昨日、主人がお休みを取ったので、朝、病院に入院している叔母のお見舞いに行きました。


叔母の事は以前も書きましたが、認知症があり、認知症の専門と謳っている老人ホームに入っています。


叔母は昨年の終わりに転倒を繰り返したのが原因で、ヒップリプレイスメント(人工関節をつける手術)を余儀なくされました。


ところが、手術後のリハビリがきちんとなされず(病院でも退院後のホームでも)、結局歩けなくなりました。


「じゃあ手術をした意味は?」と思ってしまいますが。。。


歩けなくなるとそれまで出来ていたこともできなくなり、その分もっとお世話が必要になったにも関わらず、ホームでの対応はよくなく。。。


手術をしてからは何度か病院に入退院を繰り返しています。


叔母はお義母さんのお兄さんのお嫁さんで、実はお義母さんとは子供の頃からの親友です。お義母さんとは同年代で、いくつかお義母さんよりも若いです。


叔母のご主人はもう随分前に亡くなっています。


そこで頼りになるのはホームからそう遠くない所に住む娘と北ロンドンに住む息子です。主人のいとこ達です。


悪い人達ではないのですが、兄と妹で一緒に協力してということができない間柄で、叔母に対しては少し距離を取っている感があります。


対して、主人の家族(大家族で、1人弟、3人の妹がいます)は家族の結束がとても強く、お義母さんに何かあればまずは一緒に住んでいる二人の独身の義妹達がテキパキ動いてくれますし、皆で協力する体勢は整っています。


お義母さんも叔母と全く同じ手術を4年程前にしたのですが、手術後は病院ですぐ歩かされ、リハビリもどんどんさせられ、義妹達が入れ替わり立ち代り仕事を休んだりしながら、サポートしたお陰で、驚く程回復は早く、すぐに歩けるようになりました。


そういう経緯もあるので、お義母さんとしては親友でもある叔母の状態がどんどん悪化する様子がとても堪えるようです。


ここのところ何度もお義母さんはお見舞いに行っているのですが、「一番必要なのは愛情」「こんな状況だったら、家に引き取って、昔母と姉を面倒みたように自分が面倒をみる」と言い出す始末でした。


昨日、叔母に会った時にお義母さんがそう言いたくなる気持ちが痛いほど分かりました。


病室に着いた時に独り言を言っていた叔母。


私達が近づくと嬉しそうで、何度も「会えて嬉しい」と言いながら「いつまでここにいるのかしら?」「外にも出してもらえない」「何もすることがない」等繰り返し言う様子は明らかにストレスを感じているようでした。


話す人もいなければ、テレビもなく、外に出ることもなく、ただ長い一日を過ごすことにうんざりしているのが見て取れました。


スタッフは忙しく、主人が叔母のために水を入れるグラスをとお願いした時にぞんざいな対応で、こんな状態では叔母に対してちょっとの時間を取ることもできないだろうというのはすぐ分かります。


叔母は認知症があっても、まだ主人の知っている叔母がそこに居て、そんな状態でも生きることを諦めていないからストレスを感じてもいるとも思いました。


ただ本人が言葉で上手く表現できないだけで、私達が思っている以上に色々なことを感じ取っているようにもみえました。


叔母が叔母であるということをきちんと尊重して話をしました。認知症があるとかないに関係なく。


しっかりと叔母の目を見つめて、背中に触れて、マッサージを軽くして、ただそれだけで叔母が嬉しそうに反応するのが伝わってきました。


別れる時に長く、気持ちをこめてハグをすると "Very nice" と喜んでくれました。


お義母さんが言うとおり、「一番必要なのは愛情と抱きしめてあげること」だなあと思いました。


叔母の入っている老人ホームのスタッフはほとんど外国人で、アフリカ系のスタッフが大半です。


イギリスの病院も外国人スタッフが多いですし、スタッフの不足が嘆かれています。


どちらも重労働の割には賃金が安いので、質のいいスタッフは集まりにくいでしょうし、ケアを必要としている人達に対しての手厚い対応も求めにくいでしょう。


イギリスでの老後。日本で巷で言われている程は恵まれているとは限りません。


家族間で上手く老後を支え合えるのが理想なのでしょうね。


そして自分の健康管理はしっかりして、病院にはなるべくかからなくていいようにしたいものだなあと思いました。




我が家の玄関脇のバラです。とってもいい香りがします。






近くの公園の藤棚。ピークを過ぎていますが、まだ綺麗でした。