松村和彦は、フリーランスの仕事に疲れ切っていました。

人生を振り返ってみても、いいことなんか1つもありません。

バブル経済の崩壊で失業を経験し、金融危機の頃には個人年金を契約していた生命保険会社が経営破綻、リーマンショックのときには住む家をなくしかけました。

人生に3回も危機が訪れたのです。

 

昭和41年4月2日生まれの松村和彦は、令和7年4月1日をもって満59歳になる平凡な男。

有期労働契約ではあるが、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの1年間、なんとか就職先を見つけ、厚生年金保険の第1号被保険者になります。

 

彼は、勇気を振り絞り、令和7年度の1年間だけ「標準報酬月額30万円」で働くつもりですが(賞与なし)、65歳から受け取れる年金額がいくら増えるのか、ふと疑問に思いました。

 

彼は、社会保険労務士の勉強をしていたことがあるのです。

 

もちろん、彼が65歳を迎える6年後の頃の老齢基礎年金や老齢厚生年金の額が現在(令和7年3月22日)よりも大きく改定され、異なっているのは確かでしょう。

 

でも彼は、とにかく令和7年3月22日現在で判明している数値等を利用して、1年間で年金額がどのくらい増えるのか、仮定の金額ではあるものの計算をしてみることにしました。

 

【1】1年間分の受給年金額について

①老齢厚生年金(報酬比例部分)の額

=標準報酬月額×再評価率×給付乗率×加入月数

=300,000円×0.922×5.481/1000×12月

=18,192.53円

=18,193円

 

②老齢基礎年金の額

=831,700円×12月/480月

=20,792.50円

=20,793円

 

①+②=38,986円(1か月当たり約3,249円)

 

【2】1年間分の厚生年金保険料額の被保険者負担分について

300,000円×183/1000×1/2×12月

329,400円(1か月当たり27,450円)

 

つまり、329,400円÷38,986円=8.449···年

65歳から受給したとして、「8.5年以上」生きるとすれば、元が取れるわけです。

おおまかに「74歳以上」生きればよいわけです(後期高齢者になる前に元が取れます)。

 

【3】仮に国民年金第1号被保険者のままだったら?

令和7年度の国民年金保険料(年額)

=17,510円×12月

210,120円

 

※厚生年金保険料として被保険者が負担すべき分の「329,400円」のうち「210,120円」(63.8%)は国民年金保険料とみなして納付していると考えることができるかもしれません。これを「受給額」の側面から比率を計算してみると、老齢厚生年金と老齢基礎年金とを合わせた「38,986円」のうち、老齢基礎年金「20,793円」の占める割合は「53.3%」と低下してしまうのです(賞与が支給されるケースで計算すると、老齢基礎年金の支給額割合はさらに低下することが分かりますね)。

 

つまり、210,120円÷20,793円=10.105···年

65歳から老齢基礎年金を受給したとして、「10年余以上」生きなければ元が取れません。

 

おおまかに「76歳以上」生きなければなりません。

 

※ なお、令和6年7月26日に公表された「令和5年簡易生命表」によると、65歳時の平均余命は、男性は19.52年(84.52歳)、女性は24.38年(89.38歳)となっています。

 

松村和彦は、年金受給額等の結果を見ると、空に向かって大きく息を吐き、令和7年度を「ラッキーセブンの1年」にしようと歩き出すのでした。

 

【追 記】

第57回(令和7年度)社会保険労務士試験を受けられる受験生の方へ

今年も3月21日が終わり、3・2・1··· とのカウントダウンで、いよいよスタートの時が来ました。

おそらく、3週間後の令和7年4月11日(金)が「第57回(令和7年度)社会保険労務士試験」の公告の日であり、翌週の4月14日(月)から受験申込みが開始されるものと思われます。

ここで気を引き締め直して、5か月後の本試験に備えることとしましょう!