さて、令和6年4月1日施行の改正障害者雇用促進法の第2弾です。

今回は、障害者雇用調整金の支給額の改正になります。

 

【障害者雇用調整金の支給額の改正】

令和5年度まで、法定障害者雇用率を達成している一般事業主に対しては、超過して雇用している対象障害者1人当たり「月額27,000円」の障害者雇用調整金が支給されていました。

 

法令改正により、令和6年4月1日から、「月額29,000円」に引き上げられます。

ただし、1か月当たりの超過人数が「10人」を超える場合(11人以上)においては、当該超過人数分については、本来の額から6,000円を調整して「月額23,000円」となります。

 

*この調整規定は、障害者雇用調整金を目当てに不正受給されることを防止するための措置ですが、実際にこの調整規定に基づき障害者雇用調整金が支給されるのは、令和7年度以降になります。

 

※法定障害者雇用率を達成していない一般事業主に対して、不足する人数1人当たり「月額50,000円」を徴収する「障害者雇用納付金」については、改正されていません。

 

【報奨金の支給額の改正】

常時100人以下の労働者を雇用する一般事業主に対しては、当分の間障害者雇用調整金及び障害者雇用納付金の規定は適用されません

 

しかし、このような小企業でありながら、法定障害者雇用率を達成し、法定障害者数を超えて対象障害者を雇用している小企業の一般事業主に対しては、当分の間、「報奨金」を支給する制度があります。

 

実は、この「報奨金」についても、令和6年4月1日以後、改正が行われます。

 

その支給要件は、次の①又は②のうち、いずれか大きい数を超えて対象障害者を超えている場合に、超過人数1人当たり「月額21,000円」を支給するというものです。

①各月ごとの初日における労働者数の4%の合計数

②年間72人(1か月当たり6人)

 

ただし、この場合においても、1か月当たりの超過人数が「35人」を超える場合(36人以上)においては、当該超過人数分については、本来の額から5,000円を調整して「月額16,000円」となります。

 

〔具体例〕

常時90人の労働者を雇用する一般事業主において、年間での雇用障害者の合計数が72人である場合には、①の要件である4%である数は超えていますが、②の要件である「72人」は超えていませんので、「報奨金」は支給されません。

 

なお、障害者雇用調整金の支給及び障害者雇用納付金の徴収並びに報奨金の支給に関する業務は、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」が行っています。