チチ・ロドリゲスに捧ぐ -7ページ目

チチ・ロドリゲスに捧ぐ

I dedicated to "Chi-Chi" Rodríguez


おいおい、これを人にやるつもりなのか?

ハッキリ言うが
自分の描いた絵を人にやるという発想は
オレには信じられない。

しかもコレらの絵は
自分だけで描き上げていない
イイように言えば “オカン feat. 先生”というコラボ作品だが
ハッキリ言えばインチキじゃないか。


普段、控え目キャラで通してる割には
こんなドエライもんネジ込んで来るなんて
オカンもナカナカのタマだな。

まぁいい、渡すだけ渡して
スっ飛んで立ち去ろう。


そんなこんなで一軒目は
元校長先生のお宅だ。

ピンポーン!

「はいはいはい(元校長本人登場)」


「あ、いつもお世話になってます。。。。。
 オカンからこれ預かってきまして。。。また来年もよろしくお願ぐぁいしまぁふ」


弱冠、噛みながらも挨拶だけはキチンとして
素早く立ち去ろうとするオレだったが
教師生活40年、元校長の鋭い眼光は
紙袋の中の色紙を見逃さなかった。


「お、なんやコレ? ひょっとしてお母ちゃん描いたんか?」


ヤバ。。。


「はぁ、そうなんですよ~、素人が描いた絵なんて迷惑やから
      やめとけて言うたんですけど。。。ハハハ(滝汗)」


「ほおぉっ、ナカナカ上手いやないか! へぇぇ、たいしたもんやなぁ。。。」


あきらかに心から褒めてる様子が伺える。

無理もない。

その姿はまさに
真実を知る前のオレそのものなのだから。


「でも校長!その絵はインチキなんですよ!」


オレは心の中でそう叫びながら
感心しまくる校長に愛想笑いを繰り返し
逃げるように校長宅を後にした。


もちろん2軒目、3軒目でも同じようなリアクションをされ
そのたびに苦笑いでごまかしながら
オレはその年のお歳暮配りを終えた。


後でオカンから絵についての確認の電話が入ったのは
言うまでもない。


続く。