机に座って、目の前の書類をじゃんじゃん片付けてたさ。
はんこ押したり、計算したり、データに入力したり。
その合間に、目の前の人たちにじゃんじゃん指示出してたさ。
入れ替わり立ち代りやってくる相談やら報告に対応しながら。
ふと営業女史が目の前に立った。
こぐさん、これ、なんなんですかね?船で必要なものなんですかね?
と、船から届いた月次報告を差し出したぞ。
購入品:SEXY CHEF BOOK 1冊 US$32.50
ん~??なにこれ?
セクシーシェフの本?
営業女史は、
明らかにイカガワシイ本を船が計上してきたんじゃないの?!
も~、男ってそうなんだから、だから男ばっかりの世界って嫌い!
野郎ばっかり集まってる船乗りってのも嫌い!
ついでにその片棒担いでるこぐも嫌い!
みたいな目で見てるわけよ・・・・。
こぐはあわてて(別にあわてる必要はないんだけれども)、
ちょ、ちょっと待って、調べてみるから、とネットでググったさ。

あ~、ほらほら、クッキングブックだよ。
いま、船員の労働環境に関する法律が大幅に改定されて、クッキングブックの積込みも必須になってるから、
それにあわせて買ったんだよ。きっと。
って、汗かきながら(汗かく必要ないんだけれども)彼女に説明したさ。
へ~そうですかぁ~?でも別にセクシーなシェフの料理本じゃなくてもいいんじゃないですかぁ?
と、
だから、男って嫌い!光線を発し続けるわけ。
もうこぐはなんだかまな板の上の鯉だわさ。
周りの男子、みんな知らん顔してるし。もしくは下向いて笑ってるし。
よくよく調べたら、この人、うちの乗組員たちの国では有名な料理人でしかも美人なもんだから、
カリスマシェフとして、こういう本を何冊も出しているらしいんだね。
くっそ~、あんたのせいで、こぐがえらい目にあったじゃないかぁ~!!
と、激プン(下の小僧から習って初めて使ってみた言葉だな)した午後3時だったのだ。o(`ω´*)oプンスカプンスカ!!