今年の初め、「2014年を
どんな年にしたいのか」という
テーマを掲げました。
その中の一つに、
「私自身がイギリスに住んでいる意味、
住んでいるからの視点、
そしてイギリスと日本の間で
私が何か出来ることを明確にする」というのがありました。
何だかこうやって書くと
ちょっと大層なことに感じるかもしれませんね。
イギリスでの暮らしは
大人になってから住んだ東京での暮らしの年数を
とうに越えてしまったことにも気が付いて。
一度キチンと振り返ってみたいと思いました。
5月も中旬を過ぎていますので、
年始のテーマに沿って、
しばらくイギリスに暮らし始めた頃を遡りながら、
思い出すこと、その時に感じたことなどを
書いていこうと思います。
ロンドンに住む前は
ミッドランドのDerbyという所に数ヶ月住み。
ロンドンに移り住んだのですが、
家賃の高いロンドンでの暮らしは
フラットシェアでのスタートでした。
ロンドンの知識も地理的なことも全く知らず、
そしてロンドンに移るという学校の場所が
まだ決まっていない段階で。
住いを探すということをやってのけたのは、
今考えてみると自分ながらよくやったなあと思います。
ロンドンの日本人に読まれている
フリーのペーパー「ジャーニー」の
プロパティー情報を使って、探しました。
ここと思う所をチェックして、
一日で幾つか見せてもらう約束をして、
日帰りでロンドンに出かけました。
何度も行くには時間も交通費もかかるので、
その日に決めてしまおうという気持ちで向かい、
決めたのは日本人の女性の大家さんの持つフラット。
2ベッドルーム、
プラス、応接間のあるフラットでしたが、
応接間も一番広いベッドルームとして使って、
貸し出し(こちらではよくあることです)、
私の他に2人の日本人女性のフラットメイトとの
シェアでした。
シェアするのは、キッチン、トイレ、バスで、
私にあてがわれたのは
シングルベッド、机、洋服ダンスと本棚のある
細長い部屋。
Derbyではハウスシェアをしていたので、
その時よりも狭くなりましたが、
家賃は倍だったか、
ロンドンならではの相場でした。
まだイギリスに着いて数ヶ月では
英語も自信がなかったこと。
安全面なども考えて、
日本人の大家さんで
日本人女性とのシェアで、
まずは慣れるまではという気持ちでした。
暮らし始めてみて、
フラットメイトとの暮らしはすぐ慣れましたし、
それなりに楽しかったのですが、
イギリスに暮らしているという実感が
今ひとつありませんでした。
単に場所だけ移動して、
学生という身で、
依然として日本人として暮らして。
周りに生活しているのも
日本人の人達という状況に
何となく「これでいいのかなあ?」という
気持ちを抱いていました。
始った勉強は既に日本語で学んだ内容だったので、
英語で進められる授業に付いていくのは
思った程大変ではなかったのですが、
英語の文献(古い英語が使われている)には苦労しました。
それでも日本を離れる前は土日の休みもなく、
月に何日かの休みがある仕事をしていたので、
それに比べると時間がたっぷりとあって、
それをどう使っていいのかが分かりませんでした。
こちらでの生活を全くイメージせずに来てしまい、
イギリスのことも大して調べてこなかったので、
せっかく住み始めたのに
最初の一年余りは学校とフラットの往復、
勉強、フラットメイトと話をしたり、
出かけたりという日々でした。
その頃、心は日本で
仕事をしていた時に
傾いていました。
それが私にとって
それまでの強いアイデンティティに
なっていたからだと思います。
暮らして一年ほどはそんな感じで、
心がどこか彷徨った状態でした。