社会保険労務士試験の「国民年金法」においては、第3号被保険者に関する問題が毎年のように頻出されますので、Twitterより少しだけ詳しく説明しましょう。
【1】特定保険料に係る暫定措置の終了
まずは、平成30年3月31日をもって「特定保険料」の特例追納制度が終了しました(平成27年4月1日から3年間の暫定措置だった)。
この暫定措置の期間については、社労士試験でよくあるように、法改正により延長されるかもしれないと身構えていましたが、結局は延長されませんでした。
(注)「特定保険料」を納付することができたのは、「特定受給者」(平成25年7月以後に3号期間を1号期間に訂正して時効消滅不整合期間を有することとなった者で、時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなして老齢基礎年金等を受給しているもの)に限りませんが、平成30年4月以後の法改正事項に関係があるのは「特定受給者」ですから、以下では「特定受給者」についての説明になります。
※「後納制度」(過去5年間の未納・滞納保険料を納付することができる法制度であって、平成27年10月から平成30年9月までの暫定措置)は、「特定保険料に係る特例追納制度」と対象期間が重複することがありますが、期間重複の場合は「特定保険料に係る特例追納制度」を優先適用し、後納制度は適用しないこととされていました。
【2】特定受給者に支給してきた老齢基礎年金等の減額と減額幅
さて、実態は第1号被保険者であるのに第3号被保険者として老齢基礎年金等を受給していた特定受給者に関しては、特定保険料の納付状況によって、平成30年4月以降の老齢基礎年金等の額が増額又は減額されて支給されることになります。
ただし、平成30年4月分からの老齢基礎年金等の額が平成30年3月以前の額より減額される場合であっても、「9割保障」といって、最大でも1割分しか減額されないので、特定保険料を納付していた者はあまりいませんでした。
★障害基礎年金及び遺族基礎年金については、当該受給者の生活に与える影響が非常に大きいため、平成30年4月以後も減額されません!
<このあたりは社労士試験に頻出されていますから、絶対に落としてはいけません!>
【3】特定受給者に係る老齢基礎年金等の支給停止の措置
特定受給者に係る年金記録を正しく訂正した結果、なんと老齢基礎年金等の受給資格期間である10年すら有していない者もいます。
この場合は、老齢基礎年金等の受給権そのものが発生していないので、9割保障の老齢基礎年金等を支給することは、あまりに不公平です。そこで、法改正を行いました。
【4】平成30年4月1日以降の法改正
さて、「特定受給者」が平成30年4月1日以降において、正しい年金記録の訂正に基づいて算定したところ、老齢基礎年金等の受給資格期間である10年を満たしていないことが判明したものと仮定します。
これ、どうなると思います?
不整合記録訂正後の年金記録において受給資格期間(10年)を満たさなくなる場合には、平成30年3月31日に老齢基礎年金等について「その支給が停止」されてしまいます。
正確にいえば、「平成30年3月31日」において支給を停止すべき事由が発生したため、支給停止事由が発生した日の属する月の翌月(平成30年4月)から、老齢基礎年金等の支給の停止が開始されるのです。
★このような場合であっても、一定の法令の規定の適用については、老齢基礎年金等の支給要件を満たすものとみなされます。
なお、当該特定受給者の有する保険料納付済期間及び保険料免除期間は、老齢基礎年金等の計算の基礎としません。このような老齢基礎年金等の受給資格期間10年ですら有していない者に対して「9割保障」の老齢基礎年金等を支給することは、あまりにも不公平です。
かといって、まったくの無年金にするわけにもいきません。
そこで、不整合期間記録訂正後の年金記録において、老齢基礎年金等の受給資格期間10年を満たさなくなる場合、「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を提出するまでの期間について、老齢基礎年金等の支給を停止することとされました。
ただし、「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を提出していれば、時効消滅不整合期間が「合算対象期間」とみなされ、支給停止は行われません。当該「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を提出することによって、その翌月から雀の涙程度の老齢基礎年金等を受給することが可能になります。
★実務上の取扱いとしては、この届出が未提出である期間について老齢基礎年金等の支給を停止するということだそうですから、できるだけ早く「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を提出すべきですね。