イギリスは苺が美味しい季節です。


私がこの国に初めてやって来た時に、最初の数ヶ月を一緒に過ごした日本人の女性から「ウィンブルドンの時期まで苺は美味しくて、それが終わるとピークが過ぎるのよ」と聞いたことがあります。


苺と一言で言っても、色々なバラエティーがあるので、夏の終わりに出る種類もあり、一概にそうとは言えませんが、主な種類に関しては彼女が言ったことは当たっているなあと思います。


苺は大好きで、夏を通して、私もよく買いますが、その度に思い出すことがあります。


苺摘みをする季節労働者の方々のことです。


夏のホリデーにはイギリスの田舎に行くのですが、その時にフルーツの生産地として知られている場所を通ったり、滞在したりすることがあり、季節労働者であるフルーツピッカーの方が寝泊りするキャラバンを見かけることがありました。


昨年、私たちが泊ったのは農場の中にあるセルフケータリングのコテージ。


その農家ではフルーツ、野菜等を栽培しているようで、広い農地が広がり、その周りに何台かのキャラバンが停まっていました。


農地の周りを自由に散歩できるので、夕方散歩に出てみると仕事が終わった、東ヨーロッパから来たと思われる女性達がキャラバンの前のロープに洗濯物を干しているのに遭遇しました。


目があって、挨拶を交わしましたが、一日大変な作業をして、小さなキャラバン住いの彼女達のすぐ側に居心地のいいコテージにホリデーで滞在しているといういことがちょっと申し訳ないような気がして。。。


そして朝も私達が起きた時間には仕事に出かける彼らを目撃しました。


数年前にホリデーで訪れた、アップルサイダーを作って、ペットボトルに詰めて、売っている農家に伺った時に聞いた話によると


「失業中の地元の若者なんて、誰も低賃金で、あんな大変な仕事はやらないよ。それをやるぐらいなら、失業手当貰って、家でテレビ観てた方がいいみたいだよ」(*今は何もやらず失業手当は出ないと思いますが)


「東ヨーロッパからの季節労働者はよく働いてくれるんだよね」と。


それを聞いてから、それまでは特に何も考えることなく買っていた苺ですが、毎回それを摘んでくれた方々のことを思います。


そして、いただく時は感謝の気持ちをこめて味わうようにしています。