おいおい、これを人にやるつもりなのか?
ハッキリ言うが
自分の描いた絵を人にやるという発想は
オレには信じられない。
しかもコレらの絵は
自分だけで描き上げていない
イイように言えば “オカン feat. 先生”というコラボ作品だが
ハッキリ言えばインチキじゃないか。
普段、控え目キャラで通してる割には
こんなドエライもんネジ込んで来るなんて
オカンもナカナカのタマだな。
まぁいい、渡すだけ渡して
スっ飛んで立ち去ろう。
そんなこんなで一軒目は
元校長先生のお宅だ。
ピンポーン!
「はいはいはい(元校長本人登場)」
「あ、いつもお世話になってます。。。。。
オカンからこれ預かってきまして。。。また来年もよろしくお願ぐぁいしまぁふ」
弱冠、噛みながらも挨拶だけはキチンとして
素早く立ち去ろうとするオレだったが
教師生活40年、元校長の鋭い眼光は
紙袋の中の色紙を見逃さなかった。
「お、なんやコレ? ひょっとしてお母ちゃん描いたんか?」
ヤバ。。。
「はぁ、そうなんですよ~、素人が描いた絵なんて迷惑やから
やめとけて言うたんですけど。。。ハハハ(滝汗)」
「ほおぉっ、ナカナカ上手いやないか! へぇぇ、たいしたもんやなぁ。。。」
あきらかに心から褒めてる様子が伺える。
無理もない。
その姿はまさに
真実を知る前のオレそのものなのだから。
「でも校長!その絵はインチキなんですよ!」
オレは心の中でそう叫びながら
感心しまくる校長に愛想笑いを繰り返し
逃げるように校長宅を後にした。
もちろん2軒目、3軒目でも同じようなリアクションをされ
そのたびに苦笑いでごまかしながら
オレはその年のお歳暮配りを終えた。
後でオカンから絵についての確認の電話が入ったのは
言うまでもない。
続く。