日本の市民運動とかで、ハンストやらダイ・インなるものは、私は全く支持しない。ダイ・インは意味不明。ハンストなんて、焼身自殺するくらいの覚悟がないとダメ、といった批判は、運動内では常にあることだが。
 しかし、SEALDsとかがやってる運動に、道路にはみ出したとか、点字ブロックを踏んでるとか、そういったレベルの批判で鬼の首を取ったような態の大人たちの多いこと、そしてその幼稚な事よ。彼ら、わざわざ道路使用許可を取って道路をオキュパイしてるわけ。健常者も視覚障害者も含めて、交通を遮断して座り込むことを目的とした手法なんだから。邪魔だとかいうのは、その辺を通行する人と警察と、運動家の間で話し合って調整することだから、ネットだけで様子を見てる人間が、とやかくいう事ではない。

 そもそも公道や公的施設でパレードやオキュパイするのに警察の許可を取ることが、先進国の中ではかなり特殊。(韓国あたりは許可が要りそうだが。)欧米などでは、警察の許可などお構いなしに公園に人が集まってオキュパイが始まる。そしてその後に警察との調整が始まる。
 公道や公的施設に機械的に道交法や不法侵入が当てはまるかは、かなり微妙で、デモに公共性を認めている社会では、かなり寛容だ。日本でも官庁オキュパイというのはめったに起きないが、これに即時不法侵入を当てはめるということはない(だいたい当局と代表者が話し合って退去の条件や手順を調整しにかかって、穏便に解決する。)。車道も必要に応じて歩道扱いになる。警察の裁量が強すぎるといわれる日本においてですら、そういうことなのである。
 日本には、警察の裁量が全てと思い込んでいる人が多すぎる。日本の警察の裁量は大きいが、それでも状況に応じて調整が行われるのである。

 集会が道交法違反だとか言ってる人の中で、去年の台湾での「ひまわり学生運動」、香港での「雨傘運動」に喝采を浴びせていたような人がいたら、真摯にその身を恥じて欲しい。ひまわり・雨傘ともに、道交法も不法侵入もへったくれもなかったわけだから。
 SEALDsの学生なんて、しょせんは平和ボケでぬるい運動しかできんヤツらだと言うなら、ぜひ彼らに国会オキュパイを勧めてみてはどうか。私は、彼らの穏便な運動姿勢を支持しますが(ハンストとかは除く)。