「英語を日本語に訳した本がいい」と兄。

 

 

 

大寒波で悪天候が続き、水曜日以来、自宅ワークの夫。

 

 

 

ブログに訪問してくださいまして

ありがとうございます。


兄が「本を読んでほしい」と

精神科にアクティビティで

週1回、訪問される

男性にお願いしたこと。

 

父によると兄はその男性を

とても慕っているそうで、

兄にその男性のことを聞いてみました。

 

Tさんという方で、

ご自身にも障がいがある

お子さんがいらっしゃるとのこと。


Tさんと兄が言葉が通じること

兄がTさんを好きなこと

分かるような気がしました。

 

 

 

兄に「絵本を読もうと思うけど

読んでもらいたいものある?」と

聞いたところ。

 

兄の答えは上の言葉でした。

私と一緒にいた母、

そして後でそれを聞いた父も

皆が、この言葉に何とも言えない

感動の思いを抱きました。

 

でも・・・。

 

それぞれが思い浮かべたことは

違ったのです。

 

私は兄がイギリス人の夫Jのことを

好きだからだろうなあと。
(元々が英語で書かれた本の希望)

 

母は「子供の時、
本を読むのを奨励して、
朗読を褒められて以来、
朗読は得意だからねと

言い続けてきたからよ、きっと」と。

 

父は「昔、一緒に英語の絵本を読んで
訳も一緒にやったからだね」と。

(一時期、兄はデイセンターの

英語のクラスに出たことがあった)

 

自分と兄との関わりという

糸を手繰り寄せるように。

 

三人で兄の言葉を読みあった瞬間。



東京に滞在中に

お友達にご紹介いただいた

施設長さんとのお話

 

精神科は兄がいるべき場所ではない。
 

知的障害(兄の場合は境界線なので、

どこにも当てはまるカテゴリーがなく、

難しいケースであることは理解)の

施設に移し、薬を抜き、歩けるように。

 

まずは体力を回復させることが

早急に必要であることを
アドバイスいただきました。

福岡でそれを念頭に

動こうと思っていたのですが。。。

 

兄の骨折、手術、

整形外科に入院。

母の心の(兄の入院以来、鬱と

物忘れがひどくなった)状態。

 

兄が精神科に入院に至るまで

両親がギリギリの状態で

兄と一緒に暮らしてきた経緯。

 

「精神科にいることが

ベストではないことは

重々、分かっていても

もしまた家に戻ってきたらと思うと」

という両親の不安。


私だけの思いだけでは

突っ走れないことが
だんだん分かってきて。

(ある程度想定はしていましたが)


両親の思いも尊重する必要がある。

 

でも、そうすると

やろうとしていたことが

今回はできない。。。

 

 

 

それが分かっていても

両親の心を傷つけないように

(責めないように)

私はこうしたいと思っているという

理想の想いを時々熱く語っていました。

 

母はそれには強く抵抗を示しました。

 

父は踏み込めば踏み込むほど

本当は揺れているのが分かりました。

 

普段はなかなか深い心の内を

明かしてくれない父。

 

それがやっとある時、

父の中での認識は兄は
「精神疾患ではなくて

社会不適応」と思っていると。

兄のような人間を
「社会が受け入れる

深みが残念ながらない」

 

とやっと絞りだすように。


 

 

絵本を兄に読むということ。

 

私達家族が共に兄のために
「何かできることがある」という

光を与えてくれました。

 

私の中では兄の「生きたい」という

声に聞こえたのです。

 

大変な状況を生き延びた人達、

往々にして「文化する!」
意欲こそが生を支える。

 

 

若くして亡くなったのが惜しまれる

米原万里さんの大好きな小説。

ここに書かれていることも

それを思い出させてくれます。

 

 

 

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最後までお読みくださいまして

ありがとうございました。