新婚日記 植える、見送る。 | 民安ともえ オフィシャルブログ 「日々の民安」 Powered by Ameba

新婚日記 植える、見送る。

先週末、旦那様の実家の岩手に帰省しました。
もともとは「田植えしたい!あるいは畑のお手伝いしたい!」という目的の帰省だったんですが、
直前にお母さんのお父さんがお亡くなりになったのでお葬式です。

東京(関東?)と岩手(東北?)ではお葬式の順番が全然違います。

東京でも色々とあるでしょうがよくあるのは、

まずはお亡くなりになった方を囲んで、家族や親しい方で通夜をします。通夜自体は案内を送るというより身内同士で連絡を取り合って駆けつけたり。
最近では通夜振る舞いで、お通夜でもお肉やお魚を出したりしますよね。
その後広くご案内をお送りした皆様に囲まれて、告別式。
お亡くなりなった方のお顔を拝見して、お花を入れたり御焼香のお式をしたりして、そのまま出棺、家族以外はそこでお見送り。

そういったものに参列したことはあったのですが、特に「嫁」としてお葬式に立ち会ったのは初めてでした。
心に響いたこともあったので、書き留めておきます。


私と旦那様が駆けつけたのは、そのお母さん側のお祖父さんがお亡くなりになってから5日目の事。

東北ではまず、家族だけで通夜を行いすぐに出棺してお骨にしてしまうのだそうです。

その後、お骨をお守りしながら御線香をあげに来てくださる方をお迎えし、お葬式を迎えます。

今回はお亡くなりになってから6日目のお葬式でしたので、ご家族は4,5日斎場に泊まって、御線香をあげに来てくださる方々をお迎えしていたそうです。私たちもここに駆けつけました。
この間は基本精進潔斎を守ります。


でもこれはみんなの都合を合わせて少し先に伸びてしまったスケジュールだそうです。
私たちももともと帰省する日に合わせてもらえて参列する事が出来ました。

身内はここで御線香をあげて、お香典なども御供えしてしまいます。


お葬式の当日は早起きして、
喪服に黒いエプロンをつけて、お手伝いをします。

斎場でのお経の時間まで、来てくださる方をお迎えして、香典返しはその場で。

お茶を出して、その日の午後に精進落としまであるので早めのお食事として早お昼をお出しします。ここも、精進で。

精進のお弁当を取るのが普通だけど今回はお餅でした。甘いお餅2つと、野菜だけのお雑煮。
お餅は今は珍しいそうですが胸がいっぱいでも食べやすくていいな…と思いました。

斎場でお経をあげていただいて、御焼香。

出棺は終わっているので、お骨を持ってお寺へ行きます。斎場を出るときに竹の仮門を、男性の手で潜らせました。
他にも男性には色々と役割があって、旦那様はお祖父さんのいっぱい飯(割り箸を立てたご飯)をもつ役割をしていました。
調べてみると旦那様の実家は岩手の中でも南なので、宮城やそっちの風習に近いようです。


参列の方はバスで、
私たちは車でお寺へ。

お寺でもお経をあげていただくのですが、この時、宗派によるものでしょうが「御詠歌」(詠讃歌)を歌ってくださるボランティアの方々がいらして、お経の始まる15分くらい前からと、御焼香の間にずっと御詠歌を歌ってくださいました。

順に御焼香をして終わったら、お骨を収めます。
お墓に行って、家族が骨壷を収めたら、参列の方に御線香をあげてもらいます。
本当は行列したり、右回りに何度か回ったりもここでも色々とあるのだそうですが悪天候だったので少し早めたみたい。
御線香をあげてくださった方に、お菓子と、味のついてないお団子を1つずつ渡してたべてもらいます。
そういえばお墓にも三角に積まれたお団子があったな、と思って母に聞くと、昔は四十九日まで毎日お団子を作って御供えするものだったそうです。
お団子を1つずつ取ってもらう時「虫歯の薬になりますからね」と言っていました。
そう言われているのだそうです。

後は、お葬式に戴いていたお花をお一人分ずつに分けて包んだものをお渡しして一般の参列の方をお見送りします。

その後、親しい人での初七日法要。

今回が6日めだから、という訳ではなくみんなが集まっているうちに初七日までしてしまうものだそうです。

全員で、導師様に合わせてお経を読みます。初めてだったけれどちょっとじんとしました。

その後、御焼香をして、それからまたみんなで移動して、そこで精進落とし。大勢でのお食事になります。

レストハウスに入る前に肩に自分で塩をかけ、1人分ずつに分けられたコップの水を受け取り口をゆすいでから、中に入ります。
お食事の前に、導師様と短いお経をまたみんなで読んで、それからお酒を一口飲みます。お亡くなりになった方への献杯です。
そして、ここで精進落としなので、お肉やお魚を戴きます。

お亡くなりになった母方のお祖父さんには
今年のお正月の帰省でご挨拶に行ってお会いしただけだったのだけれど、ニコニコして、冗談をいって、家族の真ん中にいて、お酒が好きな、朗らかなお祖父さんでした。訃報を受けて旦那様はちょっと泣きました。子供の頃よく遊びにいっていたのだそうです。

私は子供の頃、自分の実家から遠くに住んでいたこともあって親戚と縁が薄くて、特に何回忌、のようなものには立ち会った事がなかったし
自分のお祖父さんお祖母さんともあまり親しく付き合ったことがありません。

旦那様と一緒になってから初めて、帰省したり、沢山の親族の方に会って声をかけていただいたりご挨拶をしたり。そういった事をこれから重ねていくのだな、と感じていた矢先の事でした。
母方のお祖父さん。これから仲良くなれたかもしれない方です。寂しくもあり、ちゃんと帰省してご挨拶出来ていてよかった、これまで自分の実家にもまともに帰ったことはなかったけれど、帰省は大切なんだなと思いました。


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旦那様の実家は、お父さんお母さん、お父さん側のお祖父さんとお祖母さんが住んでいます。
農業をしているのは主に、その父方のお祖父さんとお祖母さんとお父さん。

お葬式の前の日に、
「何か畑の事がやりたい!」と言っていた私の為にお祖父さんがハウスの中に畝をつくってくれていました。植えたのはレタスとブロッコリー。
本当に少し植えさせてもらっただけで後はお祖父さん任せなのだけど。
いつか本当におうちのお手伝いも出来るようになったらいいな。

生きて育つものを植えて、
お亡くなりになった方を見送って。

感じることの多い週末でした。