7月16日
同期の佐藤きよたか議員と名古屋市ガイドウェイバスを視察。

視察目的
名古屋ガイドウェイバスの視察を通じて、現在、藤沢市で検討課題とされている辻堂駅北口から大庭に伸びる新南北軸の渋滞緩和と大庭地区の交通不便地域の解消の可能性を探る。


視察報告
名古屋ガイドウェイバスは平成4年に運輸政策審議会答申で、交通システムとして整備することが適当と位置づけられ、平成13 年3月に名古屋市、名古屋鉄道バス、ジェイアール東海バスなどが出資する第三セクター会社で開業した。

ゆとりーとラインは、名古屋市の北の玄関口である大曽根から小幡緑地の渋滞区間約6.8キロを、既存の道路の中央分離帯の上に設けた高架専用軌道を車両の前後輪に取り付けた案内装置の誘導で走り、朝夕のラッシュ時でも鉄道と同じようにダイヤどおり定時・高速運行が可能である。所要時間も一般道路で32 分かかっていた区間が13 分と大幅に短縮されている。また高架専用軌道区間は定時制と高速性を確保し、モードインターチェンジを挟んだ平面区間においてはPTPSとバスレーン整備区間で地域の輸送ニーズに答えている。この点は藤沢市の新南北軸を想定した場合にも同様の効果が得られると考えられる。

さらに、一般道路を同一車両で連続して走行できるように、案内装置の出し入れだけの短時間で完了するデュアルモードを備えており、一般道路では路線バスとして運行できる汎用性がある。


地下鉄1kmの工事費用が200億円が平均とされる中で、地下鉄の5分の1の工事費と走行路面積が最小限(2車線で7.5m)でできるゆとりーとラインの総事業費は、整備区間6.8kmでインフラ部・インフラ外部合わせた総事業費は375億円。
事業費内訳としては、道路として市が220億円・国が100億円、インフラ外部(駅舎等)としてガイドウェイバス(株)が55億円。

現在、藤沢市が課題としている、辻堂駅北口から大庭に伸びる南北軸、とくに大庭トンネル入り口付近~辻堂駅までの1km~2kmの区間の渋滞緩和(自動車交通の整流化)および渋滞による経済損失の解消を想定した際の検討材料として、有意義な知見を得られた。

一方で課題としては、バスの車体があげられる。
具体的には、ガイドウェイバスの特徴である前後4つのガイド車輪(案内装置)にある。
この案内装置は高架専用軌道区間に設けらている案内レールで誘導されるための車輪であり、ガイドウェイバスの安全性には欠かせないものである。
しかし一方で、案内レールの関係性から低床バスにはガイド車輪が装着できないためバリアフリーには不向きな2ステップバスでの運用となっていた。
これを解消するためバスをリフト付きの2ステップバスにする必要があるが、近年の日本では低床バスしか製造しておらず、このようなリフト付き2ステップバスはすでに生産がないため特注生産を依頼することになる。

ここで、バスを製造する製造会社の立場に立って考えてみる。
ガイドウェイバスを運行している自治体は国内では名古屋市のみである。
この需要もない特注バスを受注するためにはライン確保して生産をすることとなり、コストと生産リスクの両面が高くなるため生産メリットが見出せない。
こういったことを鑑みると将来的に受注を受けなくなる可能性も想定できる。

バスの更新頻度は13年に1度。
実績として完全特注でバス1台あたり5600万円をかけて26台+αの更新を14億円もの更新費用をかけている。(この更新にかかる費用は名古屋市の全額補助となっている。)
通常のバスは1台あたり2000万円ほどということを鑑みると相当な割高である。

先に触れたが、安定的で永続的なバスの運行という意味においては、特注バスを製造する企業の経営判断に左右されてしまう。
その点は課題として最後に触れておく。






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