2017年7月29日(土)の夜7時から私の先輩である赤尾光春氏が兵庫県西宮市で経営する「おもちゃひろば~Toys' Campus~http://iko-yo.net/facilities/69814)」で行われた『トレブリンカの地獄』(みすず書房)刊行記念イベントユダヤの運命と共にあったロシア作家 ――ワシーリー・グロスマンの人生と運命」に立ち寄ってきました。赤尾光春氏が2017年5月に出版された著書「『トレブリンカの地獄 ワシーリー・グロスマン前期作品集』(赤尾光春・中村唯史訳)」を記念して、現役の女優さん方がその赤尾光春氏が翻訳された会話の部分を朗読して下さりもっと現実っぽく小説の現場を再現しようとする試みでした。朗読会だけではなく、もちチャンスがあれば映画化されても良いくらい興味深い内容でした。詳しくは、『トレブリンカの地獄』(みすず書房)刊行記念イベントのサイトをご参考になさって下さい!

 

※このシリーズは3回あり、

 

○第2回目「二つの全体主義に抗して-ソビエト文学の「正統」から「異端」へ-」は、8月19日(土)に<居留守文庫(https://www.irusubunko.com/:大阪市阿倍野区文の里3丁目4−29)>で行われます。

 

○第3回目の「トレブリンカの地獄-ワシーリー・グロスマンとホロコーストー」は、8月20日(日)に<

オンガージュ・サロン(http://www.fluegelmusikakademie.com/Engagesalon-index.html:大阪府大阪市天王寺区勝山3丁目9−4)>で行われます。

 

ご興味がおありの方は是非お立ち寄り下さい!

 

京都大学教授の細見和之氏と関西学院大学非常勤講師の赤尾光春氏が戦前のロシアで暮らすユダヤ人が書いた文学について語っていらしゃる様子です。

 

 

こちらが赤尾光春氏が兵庫県西宮市で経営する「おもちゃひろば~Toys' Campus~http://iko-yo.net/facilities/69814)」です。外国の高級なおもちゃを集めて大人も子供も自由に触って遊べるお店です。最近は外国製の頭脳ゲームが人気あるようです。

 

そして、赤尾光春氏のお話によると主にユダヤ人たちはポーランドとその国境沿いにあるソビエト連邦の地域全体をユダヤ人居留地としていたようです。その地域で暮らすユダヤ人住民の割合が8割だったそうです。やはり、それだけソビエトにユダヤ人が多く住んでいると、ユダヤ人の種類もピンキリで色々なタイプのユダヤ人が住んでいたようなのです。まあ~、昨年頃から私も大森にあるユダヤ教正統派シナゴーグ「Chabad House (ハバッドハウス)」に通っていたこともあり、東京で暮らすユダヤ人の方々と知り合うことが多く与えられましたが、私がカトリック信者としてその東京で暮らすロシア系ユダヤ人たちに対して一番納得できなかったことは、彼らの殆どが自らを「ユダヤ人」と名乗りながら全く信仰がないということでした。というよりも、信仰がないばかりかユダヤ教の基本すら知らないし、聖書すら読んだことのない人たちばかりだったからです。オマケに、自らをユダヤ人と自称しながら異教徒の配偶者を持ち(日本人のユダヤ教徒ではない配偶者)、結婚する前に子供ができたり、その生まれた子供に何一つユダヤ教について教えることができない人たちなのです。何だか、東京に暮らす無信仰なのにユダヤ人と名乗るロシア系ユダヤ教徒の方々はカトリック信者である私からすれば「おバカ」な人でしかない為、彼らと関わる時間が無駄と思い疎遠になり、今年から大森にあるユダヤ教正統派シナゴーグへの出入りを止めてしまいました。しかし、とは言っても、東京在住ではなくてもイスラエルに渡ったロシア系ユダヤ人たちはかなり信仰深いユダヤ人の方々も多くいらっしゃいます。だから、今回のセミナーで気付いたことは、結局あの広いソビエト出身(共産主義になる前から住んでいる)のユダヤ人たちにも色々な種類のユダヤ人がいるということです。そして、たまたま私が出会った東京在住のロシア系ユダヤ人の方々は日本人と同じレベルで宗教心がないということも分かりました。やっぱりね、新約聖書マタイ福音書の5章13~16節にあるように「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。」、信仰のない人間として中身のないユダヤ教徒はバカにされ踏みつけられるだけなのです。

 

それもありますが、現在東京の神谷町にある聖公会でウクライナ正教(http://www.stjude.jp/)の主任司祭をされているポール・クロルック神父さまがおっしゃるには、ウクライナ地方で暮らしている殆どの住民は何世代前かにユダヤ人の祖先が一人くらいはいるそうなのです。そして、ポール・クロルック神父ご自身もユダヤ人の血が流れているとお話されていました。だけれども、彼自身信仰しているのはウクライナ正教であってユダヤ教ではないし、ユダヤ教についての知識も殆どない為ご自分ではユダヤ人を名乗らないのだそうです。結局、早い話が特定の宗教を持たない旧ソビエト人(アメリカ在住の旧ソビエト出身者)たちが「どうやら自分の祖先はユダヤ人らしい!」という不確実な理由だけで自らユダヤ人と名乗っていたりすることが多いです。だから、カトリック信者の私からすると(実際に私が経験した中で)ユダヤ教について全く知らない旧ソビエト出身のユダヤ人たちってお葬式だけ仏教形式でする日本人よりも性質が悪いような気がします。単に特定の宗教を持たない旧ソビエト人だからという理由だけで自らを「どうやら自分の祖先はユダヤ人らしい!」と考えるのは軽率で、カトリック信者であれば離婚や堕胎をした時点でカトリック教会から除籍され宗教的に無所属な人になってしまいます。だから、本当に「どうやら自分の祖先はユダヤ人らしい!」と主張している旧ソビエト出身者たちっておバカだなと思います。

 

しかし、とにかく信仰の問題とは関係なく戦前のソビエトに住んでいたユダヤ人の研究を続けていらっしゃる京都大学教授の細見和之先生と関西学院大学非常勤講師の赤尾光春先生は凄いな~と思いました。カトリック信者としてどっち付かずの生温いロシア系ユダヤ人が大嫌いな私もまた1つ彼らから学ぶ機会を与えられました。感謝です。とにかく、閉ざされた時代に何が起こっていたのかを知る手がかりになるのは文学だということを教えられました。最近はネット文化になりましたが、ネットはその管理人によって簡単に抹消することが可能です。しかし、文学という活字体にしてしまえばこの地球が滅びるまで後世に残し伝えることができます。新聞や小説という活字にされた資料って本当に大切ですね。

 

前半の部分を朗読される土江優理さん

※関西を中心に活動する役者。【日常の延長線上の非日常の創造】を掲げ既成戯曲を上演する演劇企画集団Contondoに所属。廃館となる公民館の一室での上演時間8時間に及ぶ「展示物としての演劇」や、複数会場複数キャストによるロングラン公演に公演写真展を併催し舞台美術とするなど、独自性のある公演に数多く出演する。個人では地域の福祉施設での演劇活動や教育現場での演劇指導などにも携わる。

 

そして、こちらは私が2016年5月8日(日)に書いた記事「ROSE(ローズ、原作マーティン・シャーマン)/シアターX5月6日(金)公演」でもご紹介した東京演劇アンサンブル代表で女優としてご活躍の志賀澤子さんです。志賀澤子さんの魅力というのは、「ROSE」の時もそうでしたが単なる朗読というよりも、その朗読に耳を傾けているうちに何故か志賀澤子さんがその主人公に見えてきてしまうということなのです。もう眠気なんて覚めてしまい、その志賀澤子さんの世界に引き込まれていき最後まで目をパッチリを開いたまま聞き入ってしまいます。

 

※2017年9月8日 (金) ~2017年9月18日 (月・祝)までブレヒトの芝居小屋でドイツ現代作家デーアー・ローア氏が書いた「泥棒たち」が上演されます。ご興味がおありの方は是非お立ち寄り下さい!

 

⇒ http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40496&;

 

----------------------------------------------------------------------------

そして、今回の第1回目「ユダヤの運命と共にあったロシア作家 ――ワシーリー・グロスマンの人生と運命」は、以下のようなプログラムで行われましたが、第2回目と第3回目についてはこちらのサイトからお申し込み下さい。⇒ http://jjsk.jp/event/2017/07/05/684/