化学が世界を救う。その隙間の脅威も化学から。そんな映画。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

イギリスの製薬会社によるコロナワクチンも副作用報告に頓挫し、まだまだ明日が見えない日々ですが、この今も化学者たちは治療薬を見付けるために日夜、頑張っているのですね。
しかし、この危機に苛まれた時こそ、彼等の知識と知性を有効に奮えるチャンスでも有るわけです。
...不謹慎ですが。
天才とは危ういもの。極めればマッドサイエンティストと呼ばれるのです。
そして、危うきものを生み出してしまうことも...

「キラー・シャーク、殺人鮫」
西太平洋の孤島で極秘の実験に励むキング博士は、癌で亡くなった息子の元婚約者でもあるアメリアが勤める製薬会社に研究成果を送る。その内容は、ガン治療にまつわる画期的なものだった。
製薬会社は、アメリアや彼女と交際中のIT主任トムたちを連れて島に向かう。そこで彼らを待っていたのは、鮫と人間の遺伝子を掛け合わしたシャークマンだった。
博士により監禁された一行は、決死の脱出に挑むが...
ちょっとパッケージは何処の国版でしょう...一番、シャークマンしていたので。

書いてしまいましたが、原題は「Shark man」、かつての私の心の映画「Fish man」の鮫版...かな?その「フィッシュマン」は「Drモローの島」をオマージュとしたものなので、今作もその流れで観れば間違い有りません。
島で人類の一歩先を研究する博士を「ブレインデッド」や「さまよう魂たち」のジェフリー・コムズが演じ、ちょっと視点と視野が飛んだマッドサイエンティストを好演しています。
博士を島へ追いやった切っ掛けの会社は、代表を含む専門家らを送りますが、博士はぶちギレて彼等を鮫の餌食にしようと計ります。
研究に人生を掛けて挑んで来ながらも、復讐を優先してしまう博士は、既にマッド路線邁進中です。更にその実験の仕方がおぞましい。
遺伝子改造(細胞移植?)で生み出されたシャークマンに人を宛がい、生殖にて間の子を作ろうとする...そう思い付く事では有りません。食べてしまう失敗も、相性なのか好みなのか?と考え、またマッドサイエンティスト脳をひけらかします。
ラボはなかなかの規模で雰囲気は上々。低予算なので狭めですが、その異様さは見ての通り。
そんなこんなで博士にしてやったりを食らう製薬会社メンバーですが、ウィリアム・フォーサイス扮する見た目どんくさそうな主人公がなかなかのキレで抵抗し、シャークマンから必死で皆を逃がします。
しかし侮る無かれシャークマン、海に陸に身を潜め、気付けは傍らに、そして隙有らば飛び掛かってきます。
このシャークマン、なかなか良いです。古くさいメイクとCGを上手く使い分けて生々しさが有りながら器用な動きをも見せています。
シャークマンは博士側からも逆らい、誰彼構わず襲います。島をさ迷い、逃げ道を探す製薬会社メンバーたち、事態鎮圧を図る博士側、食欲滾るシャークマン。それら三つ巴の戦いはなかなかの緊張感で見せます。
残念なのはここで博士側のセキュリティ?はヘリコプターやジープを駆使し、逃げる製薬会社メンバーと銃撃戦を繰り広げてしまいます。
結構な激戦と成るのですが、正直、観たいのはシャークマンに立ち向かう主人公たちなので、無駄に人が倒れ、傷付き、脱出困難に陥る姿は何とも"不毛"しか漂いません。
しかしながらその反面、6人の専門家メンバーは、犠牲は出ますが安易な数減らしをしません。みんなで助け合って頑張ろうとするところは非常に良かったです。
そうは言いましたが、それなりにシャークマンの凶暴ぶりを見せなくては映画に成らないからか「この辺で死なせておきますか」くらいで数が減るのは、ちょっと呆気にとられました。"死"は、なかなか訪れさせず溜めて来たくせに、一旦与え始めたら全て呆気なかったです。
権力持ちが愚かなのも在り来たりですが、在り来たりにちゃんと因果応報食らいます。
それも敵味方、区別無く...
本筋は島を舞台に脱出方法を探すメンバーと、徹底軍事力を駆使したセキュリティの戦いです。しかし、たかが隠遁博士に命を掛けて戦うセキュリティの姿はちょっと哀愁を感じてしまいました。博士の財力故に集っているのでしょうが、彼等の命、儚いものです。
終盤はラボに戻り、対決と成ります。まあ、所詮、"博士"に戦いなど出来る筈もなく、"してやったり"も容易くひっくり返されて無惨な事に...
↓それでも映画的には博士、貢献してくれます。:p
ホラーの趣きは控えめですが、なかなかのセットとVFXで見せます。
食人シーンはシャークマンが特殊メイクか着ぐるみ?なので迫力が凄い。血糊もたっぷり、血肉引き裂く鋭い歯、引き裂かれる体も凄惨で圧倒されます。

粗は多々ありますし、前半に比べ終盤の犠牲の出方が雑なのも残念。VSシャークマンより人VS人の派手な銃撃戦が多いのも勿体無い。
それでも、楽しませ意欲は充分で、小気味良いテンポに因果応報ストーリーも悪くない。いえ、私は非常に楽しませて頂きました。:)

もひとつ。
「オーヴァーロード」
1944年。第二次世界大戦の最中、フランス。ノルマンディー上陸作戦を控え、連合軍はある作戦を決行していた。それは敵の通信網を絶つこと。
しかしドイツ軍の猛攻激しく、航空機群は兵諸とも尽く撃墜されてしまう。
生き残った第101空挺師団の僅かの兵士は、諦めず目的を果たすべく進軍する。
彼等は目的地間近でフランス人のクロエと遭遇、彼女が言うには「村人が教会に連れて行かれている... 」
本作は「スターウォーズ」等のJ.J.エイブラムス製作によるサバイバルホラー?
ちょっとジャンルが難しい。軍隊ものとして充分な作りが土台にあり、そこにナチスによる実験、超人的な力を与える薬、その異形...
SFやホラーの要素も携える。
しかし、そうであっても、映画のクオリティが上がると感じ方も違ってくるのか、映画上質な戦争ものとして充分観られます。困難なミッションに挑む空挺師団の物語です。
また、お金の使い方が上手い。決して予算潤沢では無かったろうけれど(3800万ドル...高いか安いか分かりません)、大作にあるセオリーを丁寧に踏み、肝の部分には惜しみ無く注ぎ込みクオリティを落としません。
始まりの空挺師団の空域侵入シーンは、凄いのひと言。夜闇の中、轟音が響き、爆雷が飛行機を揺らす。皆、声を張り上げ、合図し合い、激しい揺れと緊張に身を震わし、嘔吐する。機銃掃射は機体を貫き、引き裂き、今話していた仲間の体が四散する。
扉を開ければ、夜の空は光に満ちている。殆んどの飛行機が燃えている光だ。
師団の兵らは悩む暇無く空へ飛び出し、振り回される体を何とかする暇も無い。パラシュートを開いても、地面に叩きつけられ、木に引っ掛かり、待ち構えているナチス兵に無惨にも殺された。川に落ちればしめたもの。
しかし銃は何処かに飛んでしまった。敵に対抗手段も無く虐殺される仲間達。
何とか村に辿り着けたのはフォード伍長を中心とした4人。彼等は重要な任務を担う。挫けては居られない。彼等の成功はこの戦いの鍵だ。
鬱蒼とした森、不気味な死体、体調不良の村人、そして教会の地下で行われる何か。
村の造形は決して大規模では無いですが、ひと目で見通せないからか、クロエの家に辿り着くために入り組んだ道を辿ったためか、それなりの広さを感じます。
クロエは4人を匿い、作戦への協力を約束しますが、村人たちはクロエにさえもナチスに密告するほど、安全はここには無い。
また、ナチスの将校ワフナーはクロエに迫り、危機は此処彼処にあり、更に時間も無い。
焦る気持ちとクロエへの信頼は彼等の使命感を焚き付け、4人はワフナーを拘束、ボイスは偵察に出たまま、ひとり教会へ侵入してしまう。そして、ボイスは教会であまりの惨状を目撃することに...
ここまでは戦争もの。「ナバロンの要塞」のような工作系アクションの趣きです。ただでさえ危険な状況なのにワフナーを拘束してしまって、クロエの家でも腰すら下ろしていられない。どうする?どうする?がせめぎ合い、ワフナーに対し、人道にも逆らう禁じ手を奮うことも。
そしてボイスは帰還する。生け捕りに成っていた仲間を連れて。そして一本の注射器を持ち帰る。
仲間の死。注射器に納められた薬の力。
ワフナーの復讐。
そして幾つものタイムリミット。
同時発生するたくさんの要素が其々に目的を与え、其々が其々の思いを抱えて行動し、そして私達の条理を逸脱した悪夢が、更なる覚悟を抱かせる。
使命、信頼、愛情...思いは、怒りに駆られた者たちの残虐無比な横暴に打ち勝つことが出来るのか?!
怒涛の展開に興奮必至です。
VFXはCGでは無くメイク系。非常によく出来ています。"マッドサイエンティスト"による、驚異の無敵軍隊を製造しようとしたナチスの実験は、如何にもなアナログテクノロジーで、それをちゃんとセットとメイクで見せ付けます。このリアルさが堪りません。
腹に突き刺す大針、其処から流し込まれる異様な液体、実験、解剖された村人達の有り様、成功しなかった中途半端な姿、実験途中のまま放置された不安定な者たち...
もう、本来の通信施設破壊の目的を忘れてしまいそうなほど、気持ちを掻き乱し、理性にしがみ付かなければ生き残るための意思すら見失いそうになる。そんなパニックを私達も体感することに。
おぞましい。しかしこの映画はあくまでエンターテインメント。映像は刺激的ながら、意外と恐怖に目を背けるカットは少ないです。
そうでも無いか~!Σ( ̄□ ̄;)

主人公はボイスですが、見せ場はフォード伍長に。そのフォード伍長、非常にカッコいいです。演じるはワイアット・ラッセル。
ちょっと「ウィンチェスターハウス」や「ターミネーター新起動」のジェイソン・クラーク似ですが、ジェイソンの柔さは無く、無骨で「プライベートライアン」のトム・ハンクスより「GIの死体で出来てる」そんな雰囲気を醸しています。寡黙でありながら、その任務や仲間に対する責任感は誰よりも強く、故の決意はあまりに偉大で素晴らしい。「地獄の変異」のコール・ハウザー扮したジャック・マカリスターが、弟たちを助けようと覚悟を決めたシーンを思い出しました。
...勢い有り過ぎて泣いている暇は有りませんでしたが、心の隅で"ほろり"来てました。
彼、元アイスホッケー選手だそうです。実は名前で気付く方も居るかもしれませんが、「遊星からの物体X」や「バックドラフト」から今でも活躍中のカート・ラッセルと「バード・オン・ワイヤー」等のゴールディ・ホーンの息子さんでありました。
最後に、進軍してきた米軍が村に入って、作戦の生き残りと向き合い「教会の地下にナチスの研究所があったと聞いた。掘り返すほどの価値が?」と聞くシーンに、一抹の不安を残しながら、戦争はまだまだ続きます。
一気に走り抜けて、ラップソングで終わるような典型的エンターテインメントですが、ちょっと不気味な後味を残す、際ものでした。


☆今週は痴呆の祖母が関節炎に成り、忙しくしていました。今、病院から、ベッドから起き出して徘徊してしまうので...との連絡を受け、家族共々、頭を抱えています。
疲れた~o(T□T)o
残暑抜けませんね~。
暑いから動けない~と言い訳をして、プレイステーション3のナンバー1ゲームソフト「Fallout3」をプレイしています。もう10回目くらいです。オープンワールドスタイルなので、やる気なら100時間くらいは軽く掛かる作品なのですが、サバイバル感が非常に高く、生き残るための方策が人によって違うほど自由度の高い作品なので、毎度、新鮮に楽しめます。今、私のアバターたる"まり"は、核戦争後のワシントンDCをボロボロに成りながら闊歩しています。