)
ということで、令和8年度における在職老齢年金の実際の支給停止調整額は「65万円」となりました。
以上で、令和8年1月23日(金)に公表された令和8年度年金額改定に関する主な論点解説は終わります。お疲れさまでした。
それでは、また👋