イタリアリグーリア州ジェノバのカモーリ。
いまから19年前、29歳の時に、この海沿いにあるイタリアで有名な老舗フォカッチェリア レベッロに1週間ほど毎日のように仕事として通った。

目的は日本初のフォカッチェリア を2006年開業のららぽーと豊洲出店の調整と名店の味を覚えるため。

いま考えると、今の時代のように優秀な翻訳機などないしガラケー時代なので、イタリア人通訳を雇って現地に行きましたが、英語もたいして話せない20代の小僧を1人イタリアに飛ばすというのはなかなか会社も思いきったことをしたなあーというのと、かなり期待をされていたのだなと、本当に感謝をしている。

帰国後、ららぽーと豊洲にお店を出店する際にもコンセプトから店のデザインや人事、売上計画など全てを任せもらい無事に出店することができたが、赤坂、湘南、豊洲と3つの店舗を責任者としてまわし毎月380時間3ヶ月間以上休みなく働いたことで、精神的に身体を壊し、逃げるように退職をした。

もともと、私がこの木村家のグループ会社に入社したきっかけは、当時は飲食部のお店として赤坂のお店しかなかったのだが、大赤字であったため、会長から立て直しのためにリクルートされ、いきなり新参者の店長として入社した。

入社時は店舗の月売上は250万で毎月30万は赤字というとんでもない状態であったのを覚えている。
入社後そうそうに、コスト見直し、メニュー再編、バイトの教育、コンセプトの見直しなど、全ての立て直しをはかり、毎月の売上を2倍に伸ばし、最終的には系列店3店舗までに大きくなった。
しかし、いまとは違い、(特に飲食などは最たるものだが)労働者の権利は軽視される時代でもあった。

ただ、こうした経験をしたことは私の人生において財産になっているし、大きな仕事を経験させていただいた木村会長にはいまでも感謝をしている。
いつか再会し、あのときに言えなかったお礼を言いたいと思っている。
そして、またいつの日か再びカモーリにも行こうと思う。