議案第18号 令和4年度一般会計補正予算(第4号)(新規)子どもお出かけ応援事業費について、本会議質疑をしました。質疑答弁を書き残します。余談ですが、本会議質疑は3回(質疑・再質疑・再々質疑)までという決まりです。

私には子ども青少年部の行う事業において、副次効果としても、シティプロモーションや経済効果を狙うことを視野にいれた事業構築には違和感があります。
特財を使えることが決まってから、事業上程までの時間的余裕もないのは理解しますが、事業構築が雑になることは避けなければなりません。ましてや、夏休みの時期には小田急が独自にスタンプラリーをしている中、シルバーウィークの三連休に3900万もかけて藤沢市オリジナルのスタンプラリーをすることがはたして市内の子ども達にとって有意義な税金の使い方なのかを、あらためて考えなければなりません。


【質疑】
1点目
子どもの貧困対策の推進に関する法律及び子ども・若者育成支援推進法において、努力義務とされている計画の「藤沢市子ども共育計画」を事業との整合性として、今回の(新)子どもお出かけ応援事業費の補正予算が特財を財源に1億5千万円あまりの事業が上程されていますが、この事業では対象を市内3歳児〜小学生までとしており、その対象人数は3歳児〜5歳児がおよそ4万人ほどに3000円のクーポンを配布する事業になると思います。(クーポン配布を)共育計画の趣旨である相対的貧困等にある子どもへの対応ではなく、市内3歳から12歳の全ての子どもを対象としておりますが、この年齢層(3-12歳)に絞った理由をお聞かせください。また(クーポン利用の)対象となる施設やサービスについてお聞かせください。

2点目
事業内容の意義を考えた場合、中学生については対象となってもいい内容なわけですが、中学生は対象外とした理由についてお聞かせください。

3点目
スタンプラリー実施にようする経費が39600千円かかるわけですが、このスタンプラリー事業の費用の内訳と対象、これは子どもお出かけ応援事業の市内3歳から小学生の子供たちが対象なのか等、事業の狙いなど、事業の詳細をお聞かせください。

【答弁】
1点目の対象年齢を3歳から小6までとした理由ですが、新型コロナの拡大により、子ども達の日常生活は長期間にわたり様々な制約を受けてまいりました。こうした中、小中学生が新型コロナについて、心配や不安に思っているや困っていることを聞いた市のアンケートによると、小学生では、友達と遊ぶことが出来ない、出かけることができない、感染症による制約に我慢しているのが辛いといった悩みをもっていることがわかった。こうしたことから、外出機会や遊ぶ機会を奪われていることを困り事としている小学生を対象に事業を組み立てたものです。対象施設については、市内で継続して事業を営む者で、本事業の趣旨に賛同いただき、子ども達の豊かな遊びや学びを体験できるサービスを提供する事業者に対し、現在参加を募集しているところです。
2点目の中学生を対象外とした理由は、アンケート回答で、中学生はワクチン接種対象年齢ということもあり、ワクチンに対する不安や、学習、受験に対する心配の声、部活動への制約などについて困っているとの声がきかれたことから、今回のお出かけ事業の対象は、小学生までに限定したものです。
3点目のスタンプラリー事業ですが、事業構築する視点として、第1に、子どもが笑顔ですごす思い出づくりに資する、子どもファーストの事業として組み立てました。また、本事業に対する特財の目的を考慮し、事業効果を一方向からのみ捉えるのではなく、シティプロモーションや観光誘客の視点も取り入れ、加えてマルチパートナーシップの視点から、小田急電鉄株式会社の小児運賃50円と連携するなど、まちづくりの視点で多角的に検討したものです。費用の内訳としては、スタンプラリー事業の参加者に配るノベリティ作成等や、懸賞商品に係る費用として3094万円、スタンプラリー及び抽選会実施に要する委託料で866万円を見込んでいます。なお、対象者は市内外を問わず、全ての子どもや子育て家庭などに広く参加いただける事業としてまいりたいと考えています。

【再質】
1点目
全ての対象者にクーポンを発送することにより、使用されなかった場合には無駄となってしまうわけです。うちは必要ないよ、といったご家庭もいらっしゃると思います。
希望者の申請制とすればその分のクーポン作成発送等にかかる費用1758万円を圧縮できると思うわけですが、対象となる全ての子どもに郵送配布する理由をお聞かせください。

2点目
スタンプラリー事業(3960万円)については、市内や子供等に関係なく、誰でも参加できるわけですが、これは事業効果や事業趣旨という意味では市内経済喚起の事業と感じるところです。本来ならば、今回の補正にも上がっている市内観光推進事業など経済部の枠組みで行う事業の色合いがあると思います。
子ども青少年部として行う事業という側面、また藤沢市子ども共育計画との整合性ということを鑑みた場合、スタンプラリーの3960万円の費用があれば、市内中学生の子どもたちの11000人あまりの生徒も対象にすることができますし、その方が事業の意義を果たせると思いますが、今回、こうした観点を持ってご検討をされたのかお聞かせください。

【再答弁】
1点目の対象年齢の子供全てに配布する理由は、事業実施までの限られた時間の中で、全ての対象者にもれなく情報を行き渡らせる手法として、クーポン券の配布を個人への郵送としました。
2点目のスタンプラリー事業の経費の使い方という点につきましては、多くの方にスタンプラリー参加により藤沢市に来ていただき、市にちなんだノベリティ配布することで、市内外の方々に藤沢市を知っていただく好機とし、副次効果として観光誘客や市内経済活性化に資する事業として検討した経過がございます。また、中学生を事業対象とすることの検討としては、学習支援や受験対策、部活動支援などについて、実施可能性を探りましたが見送りさせていただきました。

【再々質】
今回の事業については子どもの外出機会創出することになるわけで、そのこと自体を否定はしませんが、外出機会を奪われたのは中学生も同様です。いま、相対的貧困率が上がりつづけており子どもの貧困率も社会的問題になっています。経済的な貧困を理由に、たとえば、満足な食事ができなかったり、塾など学びの機会を得られなかったり、やりたかったスポーツや部活を諦めなければならなかったりするなど、本当に困っている子どもたちがたくさんいると思います。子ども青少年部で行う事業として、経済的側面を考えた事業を構築するのではなく、そうした本当に困っている子どもたちのためにこうした特財を使うことができないのでしょうか?こうした観点での事業構築について、最後にお考えをお聞かせください。

【再々答弁】
新型コロナウィルス感染症が子ども達の日常生活に様々な影響を及ぼす中、議員ご指摘の経済的貧困を背景とした困りごとを抱える子どもへの支援については、大切な視点であると捉えています。本市の子育て家庭に対する新型コロナウィルス感染症による影響につきましては、現在ではエビデンスはありませんが、今後の感染状況を踏まえ、施策と事業のあり方について、なお検討してまいります。