鼠:さて、一週間経ってしまいましたが結果はこちら から。


猫:いやはや長い予選、荒れたグリッド、そして逆転のレースと

  なかなかエキサイティングなレースだった。

  

犬:まずはバトンがタイトル確定ですね。


猫:シーズン序盤の圧勝から一転、実はトルコから勝っていない。 

  チーム力が相対的に低下するのは最初から分かっていたとはいえ、

  レッドブルの追い上げにはじまって同僚バリチェロがまさかの絶好調を迎えたりと、

  安心感はなかったと思う。

  開幕以前から考えるとさらにドラマが膨らむしな。


犬:それでもなんだか素直に祝福できないのはホンダじゃないからでしょうか?


猫:そのあたりは人それぞれだと思うけどな。

  ホンダはレース後に撤退を公開していないと声明を出しているし、

  過去のものとして捉えるのが正しいんだろうな。


鼠:レースに話を戻すと、日本GPに続いて長い予選となりましたね。


猫:日本GPはクラッシュによるものだが、今回は天候によるものだ。

  しかし3時間は長かったな。


犬:途中で止める選択はなかったんでしょうか?

  何年か前の日本GPは土曜日を中止して日曜日にやりましたよね。


猫:あれは台風によるものだからある程度天候の動きが読めた。

  日曜日は台風一過で晴れる見込みも高かったから

  あらかじめ金曜日の時点で中止したんだ。

  今回はお客さんも入れてしまっているし、

  日曜日もあの時点では天候がどちらに転ぶか分からなかったから、

  ある程度は仕方ないのかもしれないよ。


鼠:Q1でマクラーレンが全滅するなど、波乱も多かったです。

  バトンはこの時点で今期最低グリッドからのスタートとなってしまいました。


猫:周囲には小林、アルグエルスアリ、グロージャン、リウッツィと

  「危ない」代打ドライバーたちとスリル満点なグリッド。

  その後ろにベッテルとこれまた見応えのあるグリッドを演出したな。

  前に目を移すとバリチェロは燃料が軽く、

  ウエバーやトゥルーリにチャンスがあるとこの時点から言われていたな。


鼠:決勝はその通りの展開になりました。


猫:ある程度な。


犬:まぁ、トゥルーリとスーティルが大クラッシュしたり、

  喧嘩寸前になったりとかもありましたけど。


猫:このクラッシュで前の方が荒れてバトンにもタイトルの目が出てきたとも言える。

  そしてバトンは地力で前へのし上がって表彰台には届かないもののタイトルを決めた。


鼠:見事にピットインで逆転したウエバー、

  前が消えたとはいえ久々に快走したクビサ。

  17番手から3位まで上がったハミルトンと

  表彰台メンバーは予選とは違った顔ぶれになりました。


猫:選手権ランキングが関係なくなってきた面子だが、

  だからこそ「実力」を見せてきた各ドライバー達の奮闘が見られるのも、

  ブラジルならではといえるな。


犬:その争いの中、可夢偉がバトンを押さえて奮闘しましたね。


鼠:途中バトンからクレームの無線が飛んだり、中嶋一貴と接触したりと、

  ライン取りには批判もありました。


猫:が、裁定はなかった。

  まぁ、バトンがタイトルを決めて上機嫌だから、

  必要以上のアピールはしなかったのかもしれないが。

  クレイジー呼ばわりはされたが、個人的には悪くないデビュー戦だったと思う。


犬:与えられたワンチャンスだった訳ですしね。


猫:うむ。

  今年のGP2で「すべって」しまった可夢偉は評価を落としていたし、

  今回はたった一回のチャンスで結果を出す必要があった。

  その中でたとえタイトル争いをしているドライバー相手でもひるまない姿勢、

  抜かれたらすぐ抜き返す姿勢はお見事だった。


犬:次につながると良いですね。


猫:アブダビも出られるかもしれないが、

  なんとか来シーズンのシートをゲットして欲しいな。


鼠:次戦は最終戦アブダビです。


猫:バトンも含めてプレッシャーのない状況、

  新コースと言うこともあるし、単なる「消化試合」ではないぞ。  

鼠:結果はこちら をご覧ください。

犬:速かったですねぇ、ベッテル。

猫:ほぼ完勝だったな。
  トラブルがあったウエバーも最後にはファステストラップを記録しているし、
  レッドブルはマシンがあっていたんだろう。
  ニューエイがデザインしたマシンは昔も今も鈴鹿向きなのかも知れない。
  トロロッソはそのチャンスを生かしきれなかったという意味ではちょっと残念だ。

犬:トゥルーリも見事でした。

猫:前戦で勝ったマクラーレン、ハミルトンと真正面から戦った末、
  勝ち取った2位だから本当に価値がある。
  ピットアウトの瞬間はレース中、最も盛り上がった瞬間だった。

  ウエバー不在にはちょっと助けられたかもしれないが、
  いずれにしてもケチのつけようのない2位表彰台だ。

犬:さらに上を期待する声もありましたが?

猫:予選で前を取っていたら?というタラレバや、
  信頼性に不安のあるレッドブルのリタイアに期待する向きもあったが、
  このあとの表彰台の一段は大きな壁だ。
  来期のドライバーも含めて考える必要があるだろうな。

犬:代えちゃうんですか?トゥルーリ。

猫:鈴鹿での開幕前、木曜日には
  アロンソがフェラーリに移籍するというニュースがあった。
  これでライコネンが市場に出ることになったし、
  クビサもBMWの後継チームに残る気はないというから、
  勝利の狙える大物が2人もいることになる。
  ムラのあるトゥルーリと比較するのは当然だよ。
  その上で残すという決断もないとはいえないけど。

鼠:結果に話を戻しますが、
  その後ろはハミルトン、ライコネン、ロズベルグ、ハイドフェルト、
  バリチェロ、バトンまでが入賞圏内でした。

猫:決勝はリタイアも少なく、
  アクシデントもアルグエルスアリが招いたセーフティーカーだけだった。
  まあ、スタートの切りなおしはベッテルとトゥルーリには脅威だっただろう。
  KERSの「のび」を生でみられて、ファンも驚いていた。
  
  それにしてもいずれ劣らぬメンバーが入賞。
  見ごたえのあるレースだった。

犬:その中で残念だったのは中嶋でした。

猫:ワンストップに活路を見出そうとしたというのは、
  挑戦的で悪くなかったと思うが、
  それもこれも予選で沈んでしまったために、
  何かあるとしたらという期待を込めての作戦。
  正攻法ではどうしようもないということから採った作戦だが、
  全くの不発だった。
  
  厳しい言い方をすると来期F1に残れるかどうかという状況の中、
  地元レースというチャンスにも勢いを見せられなかったというのは、
  やっぱり中嶋というドライバーが「そこまで」なんじゃないかという気もしてくる。
  シーズン中に更迭されてしまうことはないと思うが、
  それぐらい厳しい結果だよ。

鼠:そのレースを生で見た人数ですが10万1000人でした。

犬:あれ?前回は16万人でしたよね??

猫:実際かなり空席が目立っていた。

  理由は数々あるが、まずはやっぱり不況の影響だろうな。


鼠:企業の団体応援がなかったのも大きかったでしょうね。

  ホンダは撤退してしまったのでもちろんのこと、

  トヨタも富士でのように目立って大応援団という形は取っていなかったと思います。


猫:全席指定制で高いシートから安いシートへ分散したというのもあるし、

  自由席観戦組が高いチケット代に不参戦となってしまったというのもあるだろう。


犬:自由席は9,000円でしたものね。


猫:金・土は「席押さえ」だけのための入場もあったから、

  金土ともに入場者が減ってしまった。

  ただ、チケットの設定以外の運営面については完璧といっていいだろう。

  交通インフラも地域の協力を得て

  渋滞はあったもののスムーズと言って良いレベルだろう。

  ファンは以前の雰囲気を楽しむことが出来たと思う。


  2年前はホンダ・トヨタ・スーパーアグリの3チームが参戦、

  シューマッハのラストランと鈴鹿のラストが重なったし、

  琢磨個人の人気も高かった。

  今年はドライバーも入れ替わっているし、

  年中行事にしていたお客さんが離れてしまったと言う事情もあるだろう。

  F1自体の商品価値が戻ってくれば必ずお客さんは戻ってくると思うぞ。


鼠:日本での人気に限って言えば、

  次戦、ブラジルで小林可夢偉がグロックの代役として正式参戦が決まりました。


猫:一貴の来シーズンが微妙な中で良いニュースだな。

  来季に関してはまだまだ流動的だが

  琢磨や山本左近も新チームを含めて交渉中とのことだ。


犬:実際はどうなんでしょうか?


猫:今の時点では有力と言えるものはまだないだろうな。

  琢磨はその実績が最大の武器だ。

  アグリ時代に新チームを強力なリーダーシップを発揮して

  牽引した実績は海外でも認められている。

  左近は強力なスポンサーもいる。

  一貴と可夢偉はトヨタ出身だから、それに見合う実力を示せば、

  シートがない訳じゃない。

  何とか参戦を果たして欲しいな。


鼠:話が少しそれましたが今回はここまで。

  次戦はブラジルGPです。

  時差が大きいので、寝不足注意ですね。

鼠:結果はこちら から。

  日本GPも迫っています。手短にまいりましょう。


猫:うむ。

  社会人たるもの連休を取ってグランプリに行くのは根回しも必要なのだ。


  さて、レースだが、簡潔に言うと、

  マクラーレン完勝、

  とっちらかったレッドブル、そこを掬ったブラウンというところか。


犬:レッドブルが予選で前の方だったんで、

  面白くなりそうだったんですが・・・。


猫:まぁ、日本GPでタイトル決定の可能性まで出てきてしまったからな。

  とはいうものの、レッドブル勢は本当にとっちらかったレースだった。

  ブラウンもチームとしてタイトルを争ったことはないが、

  そこはブラウン代表の経験がものをいったかな。


鼠:ブレーキトラブルが出た際には直々に無線に出るなど、

  ツボを心得ている感じがしましたね。


猫:終盤ブラウンがヒヤリとしたシーンだな。

  しかし、2年目にして思うのは

  夜、バンピーなコース、暑さ、となかなか難しいコースだということが明らかになったな。


鼠:今年もギリギリ二時間レースでした。


猫:モナコほどではないが、距離やなんかは特例を設けても良さそうな気がするが。


犬:とっちらかったと言えば、ロズベルグも残念でした。


猫:スピンを回避するためにコースオフは仕方なかったのかもしれないが、

  場所が悪かったな。

  中嶋もセーフティーカー警戒で本来のタイミングではないピットインを強いられ、

  惜しいところで入賞を逃してしまった。


犬:次は中嶋にとってはホームレースの鈴鹿。

  頑張って欲しいですね。


鼠:いよいよ次は帰ってきた鈴鹿、日本GPです。


猫:疑うことのない世界屈指のコース。

  良いレースを期待したい。