所属している議会改革検討会において事務事業評価および議会改革について検討を重ねる中で、先進議会への視察を行ったので報告する。(正式な視察報告書については議会改革検討会で視察報告書が取りまとめられ議会事務局に提出されますのでそちらをご覧ください。


視察報告


藤沢市議会 議会改革検討会 行政視察日程


日時 平成28年1月21日(木) 13時30分から

場所  山陽小野田市役所 第1委員会室



(1)山陽小野田市議会 一般会計予算決算常任委員長 伊藤議員 開会挨拶

議会改革全国9位ではあるがさらなる改革をしていかなければならないと考えている。
H30年4月
東京理科大学 薬学部を誘致し、街づくりを行う。
閉会中が忙しい。通年議会に近いがそれでも市民から議会が見えないといったことを言われる
いまはインターネットを使って情報発信を行っている。

(2)藤沢市議会改革検討会 塚本座長挨拶


(3)視察事項
「議会改革の取り組みについて」

(1)事務事業評価について

H24年議会基本条例を制定。
議会の在り方特別委員会を立ち上げる。
後援会活動と議会活動の違い
議員定数削減について市民団体と議論
住民投票までいったが投票率50%に達しなかったため開票なし。
一般会計予算決算常任委員会(委員任期2年)にて予算⇨補正⇨決算までを一括して審査
770の事務事業について、所管する各常任委員会の意向で40以降を選定し審査
事業審査が厳しいので(ガチンコ)なので説明資料等についても執行部はわかりやすいと資料を提供するようになった。
くだらない質問は排除するために思いつきの質疑はさせない
質疑応答を経て、各委員が事業評価し、議員間での議論(自由討議)を重視。一致できる事項を附帯決議として議会の合意形成をとり市側に提出、新年度予算に反映する。反映されていない場合は議会で徹底的に追及する。

(2)政策討論会について
議会基本条例9条に政策討論会を規定。
議員全員参加型にて開催しテーマは議会運営委員会で決定し市長に政策提言を行う。
議会がみずからまとめた政策提言だから非常にいみがあるものとなっている。




(3)議会改革の取り組みについて
①市民懇談会について
議会基本条例第19条に規定している。
これまでH24年度~H26年度まで17回開催。延べ292名に対しておこなっている。
進行については議員がおこなっている。

②自治会懇親会について
広報広聴委員会でとりまとめ、各常任委員会に振り分ける。
各常任委員会で検討したものを自治会に回答する。

③出前講座について
第25条に規定。市民からの要望に応じてその有する情報を提供するために、市議会出前講座を行うことを規定。これまでは出前講座自体の実績はなし。

④その他FB等について

さらなる議会改革のために
1、議会機能について
2、情報発信(委員会中継、議会FB)、情報収集(自治会懇談会・市民懇談会の充実)、市民参加(市議会モニター来年度スタート)
委員会中継(1日20から30名)
3、議員定数、議員報酬について

住民参加度
議会報告会 毎定例会6会場

運営改善度
議決事件の追加⇨基本計画を審査
議長任期を4年に⇨二元代表制の一翼
予算決算常任委員会の設置⇨通年サイクル

議会基本条例は2年に1度見直しを行うこととなっている。


Q, 政策討論会において意見がまとめられなかった際の取り扱い
A,討論会については意見を無理に纏めるのではなく、そういったことを踏まえて在り方委員会にあげる。議論を市民に公開することにも意味がある。それぞれを所管する常任委員会で議論し政策提言を行う=まとまった内容のみを構成する。
政策提言
Q,一般質問からテーマを決めることはあったのか?
A,一般質問に関連する場合もあるが、所管事務調査をおこなうなどして政策提言を行う。

Q,議会報告会、市民懇談会の声の大きい方にたいする対応
A,司会者の采配次第となる。個人的な考えはしない。議決事項の賛否については賛否をした議員が答える。

Q,自治会懇談会の回数は?
A,自治会懇談会は年度3回


Q,全国9位…??おもな理由は?
A,議会基本条例を策定したことが大きい

Q,様々な議会改革をおこない市民と市議会の距離を縮め、情報発信を強化することで
投票率にどう結びついているか。
A,投票率は低迷している。60.65% ⇨ 55.1%
 

【2日目】

藤沢市議会 議会改革検討会 行政視察日程 2日目


日時 平成28年1月22日(金) 9時30分から11:00

場所  周南市役所

目的 「議会改革の取り組みにについて」

(1)周南市副議長 挨拶
H25年に2市2町で合併。瀬戸内の自然の良港、港湾が地域資源である地域で、コンビナートが特徴でありコンビナートで発生する水素を活用して水素ステーションが昨年完成した。
電力が一番やすい町としてどう発信していくか、議会では特別委員会も立ち上がっている。
また、庁舎については建て替えを控えているなど、昭和20年代に町の整備が進んだこともあり、公共施設の再生に力を入れているところでもある。
(戦争の歴史が色濃くのこっているのも町の特徴となっている。)

(2) 議会改革検討会 塚本座長 挨拶

(3) 視察概要
議会改革の取り組みのきっかけ
周南市議会は、2年間の在任特例により78人の議員でスタートしたが、議員報酬問題に端を発した住民からの議会解散請求により、平成16年5月に解散した、
その後、出直し選挙により新たに34人の議員が選ばれ、議会改革の取り組みにをスタートした。
キーワードは公開と対話。


行政評価について
次年度予算に反映するため決算にあたっての審議については行政評価を行うことをH23年に決定し、運営している。対象事業については7会派がそれぞれやりたい事業を抽出し、それぞれ所管する委員会に提出し3事業程度に絞る。
またそれ以外の事業については予算決算委員会で追加できることとしている。
決算審査では決算質疑と行政評価対象質疑の質疑をおこない、決算審査に付す意見、行政評価のとりまとめをおこない、決算審査報告に意見を付し、行政評価を附帯決議(H26年は51の意見を付した)の上で執行部の予算編成作業に反映させる。
また、執行部は議会に対して「議会が実施した行政評価に関する決議に対する今後の対応」「予算決算委員会審査報告書の意見に対する今後の対応」等今後の対応を資料として提出する。


委員会懇談会(ミニコン ❇︎小規模な懇談会の略)
ミニコンは市民のためのまちづくりが、議会から発信できるように議論が活発にするため市民団体等との対話を積極的に推進したいとの想いから提案された。
委員会はミニコンを行う際は議長の承認のもと行われる。
委員長が座長となり懇談を進める。時間は原則2時間としミニコンは公開、記録は要点筆記として公開をすることとなっている。また、ミニコンは座談会方式でおこない、活発な議論が行えるようにしている。
特徴としては各分野の専門的な意見や市民団体の意見を聴取できることであり、委員会として見識を深めるニーズを把握することにつながっている。


子ども議会
H26年から年1回開催。
まつづくりと議会の関係を学び、こどもたちがまつづくりを身近なものとして参画するきっかけづくりを目的に行ってる。
開催経緯として、議会から教育委員会に子ども議会を検討してもらえないかと提案したが、教育委員会から断られる。政策企画課に子ども議会の検討をお願いし、政策企画課が主体となり子ども議会が開催されている。

こども議員は事前に2回学習会をおこなった上で参加している。
議事運営は議長がおこなっている。

議会構成
議員定数 30名としている。
議会の会派構成は10名から最小2名の7会派で構成されている。(参照 周南市資料)
委員会については、5常任委員会、4特別委員会および議会運営委員会を設置している。
その他会議について、会派代表者会議および委員会懇談会(ミニコン)が行われている。

議会運営
予算決算の審査方法
委員定数はドント式により一般会派から1人選出できるまでの人数とする。

質疑
Q,行政評価については予算決算委員会か?普通の決算審査もあり大変では?
A,作業量はかなり増える。H23年度4日間であったが、審査日が9日間となり運用がふえた。波及的メリットとして会派内で議論が増えた。その他として評価とりまとめを行う予算決算正副委員長が大変なところがある。(評価理由や評価レベル、意見等のまとめなど)

Q,ミニコンについて、議会が意見聴取したい場合に開催となっているが、市民側からの主催要望の際は?
A,議会の申し出となっているので市民団体からの申請で開催は想定していない。庁舎建設については市民からの意見が多いので、そういった際は委員会が判断してミンコンを自治会連合会や青年会議所など市民団体とやりましょうなどの判断で開催したことはある。想定としては委員会が判断するものである。

Q,条例制定については委員会が所管となっえいるが仕組みとしては委員会で提案となっているか?
A,教育福祉委員会で案をつくり議会として提案する。

Q ,こども議会について教育委員会との連携ができていない中でどう募集等をし参加者を集めているか?時期は?
A,広報等の掲載や政策企画課が小学校に個別にお願いしていることもある。実際に集めるのは大変。教育委員会が断っている理由については、不明。開催時期は夏休みに開催。

Q,行政評価について、審査報告書を議決するが決算そのものの意見について会派討論の中で重複することもあるのでは?
A,会派として審査報告書に記載している意見と同様のことを会派討論を付している場合もある。

Q,重複するのはどうなの?といった意見はあるか?また予算決算委員会の任期は1年か?となると決算審査と予算の委員が変わることになるか?
A,重複については特に意見はない。会派として委員を出してもらっているから基本は問題ないと考えている。

Q,行政評価の4段階評価の正反対意見があった際はどうまとめているか?
A,1と4が出るときは中間の2または3をうまくつかいながらおこなっている。
いままでやっている事業をやめる廃止といった評価はなかなか出てこないのが現状です。

Q,評価シートはあるのか?
A,チャートも評価シートはない。中身の文章的なものを見ていただきたいといった想いがある。

Q,委員長が示して最終的に議決となるが全会一致にならないことは?
A,そこは全会一致にするようにしている。



以上、報告とします。