「うっかり」 「物忘れ」で悩む家族のための認知症セミナー in 東京 を公聴してきました。
講師は、「薬いらずで認知症は防げる」 と謳う、宇都宮セントラルクリニック理事の佐藤俊彦(さとう・としひこ)先生。
後半には早期発見で認知症を予防するサプリメントのご紹介もありました。
聴講者は私のようなそろそろ親の介護が気になる年代の主婦を中心に、実際に伴侶を施設に入れたばかりという認知症介護に直面するご家族の方までさまざまです。
会議室はほぼ満席で、高齢化社会の不安をリアルに浮き彫りにした構図になっていました。
進む高齢化社会のリアルな現状
2015年度の厚生労働省の調査によりますと、65歳以上が26.7% (3384万人)を占め、 うち80歳以上は 7.9% (1002万人)と、社会の4人に1人が高齢者であるという統計が出ました。
そこから計算すると、2035年には65歳以上が33.4% (3741万人)、うち80歳以上が14.5% (1627万人) となる計算となり、国民の3人に1人が高齢者という図式が出来上がります。
(総務省調べ)
そんな高齢化社会にあって大きな問題となっているのが、75歳から発病することがある「認知症」。
体験したことを忘れていく、記憶障害を主とする認知症の症状です。
日常生活を送るのに支障が出る認知症患者数は、全国で2025年には700万人を超え、増加の一途をたどっているというおそろしい集計結果が出ているそうです。
また65歳以上の高齢者で体力が多少衰えて歳は取れど日常生活には支障はないという人はいいのですが、だんだんと物忘れが目立ったり困ることがでてくる軽度認知症状態(MCI)の認知症予備軍を含めると、10年後には 「認知症患者数1300万人時代へ突入か?」と専門家の間では震えあがっているのだとか・・・
知らなかった・・・!
初めて聞いた「認知症予備軍」と呼ばれる軽度認知障害(MCI)
私は初めて耳にしたのですが、軽度認知症(MCI)という見えない認知症予備軍の姿がまた危険だと佐藤先生はおっしゃっています。
まだ認知症とは断定できない状態の、健常と認知症の中間にあたるグレーゾーンの段階をいい、記憶・意思決定・理由付け・実行力など人が持っている認知機能のうち、何か一つ機能に問題を抱えているけれども日常生活を送ることにはほぼ困らない状態のことをそう呼ぶのだそうです。
呆ける⇔呆けないの間の曖昧な状態が軽度認知症(MCI)なのですね。
脳のどの部位の欠損かで脳障害の状態が変わるため、この図をよく覚えておくと、症状からどこにトラブルが起きたか一目瞭然だそうです。
たとえば・・・視界がチラチラしたり幻覚が見えると後頭葉。イライラして乱暴になってくると前頭葉。という具合です。
これ覚えておくといいですね!
認知症の進行
人の名前と顔が一致しない、物覚えが悪くなるといういわゆる物忘れ。
それは単に脳の老化によるもので誰にでもゆっくりと起こり得る現象です。
しかし認知症の怖ろしいところは、老化とは違い病気により脳の神経細胞が衰退することで起こるのが原因。
それが 「ちょっとした物忘れが最近多くってね~うふふ」 なんて甘い状態とはかけ離れた速度で進行していき、だんだんと理解力や判断力といった脳の働きが失われ、暮らしがたちゆかなくなるというから怖い。
主に「アルツハイマー型認知症」がそれにあたり、映画や小説でもテーマとしたものに多く触れることがありますが、高齢化が進むのとともにもっとも問題視されている病気だということでした。
ただし認知症の症状があらわれたときには奇しくも脳は萎縮をしており、自分の頭の中なのにもう元の状態に悲しいかな戻ることはありません・・・退化していくだけなのです。
さらに本人にはその実感がなく「呆けている」ということがわからないことが、認知症のそら恐ろしい点ではないでしょうか。
離れて暮らす両親に万が一と置き換えただけでも、胸が詰まりそうです。
そんなアルツハイマー型認知症ですが、SPECTやMRIだと画像で発見できるタイミングを逃しがちですが、最新の画像診断検査、「PET検査」でなら早期発見することが可能なのだとか。
ただ、今の段階では支払いは健康保険の適応外だということです。
物や人の名前が出てこない、場所がわからなくなる、重症になると人が誰かわからない、家族がわからない、鏡に映る自分がわからない・・・
迷惑行為をくり返し、それではと精神科に連れていっても精神疾患ではないという診断が下されて一向に改善しない・・・
そんな状態の家族がいる場合は、ぜひ一度画像撮影ができる施設で認知症検査をした方がいいということです。
さらに言うと記憶が薄れ始める初期段階ではMRIでは見つからないそうなので、早期発見で治療にいち早く向かうためにはPETでの高度技術の認知症検査を薦められています。
PETを撮ると明らかに色がついていて、機能低下が目に見えてわかるので形態診断が早期でできます。
65歳未満の若年性の場合は、海馬は正常なままだそうですからPET検査でないとわからないくらいの神経線維が変性した状態もあるらしく、高齢者という年代ではない私も自分になぞらえてきちんとしたところで然るべき検査をしたい!と考えました。
認知症研究者が開発したPHENOMENON(フェノメノン)1969
「認知症は不治の病」 「認知症につける薬はない」 とまで巷で言われていますが、91名のアルツハイマー患者を対象にサプリメントを与えて臨床的非盲検試験を二か月にわたり行うと、計測した全員に認知行動が大きく改善したという結果が得られたそうです。
それが、認知症サプリの「PHENOMENON(フェノメノン) 1969」 でした。
軽度認知症状態をコントロールするサプリメントで、Asid:ホモシステイン酸を無毒化し、体外に排出させる作用があるといいます。
アルツハイマー患者の尿は腎機能が低下し、体内で作られたタンパク質代謝の生成物の一つであるホモシステイン酸が体外に排出されず溜まった状態。それが海馬の脳細胞を破壊して脳の認知機能に障害を与える→アルツハイマーの症状が出るという流れなのだという研究結果を導き出しました。
「PHENOMENON(フェノメノン) 1969」には認知に効くといわれるカフェイン、フェルラ酸がはいっており、それらはホモシステイン酸と化学構造式が似ているのだそうですよ。
メディカルリサーチ社
サプリの紹介をしてくださったメディカルリサーチ株式会社は、2011年創業。
保険分野で認知症が疑われる方への意思能力鑑定サービスで信頼を得て、医療の視点で悩みに精査してきた立場から、認知症に関するスペシャリストとして活躍している企業です。
サプリメントを実際に会場で試飲してみました。
グリーンの方は濃ゆい青野菜のような抹茶のシェイクのような味。
加熱しても効果が変わらないので、ドリンクとして以外にもスープやお菓子などいろんなアレンジで飲めるのも続けられそうでいいですね。
飲用者からは頭がクリアーになったり、患者さんの表情に変化が出たなどの嬉しい声が届いているのだとか!
認知症の早期発見の重要性に着目している佐藤先生とメディカルリサーチさんは、脳PET検査を実施しましょう、脳PETで異常があれば神経内科で早期治療を開始しましょう、そして早期認知障害の段階で見つけて、サプリメントを服用し改善を試みましょう!と強くおっしゃっていました。
もしかすると、高齢者である家族だけの心配におさまらず、若年性認知症の危険が私たち世代にも忍び寄っているのかもしれません。
その見えない怖さに見えないままに怯えることよりも、たいせつなのはまず行動。
心配ならば早期検査と早期治療に踏み切る準備をするのも、心構えとしていいのかもしれませんね。