自分のソウルフードは何だろうと考えると、間違いなく鮮魚と魚介だしとコナモノ。
寿司屋だった祖父の店舗の近所でおじも寿司屋をし、その棟続きでおばがお好み焼き屋を経営していたのでむろんガキンチョ時代から入り浸り(笑)。
小学校の通学路には何軒か越しにご近所さんがお好み焼き屋をしている環境で育った身として、東京のこのお好み焼き屋さんの少なさは淋しいものです・・・。
中でも広島焼きってあまり見ませんものねえ。
ちょうど「広島焼きを食べてみたい!」というメンバーが集まることになったのでお好み焼き女子会を慣行!
地元・広島直送の食材と広島お好み焼きが食べられる高田馬場の鉄板焼き「倉はし」が、2号店となる新店を荻窪に出したと聞いていたのでならば!と荻窪に向かいました。
広島お好み焼き・鉄板焼き「倉はし」荻窪店
荻窪駅の北口を降りたら左、青梅街道沿いに歩いて4、5分かな? わかりやすいです。
みんなでワイワイ食べるお好み焼き♪ 肌寒いこの季節には特に持ってこい♡
高田馬場店よりさらに路面店で広島っぽいお店構えになりましたね!
大きな鉄板から直接食べられるカウンターとテーブル席があります。
ちなみに店名の「倉はし」は地名。
私にはなじみ深い”倉橋”は広島県の呉市に属する島です^^
呉の中心地からは平清盛の栄華を誇った日招きで有名な音戸の瀬戸を南下した先に位置し、海に囲まれた豊かな漁場が産業を支えています。
はっきり言って毎日通っていた延長線上にある、地元中の地元(笑)。この前も桂ヶ浜に泊まってきたくらい。
だから「倉はし」にくるとホッとするし、店長や店員さんはほんまもんの広島人(下手したら呉ぇもん)だから会話さえが和むわけでして^^
さて、今日は何をいただきましょうかね♪
ちょうど鉄板では持ち帰りのお客さんの広島焼きを大量制作中。(倉はしはお持ち帰りも人気!)
いわゆるお好み焼きテロ?! 目の前でジュウジュウ焼かれていくライブ感がお好み焼きのたまらないところ。
ソースの焦げる匂いも刺激臭となって早く食べたくてたまらな~い!
定番の広島焼き以外にも、つまみ類が豊富なのが「倉はし」の魅力。
お好み焼きを食べたらさっさと出なくても構わないし、広島から来るおつまみで昼からでも呑める。そんなしあわせがここにはあるけぇね♪
今日も数人でシェアするのでまずは気になるおつまみを数品。
お通しはちもち胡麻豆腐。
広島のじゃこ、広島のネギに広島の醤油というメイドイン広島づくし。
「あんたらみんなして宇品から船便で来たんね?」とお皿に言いたくなるラインナップ。
生レモンサワーを頼んだらすんごいきれいなグラス~!
しゃりしゃりの冷凍レモンが可愛い。
そうそう広島はレモンの生産量が実は日本一なのです。知ってた?
冷製フルーツトマト
広島の味 がんす
これが広島名物「がんす」でがんす。(もうよせw)
広島名物・魚のすり身にパン粉を付けて揚げたお惣菜系おつまみです。
昔懐かし 花ソーセージ
がんすがあったらこっちも頼まんといけん~!
ソーセージも花なら、倉橋出身の若い店員さんと地元の話にも花が咲きました🌸
そっか・・・倉高なくなったのか・・・
倉はしオリジナル とんぺい焼き
とんぺい焼きは生地は粉ではなく卵。マヨネーズもかかるから関西風ですね。形状としては一銭焼きみたいなものかしら?
ソースが煮詰まったジャンクさでお酒進むわぁ( ´艸`)
ほんとご当地に残り食べ継がれていく料理には、土地土地の暮らしの歴史や時代背景があって語り合えば合うほど興味深いです。
語るにはお酒が必要なのでね(言い訳)、お酒もおかわり。友人の赤玉パンチサワーがカープ色できれいですねw
レモンサワーの場合は中だけどんどん足してもらえますよ^^!
<冬季限定> 何も足さない 何も引かないカキ昆布
北海道産昆布を敷いた上に広島産牡蠣を置いただけの鉄板焼きメニューなんですが、潮の旨みと搾ったレモン汁だけで飾らないおいしさ。
冬にここに来たならば食べてほしい一品。
あとから昆布も切って出してくれますので、瀬戸内海のめぐみに思いを馳せつつカジルのもいいおつまみです。
さらに追い牡蠣(笑)。
<冬季限定> 食べてみんさい牡蠣バター
基本おせっかいな広島人。「~しんさい」と言われたらどうぞ従ってあげてくださいw
鉄板でバターで炒めたシンプルさが実は一番おいしい牡蠣。この牡蠣バターも食べて納得のおいしさ^^
アツアツメニューにキンキンに冷えたお酒がさらに進みます♪
焼きたて炒めたてが数秒で目の前に届く、ああ~これをしあわせと呼ばずなんと言う。
ネギの豚肉巻き
太い白ネギにきれいにまかれた豚肉は脂身が甘くて塩こしょうが効いてる♪
・・・ご飯ほしい・・・(小声)
プリプリホルモン炒め
来たわ!! 大好きなホルモン!!
ホルモンヌが私一人だったのでたくさん食べていいって言われて大喜び(笑)。
もしかしてホルモン好きって広島や中国地方特有なのかなあ??
この細いシャキシャキもやしも広島生まれ。
他のもやしに比べて茎が細長いの。水分がすくないから焼きそばにはもちろん、火を通してももつの味を薄めない邪魔しないこのもやし。繊維を楽しむって感じの食感がおいしい!
店長イチオシ牛すじ煮込み
さらに追いホルモンw
煮込みも味噌だったり醤油だったりベースはいろいろあるけど、広島はやっぱりだしの味をしみ込ませた煮込み。
あ~帰りたい。そう思わせるとろとろ煮込み。
お好み焼きにいたっても、広島焼きには他のお好み焼きとは一線を画すだしの隠し味があります。砕いた魚粉はふんだんに振りかけられるエッセンスなんです。
鉄板も特注品で厚みがないといけない。そうしないと重ね焼きで間のキャベツを蒸し焼くための一定の高温が持続しないのですよ。
蒸すからこそキャベツから出る甘さと瀬戸内の魚粉からにじむ香ばしさの混じりあった味わいも、濃いお好み焼きソースに絶対に負けない広島焼きの隠し味なんです。
そんなことを思いながら目の前で焼かれていくようすを眺めます。
B級グルメの印象が強いですが、広島焼きにはこれだけの野菜がヘラで押されてぎゅっと一つに詰まっているのでヘルシーではあります。
メインの広島焼きは2種。
一つはうどんとそばのミックスねぎ玉。一つはおススメされた大葉入りシーフード。
大葉が挟まることでソースに香味がプラス、さっぱりとした後味になるそうです。
ソースだけではなく青のり、さらにガーリックパウダーも実は食欲をそそる隠し味!!
これを入れない広島焼き屋さんが多いんだけど、一口で入れてないなってわかっちゃう。
取り分けてもらったら、鉄板から焼きたてをいただきます♡
もうやけど承知で口の中に放り込みたい衝動・・・
うどんそばミックスも大葉シーフードも甲乙つけがたい・・・やっぱりシェアをおススメしますね。
みんなでワイワイ食べるのがやっぱり楽しいし、広島のローカル話に花が咲くのも楽しいし♡
お隣の席のおばあちゃんからとってもレアなカープお薬手帳を見せてもらったり、ね(笑)。
ちなみに「倉はし」のソースはオ◯フクソースではなくカープソース。これにはニヤリ。
オ◯フクはフルーツ由来の甘さで結構後味までべったり甘いと私も思う。
だからたぶんあえてのカープソース。さらにそこに引き締めのガーリックパウダー投入なんですね、倉はしでは。
さすが~。これはお酒に合う味なのもしょうがない(笑)
味覚はその人の歴史。海のそばで生まれたか、山の奥で育ったか、環境、家族、食卓、歩んできた物語。
生きてきた人生そのものが「おいしい」というものさしになってそれぞれの中に存在すると思うのです。
だからそれぞれのおいしいでいい、うん。なんだかそう思うんですよね~。
だってソウルフードはソウル=故郷でもあり、ソウル=魂でもあるのでしょうから。
ちょこっとアイス最中
最後のアイスもなかはもみじ型。
アイスを挟むスタイルが広島の「巴屋」さんみたいね~!なんて私がしゃべっていたら、焼いていた店長さんが「あ、これ巴屋さんの親戚に作ってもらっとるんですわ!」って。
パリパリの最中にその場でアイスクリームを挟む。ただそれだけのことがどんなにおいしいか、それを持たせてもらったときにどんなにうれしいか、私は子供心に母にいつも連れて行ってもらっていた商店街で知っていた。
もう今、母は歩けないよ。私を連れて買い物に行けないよ。
でもその味もうれしさも、私はずっと覚えてる。わすれない。
この前、娘を連れて呉に帰ったときにアイス最中を買いに行きました。かつて私が母にそうしてもらったように娘と並んで商店街へと。
「巴屋」さんもついこの前に閉店してしまったけれど―――、
でも記憶は消えない。
おいしさは消えない。
脱線しまくったけれど、私が「倉はし」で味わったものは、広島焼きだけではないたくさんの思い出でしたよ。個人的にね^^
最後に素敵情報です。
ランチはこの通りのびっくりサービス価格、さらに毎月20日は半額デーなことをこっそり言っておきますね♪
広島お好み焼き・鉄板焼き「倉はし」荻窪店
東京都杉並区天沼3丁8-2
03-6383-5399