桜色のあなたに
ドアが開き
壁が消える
あなたは入った
背中を押されて
ドアが閉じ
壁ができる
あなたは行った
バスに揺られて
目が合った
手を上げた
もう二度と会うことはない
名も知らぬ桜色のあなたに
足元に舞い降りることもあれば
風に乗って旅に出ることもある
風どころかバスにも電車にも乗る
あのひとの肩にも乗っているかな
幸福な降伏
持ち場を離れた点描画が
道路を渡って迫ってくる
わたしのカンバス目がけ
ペタペタ貼りついてくる
風に吹かれるしかない
いじることもできない
この無力感が愛おしい
好きに描いてください
無力感を噛み締めながら散る桜を眺め
「神ともにいまして」を高らかに歌う
もっともっと揺さぶってくれ
魂が震えながら歓喜している
葉桜の下で
桜の花の神様は
北に行っただけ
待つ人に届けるため
北へ上ってゆくだけ
あなたの空にも
咲きますように
この記事を読んで下さっているあなたへ
本日の桜三部作は
「桜色のあなたへ」
「幸福な降伏」
「葉桜の下で」
でした
今朝の東の空は今にも雨が降りそうな曇り空
滑るように動く太陽が雲間から顔を出すだけ
バスを降りた途端に桜吹雪が舞うのが見えて
一部バスにも乗り込んできてビックリでした
旅に出た桜吹雪はそれぞれ風に乗って
別々の場所に運ばれてゆくんですよね
バスですれ違った桜の花びらは
今頃排水溝を走っているのかな
形あるものが散ってゆく瞬間は
他のどの時よりも揺さぶられる
普段は意識しないこころの奥に潜む何かが
激しく揺さぶられて無力感を全力で感じる
こころのある層ではものすごく苦しく感じる
別の層では荘厳さと無力感が心地好く感じる
うれしい時とは逆に動きがとても複雑になる
ひとつに絞れない感覚が落ち着かなく感じる
だから敢えて散る姿を見て見ぬふりして
「足元には別の花が…」と逃げてしまう
特にテレビや花屋さんは顕著
咲いているものばかりが並ぶ
『咲く＝希望』のような公式をつくって
揺さぶられない方に誘導してしまいます
そうやって楽な方に逃げてしまうことで
かえって生のありがたみがみえなくなる
死はその人との繋がりを最も強く感じる瞬間
誰にでも平等に訪れる感動のフィナーレです
時間が経てば少しずつ別れの辛さは薄れてゆく
波のピークは別れの瞬間でしか味わえないもの
そういう捉え方があってもいいと思うんです
実際その場でできるかは別として知っておく
誕生から死まですべてを経験したくて生まれた
誰にとっても最高の学びが起きているだけです
▼本日限定！ブログスタンプ
美容院に行く頻度
１ヶ月半から２ヶ月に１回
自転車で５分のいつもの店
自然食品を売っていたり、ワークショップをしたり
ビーガンシャンプーやカラーなども揃っていて便利
おうじさまの本も読んでいて、大切にするものが同じ
店長さんをはじめ皆さん勉強熱心で学校で技術も磨く
掃除も行き届いていて、季節の飾りも工夫していて
わたしの自転車も知っていて、玄関に出して下さる
『いつもの店』の良さって、お互いにとっていい関係
お互いを大切に思う気持ちが行動に繋がるんですね★
「ものを大事にするというのは人の心を大事にすること」
『もの』は「からだ」「店」「技術」「アート」なども同じで
そこに携わった人の心ごと大切にすることなんだと思いました
本日のテーマ曲は
聖歌４９７番 神ともにいまして
ひとり散ってゆく桜の下を歩きながら
この曲が頭をぐるぐる巡っていました
「あう」ではなく「おお」と歌う
わたしの学校でもそう習いました
本当にちょっとした響きの違いですが
拡がりの違いが感じられると思います
こういううつくしい日本語の響きは
絶やすことなく伝え続けていきたい
★意味なし付録：本日のネコ先生
の巻
★追伸：わたしの半分へ
４年前の記事は詩も写真も散々な出来のなか
今日の一部分だけはなかなかマシでよかった
何もかも恵まれていたら
気付くことさえできない
その存在とありがたさを
きっとこの花は知ってる
小石だってきっと友達だ
ねぇＨＩＲＯ
最後の１行が特にわたしらしくて好き
こういう感覚を持っている自分が好き
自分にとって損か得か、敵か味方か、上か下か
そういうことにほぼ無頓着に生まれてよかった
でもそれはわたしが女性だから
男性だと立場上なかなか難しい
「あなたもそうなれ」とは言っていない
あなたの感性を何より大事にして欲しい
あなたの空にも咲きますように
春の歓びを満喫できますように
桜の神様の旅路を祈って
もうそろそろ寝ようかな
ではではまた明日
おやすみなさい☆