今まで海外からの感染者流入の波は2回あった。

 第1波は、1月から2月上旬にかけての中国からの観光客。これに対する渡航拒否措置は遅かったが、そこまで大量の感染者を出さずに済んだ。
 第2波は、3月に入ってからの欧米からの帰国者。ここで大規模な予算措置をかけた対応を取らなかったのが、現在の惨状を招いている。東京はもう都市封鎖してもおかしくない状況だ。第1波が思ったほどの事ではなかったので油断したのか。
 第3波は、これから起こる。3月31日、新たに感染症危険情報レベルが3に引き上げられる49ヶ国に渡航していた邦人が続々帰ってくるからだ。ここでの対応を誤れば、第2波の時と同じような大規模な感染拡大が起こる。現状の感染者と合わせて、更に急激な感染者拡大を引き起こす。

 それでは、失敗を繰り返さないために何が必要か。
 第2波での失敗の最大の要因は、帰国者の2週間の待機要請への強制力が無きに等しかったことだ。「帰国したら、公共交通機関を使わずに家に帰って待機して下さい。」成田や関空に降り立った帰国者が、タクシーや徒歩で帰宅できると思っているのだろうか。役人の発想は、都会に住んでいる金持ちの立場しか想像できていない。地方在住者の立場が、すっぽり抜け落ちている事を痛感する。空港近くのホテルに2週間待機できるのは、よほどの富裕層のみ。また、ホテルによる待機拒否もあるという。ホテルの気持ちも分かる。ここは、政府が経費を投じて2週間の隔離場所を確保してないのが、どう考えてもおかしい。政府がいくつかのホテルを借り上げて隔離場所として使用するなどの措置をとらないのがおかしいのだ。電車に乗って自宅に帰る貧乏留学生を批難するのは、おかど違いだ。もちろんホテルを借り上げて使用するなら、従業員のために、防護服を支給するなどの経費支弁は当然。ホテルの確保が難しければ、せっかく作ったオリンピックの選手村などを使えばいい。空港からの選手村への人員輸送は、失業状態になっている観光バスドライバーを雇って輸送すれば、失業対策にもなる。輸送人員のための防護服や、車内の防護措置・消毒のために使う予算が、そこまで莫大になるとは思えない。都市封鎖で失う経済的損失と比べたら、絶対に安いはずだ。
 本当に無策な政府の帰国者の隔離政策に、怒りを覚える。このままでは、4月中に悲惨な事態が発生するだろう。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14424744.html?iref=pc_ss_date