ボビイ ブラウンといえば、プロご用達メイクライン、と私は思っていた。
素材の良さと、ボビイ ブラウンがはなつブラウンからブラックへと移りゆく陰影の多彩さに、驚いた日本女性も多いのではないかと思う。
そして流行に敏感な世代の女子がトリコになるにはそう時間は要さなかったように記憶する。
ブラックを中心としたアイメイクアイテムは、瞳孔が黒く、まつ毛、眉毛の黒い私たちアジア人にはしっくりきすぎるほど、
くるのである。
その中でも発売と同時にびっくりしたものが、ロングウェア ジェルアイライナー
。
ちなみに今わが家にあるのは〝ブラックインク〟。
まさに墨汁の色だ。
にじまない、落ちないといったジャンルは今になれば多いけれど、ビンに入った絵の具のようなリキッドアイライナーなんて、世界中で誰が想像しただろう。
いや待て。
日本には和化粧がある。
歌舞伎や舞妓さんのメイクには、そういった筆で縁どりを描く文化や意識はあったかも。
それでもメイクアップアーチストがブラシで誰かの顔を描くのなら簡単だと思えるリキッドアイライナーが、鏡を見ながら自分で自分に描くにはテクニックが必要に思えて敷居が高いように思った。
でもそれを日常メイクとして、一般女性が使うものとして商業ベースに持ってきたボビイ ブラウンの斬新さに、当時かなり衝撃を受けたのだ。
あれから10年。
爆発的ヒットからロングランセールを経て、ボビイ ブラウンといえば、ロングウェア ジェルアイライナーとまで地位を確立したのではないかとさえ思える。
10年間売れ続けることの凄味は、長年コスメの新製品のリリースラッシュを見てきたコスメファンなら容易に想像できることだろう。
それでいて、アプローチを変えていないにもかかわらず、古さを微塵も感じさせないのがボビイ ブラウンの凄さなのだとも思う。
ロングウェア ジェルアイライナーを自在に操るには、ウルトラファイン アイライナー ブラシがいいらしい。
密な毛束と先端に行くに従い細くしなったタクロンで相性バッチリ。
ぜひともセットで使いたい。

