=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=2015.09.05 zakzak by 夕刊フジ【ニッポンの新常識】安保法案反対の面々が重度の「米国依存症」という皮肉 K・ギルバート氏http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150905/dms1509051000002-n1.htm=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

 K・ギルバートという人、一体何が言いたいのだろう。彼の論理は、突き詰めると日本人に「米国依存症はよくない!今後は単独防衛でやる!アメリカ軍は日本から出ていけ!」と言わせる内容。彼自身、この論理が、突き詰めるとそこまで行くものだと気付いているのかどうか知らないが。とりあえず、日本人にそういったことを言わせたいわけではないだろう。

 彼が一番強調したいところは、つまるところ「米国が、日本や韓国の国防に片務的な責任を負っている」というところだろう。アメリカは日本の傭兵として働いてるのに、日本は何もやってないだろう。これからもっと貢献して、双務的な状態に近づけろ、という話。なんだかアメリカ人の暗示にかかって、「日本て何もしてないんだね」とか思っている人もいるようだが、これがとんだ詐欺。日米の軍事協力は、片務的でもなんでもなく「非対称であるが対等」という形をとっているだけなのである。この辺は、かつてのブログにも少し書いたので、そちらも参照のこと。

小川和久の論理では集団的自衛権は要らないということになるのでは?

 米国の太平洋覇権のために、日本がどれだけのコストとリスクを負っていると思ってるのだろうか。米軍のアジアでの活動のために、米軍が日本に基地を置くことによって節約されるコストは、年間250億ドルと見積もられている。お金だけではない。朝鮮半島・台湾有事となれば、日本は最も危険な最前線での兵站活動を担うことにもなる。当然沖縄や横須賀などの米軍基地がある都市は、真っ先にミサイル攻撃に晒される。前線に自衛隊を送るかどうかという議論以前の問題で、日本が前線になり、自衛隊員だけでなく日本国民が前線に位置する状態となる。日米の軍事協力というのは、日本がそこまでのハイリスクを抱え込んだ上で、「非対称であるが対等」なものとして運用されてきた。いまアメリカ側が、日本が抱えているリスクは大したものではないとし、「非対称であるが対等」としてきたものを「片務的」と主張するのは、日本側のリスク負担を安く買い叩こうとしているだけのことである。日本は、こんな安っぽい値段交渉に応じて良いのだろうか?