今更ですが、あけましておめでとうございます | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

改め、あけましておめでとうございます。
2018年、始まりました。今年も楽しみ楽しみ。何が出来て、どんな出会いがあって、そして何に感動出来るか。さあて。ますます太って...いえ、ますますいい女に成ってやるぞ~。
戌年なので、私の"べべ"と。ちょっと苦しそうね...


年末は祖母が風邪をひいて、コミックマーケットさえ行けませんでした。コスプレしたかったよ~。でも今年のコミケ、すごい寒かったようで、風邪っぴきで体力不足の私では行ったら倒れていたかもしれません。
更に30日に母が大怪我を。指が裂けて、私、漫画のように卒倒...しそうになりました。「不運は連鎖する」ので、しばらくはたっぷりの笑顔で母を包んで、幸運色に色換えしてしまおうと全力投球。お陰で三が日から何にも無かったけれど、笑顔いっぱいで楽しい毎日でした。
それにしても寒かったですよね~。毎日、コタツに潜りっきり。確実に鈍りました。2キロ増しの体重も更に1キロ増して、もちもちぷりん。しっかり肥えました。
でもこれ、前述、新薬のせいらしいです。女性ホルモンを活性化する事で、私の体調を顕著に回復させましたが、同時に迅速着実に皮下脂肪を蓄えてくれました。
うむむ。
ひと月の使用で分かったことは、顕著に太ります。でも女性ホルモンのバランスが不安定だった人には効果絶大、体調回復間違いなし。ついでにバストアップします。そして人によっては腹を下し易く成ります。それとまだ不明ですが肌荒れが起こる可能性も。
そんな感じかな。
ふう...ダイエットしなきゃ。
年末年始はちょっと落ち着かない日々でしたが、下れば上がる、雲間から陽射しが出てきました。よおし、今年は誓うのです。
「やりたい事を諦めない一年」今年こそ。

なので、初詣にも参じて参りました。それも2箇所。
ちいちゃな御焚き上げも有って、どちらでも、母の回復を祈って参りました。私の事は...願い忘れちゃった。

御節は母の代行でしたので、ちょっと薄味になっちゃいました...まあ、でも、そこそこ。たっぷり食三昧を楽しみました。
ゆっくり過ごせましたか?美味しいものを食べていましたか?
今年もよろしくお願いいたします。何より、全ての人が良い年を実感出来ますよう、お祈り申しております。
初夢、見ました?えへへ。こう言うの、あまり信じないつもりで、結構、唆されています。
よく覚えてはいませんが、赤いフードの暗殺団に追い回されながら"道"を探していたことを覚えています。そして川で巨大タコに襲われて、私は助かったけれど暗殺団が水中に引きこまれてしまったり...
...お馬鹿な夢を見ました。
富士も鷹も茄子も見ませんでした。タコってどうなんでしょう。暗殺団は…?
でも「道を探して」は何と無く意味深いですよね。良い兆しだと期待しておきます。(*゜ω゜)ゞ⌒☆


地味な2週間を過ごしていましたが、実はちょいちょい刺激的な事も有りました。
年末のこと。正月準備に勤しむ中、前回書いた、私を避けるようになった方に出会いました。
やはりどうもコミュニケーションが上手く行きません。だから私、別れ際にそっと、つぶやきました。
「良いお年を」
囁くような声...私、怖がっていたのかもしれません。ちょっと彼女の事を好きだったから。
彼女は私の言葉を聞き逃したかのように足を進めます。
分かってる。人と人との縁なんてなって欲しいようにはならない...
しかし彼女はまるで身を翻すかのように振り返り、繕いも無い顔で私の前に身を乗り出して
「あ!ありがとう」

やっぱり私の感は当たっていたのかも。
私達はむず痒げに照れ笑い。直ぐに別れてしまいましたが、その時の彼女の笑顔は忘れません。
私は5年間ほど、他人に声が届かなくなってしまった時期がありました。何事も無く暮らしながら、不思議なほど物事をこなせなかった。それはいつも私の心を曇らせていました。その内、投げ掛ける言葉が尽く聞き返されるように成り、何事にも躊躇う事が増えていきます
出会う人の眉間に皺を寄せて「え?」と聞き返された、その顔ばかりが記憶に刻まれて行く...
ぞっとしました。でも人が好き。人の営みを見守り、寄り添う事が好きでした。
それが出来なくなって行く。自分ではどうしようもなくて、心で泣いていました。
でも、ほら。届いたんだよ。私の声が、あんなにも小さく震える子猫のような声だったのに、彼女に届いた。それだけじゃない、嫌われてなかった。わざわざ私の為に立ち止まり、踵を返し、言葉を返してくれた。
私は思わず、泣いてしまいそうでした。かつての涙とは全く違う、あったかい涙。
自転車のグリップをぎゅっと握り締め、体を煽る冷たい風に溜めて澱んだ自責を払い捨てる。
ああ、私は変わったんだ。


年末はたくさんの映画を観ました。その辺は後程。
年明けには「獣は月夜に夢を見る」を観ました。
これ、主人公がマリーちゃん。でもちょっと怖い話でした。小さな町で母が忌まわしく扱われていてその呪いのような境遇に悩むマリーちゃん。しかしそのマリーちゃんをも蝕む病のような症状...
不思議と誰彼にも忌まれるマリーちゃんが可愛そうで、言葉少なく悩み続ける姿には、なんともトランスジェンダーな私を体現しているようで胸がずきずきしました。
物語は物悲しく終わります。ぐったり。
口直しに「ナインハーフ」を観て夢想に耽りました。:p


そう言えば朗報。
今年、性別適合手術の保険適用が決まりそうです。お国のする事ですから2019年頃から開始かもしれませんが、その運びに成るそうです。
国政選挙の時、性同一性障害に一切のコメントをしなかった自民党の決断に、ちょっと複雑な思いです。
でも、とても喜ばしい事です。思い悩む全てのGidを抱える人がひとつハードルを逃れます。
しかし。
飛躍的に人数が増える事で、現在でも起こっている”性別適合手術やホルモン治療への後悔”がもし社会問題化してしまったら、私達はまた、いえ、より不都合な存在に成りかねない。
大丈夫なのかしら?ガイドラインみたいなものはちゃんと作っているのかしら?
良かれ。当然、良かれこと。
不安など忘れ、良い明日が来ると信じたいと思います。
でもそうなるとみんな日本でSRSをするのかしら?
あの、タイでの素晴らしい時間を経験する人が減ってしまうのね。もしそうだったら、残念だわ。

どう生きられるかは大事、でもどう生きるかはもっと大事。あなたが選んだ人生よ。最高の人生にしてやりなさいな。


ちょっと付け足し。
昨日NHKドラマ「女子的生活」第一話を観ました。これ、トランスジェンダーのドラマです。
あるレズビアンのMtFトランスジェンダーが主人公で、アパレル業界で活躍中、社会の中でも悠々、女生活しております。
興味深い話でした。でも、普段の生活におけるトランスジェンダーの悩みや困難は描かれませんでした。
恐れを知らず、堂々と生きる彼女の姿は心強いものでしたが、どうしてそんなに強いのか、ちょっと気に成りました。私もさほど気にせず相当に呑気に生きていますが、やっぱりトイレ周辺で人と接触する事を躊躇いますし、体毛や声、ささやかな所作にも少なからず不安を抱えています。
先日もレジでお釣りを落としそうになって「おっと!」と如何にも男声を出してしまい、焦って退散したもの。それに目線を向けられると、つい「何かに気付いた?」と身なりを見直してしまいます。ダサ私。
そんなもの気にしない主人公。等身大と言うよりは秀でた成功例。
感心して観ていたら、合コンのシーンで母がふと「のど仏...」と。
私、ドキッとしてしまいました。主人公、のど仏がしっかり見えます。
え?みんな気付かないの?
いえいえ、私達はそんな事でヒビる必要は無い。人生には制限も区別も無いのだから...だよね、きっと合コンにだって...
しかし私の座席が途端にドラマの中から遠退いてしまった気分に成りました。のど仏の事ではないの。だってそこからの物語、奇妙な展開を見せ続けるんだもの。
主人公は合コンの間にある女性に目をつけて自分の真実を話します。そして謎の"ゲーム"に誘い、レズビアンの振りをさせ、合コンを破綻させ、彼女とホテルに行きます。
...ネットである人が言っていました。「女性をモノにしたいから女装して女性に近付いて、豹変してホテルに連れ込む、それがトランスジェンダー?」と。
勘違いです。でも、そう見えました。
そう見えたのはぎらぎらする性欲が男にしか見えなかったから?性交渉は男性としてするみたいだから?...「心は女」がぼやけていく...
このドラマ、男性はどう観たのでしょうか?
会を台無しにしたトランスジェンダーを不快に思ったりしないでしょうか?
女性はどう観たのでしょう?

「見本がいない」と自分を形作れない悩みを抱える主人公の姿は、とても胸に来ました。
主人公は自分を「トランスジェンダーのレズビアン」と称する。もしこの先、彼が高校の同窓生の男性に人としてときめいたりするならば、ジェンダー概念を超える物語としての意味が有ると思います。結ばれる必要は無い。その”ときめき”に意味があると思う。

近々、ドラマ「海月姫」も放映されます。ここにはあくまで"女装子"が登場する。彼は有り得ないと卑下する女性に次第に惹かれていく事になる。
「女子的生活」でも、人への信頼や愛着が愛に代わる瞬間を魅せて欲しいとつくづく願います。
わん。