達人さんが旨いというお店に間違いはなかった。





高田馬場駅でめったに降りない、戸山口から出る。
しかも北口の、ピーコックとは逆側。
前はクリニックか何かだったところが、「東京メロンパン」というお店になっていてビックリです。
意外と馬場ってお店の移り変わりが早い気がします・・・(`・ω・´)
すごく気にはなるものの、今日の私には目的があるので、メロンパンに見向きもせずその坂を登ります。




なんたってお目当てがあるから!(鼻息が荒い)




手打ち麺焼きそば専門 「真打みかさ」
雨だし3時前のアイドルタイムだしで空いているかなー?と思っていたらBINGO!
待たずに入店できました( ´艸`)




お店の作りは、すごくシンプル!
お蕎麦屋さんのような店頭の麺打ちスペース、厨房、カウンター客席10席。
メニューもシンプルに、焼きそばとビールのみ。
よくよく見ると、「真打みかさ」の暖簾、メニューの文字がすべて同じ字体で書かれています。
切り絵文字?のような手のぬくもりが感じられるロゴ。
店頭に置かれた道具といい手打ち麺の工房といい、外観はお蕎麦屋さんを彷彿とさせますが店内はシンプルモダン。
ツイッターを見たら、なんと麺だけでなくお店も店主さんの手作りなのだって! すごい!!




店内は、すごい美女と男性二人できびきびと。
店頭で打った麺を、注文を受けてから生麺から茹で、鉄板で炒めて提供。10分ほど?
ただ残念なことに、離れた最奥の席に座ってしまったので、鉄板で作る作業が全然見えない~☆
これは失敗!




タレ壺。



テーブルの上には、左から辛口ソース、唐辛子、いかの天かす、紅しょうが。
お姉さんが「どうぞ」と後からマヨネーズを渡してくれたけど、かけると
マヨネーズ味になってしまうから、生地やソース、魚粉の味を楽しみたい私はあまり粉ものにマヨネーズを使わない。
もともとマヨネーズは大阪のモダン焼きからきたのかな?




キター!

焼きそば 800円




1人前の量は具だくさんで多く感じますね。
やはり手打ちの麺がかなりのインパクト。

そこに炒まっていない野菜類と角切りのベーコンが他では見ない組み合わせで、驚きました。これはなるほど、無双。
焼きそばの手打ち麺は初めていただくので、わくわくしちゃって興味津々、なかなか箸がつけられません(笑)。




すでに青海苔がかかっていたので天かすだけをぱらぱらっとかける。
焼きそばに入れる天かすはやっぱりいかに限る。限るんですよ、旨みと香ばしさが断然違うから。

そして青海苔の海苔の粒子が細かいことに気付きます。
青海苔は香ばしくていいのですが、面積が多いと味が強く香ります。
これくらい細かいと
上品に香るからちょうどいい。なるほど、何だか細部まで考えられた焼きそばみたいな気がします。




びろびろっとした刀削麺のような独特の麺はもっちもちなのに、噛み締めるとすごい弾力!!
その上にさっと茹でられただけの生の食感の残るキャベツともやし。
さらに生の粗切り白髪ねぎ。この粗さがシャキシャキとすごく合う!!
さらに一番上には半熟玉子焼きという、最高のマッチングで提供されました。
特長としてお肉は豚ではなく、厚切りゴロゴロベーコンです。(←初体験)




麺にはもうたっぷりと甘辛旨い粘度のあるソースが染み込み、しゃきしゃきの野菜はソースがかかってないために、食べ進むたび新鮮な味わい。
焼きそばによくある、「ソースに飽きた」という状態が来ない。

食べきるまでいつまでもおいしい魔法の焼きそばです。
そのソースも市販品とは違っていて、フルーツの?甘みや、かすかにカツオ?イワシ?イリコ?魚粉の香ばしさもする。
(帰りに聞いたらカツオ、さば、イカのだし粉だそう!)
私の育った広島や尾道のソースをなぜか思い出しました。
ソースと麺の絡みがすごくいい。




こんなの初めてーーーー(´Д`)Wハート
家で画像を見直すと、キャベツや卵には茶色い点々がない。
だから最後にではなく、麺をソースで炒める段階で魚粉は混ぜられているのでしょう。
一番魚粉の香ばしさを麺が吸い込むときに、加えられている。
ああなんて考えられた焼きそばなんだろう!!
麺とソース、野菜のコンディション、合わさると新しいのに個々の味わいはとっても懐かしい。

ふと浮かんだのが10歳の頃の嗅覚の記憶・・・
近所のお好み焼き屋の換気扇から、フツフツと鉄板の上で焦げるソースの匂いがする。
店先には真っ黒になった汁に浮いたおでんの黒たまごが売っていて、10円玉を何枚か握りしめて買い、ナイロン袋に少しの汁と黒たまごを入れて上を輪ゴムで縛ってもらうのだ。
小学校のあとに塾に通っていた私は、おやつがわりにいつもそれを買った。
母親の肩たたきやお手伝いで集めた小銭での、ささやかな贅沢。
おいしかった。
本当においしかった。
その気持ちを何十年も経ったけど、「真打みかさ」の焼きそばを食べて思い出しました。

人の味覚は記憶が作っていくものだと思う。
おいしいか、そうでないか。
それは個人差があって当たり前で、それを他人がどうこう言ったり点をつけたりするのも、本当は野暮な話なのである。


真打みかさ
東京都新宿区高田馬場4-4-10