
12月に封切られた、とある映画の宣伝を見たのね。
「北辰斜めにさすところ」
旧制高校をテーマにした映画らしい。
こぐは、こぐ父の影響を受けて、
また自分も時代は違えど(おつむの中身はもっと違う!)、似たような環境で育って、
ものすごく興味を引かれたのね。
どくとるマンボウ青春期や、ダウンタウンヒーローズに触れて、
いいなあ!、と思ったもの。
早速、原作本を買ってきたよ。
「記念試合」
いや、もう昨日1日で読了しちゃった。
押し付けの精神論が語られるでもなく、ただ熱血でもなく、
久々に、こういう系統の本で感銘を受けたわ。
ところどころ感涙までしてしまったよ。
こぐ父の父親、会ったことのないこぐの祖父は、
三男に生まれながら大学まででたのね。
その時代にしては、エリートさんだわ。
法政の経済出て神奈川税務署に勤めてたんだけど、召集されてね。
北支から南方戦線へ、最後はフィリピンで戦死したことになってるけど、ホントのところはわからない。
ただ、帰ってこなかったのは確かなのね。
若い妻と、2人の子ども、それも1人は会ったことのない赤ん坊(こぐ父のことね)を残して。
この本には、そういう境遇に陥った卒業生達も描かれているんだわ。
むしろ、それを読んでいるこぐのほうが、感情を動かされたな。
かって、旧制高校という学び舎があって、
そこに集う若者は高等学問を修めながらも、自治と自由を謳歌していた。
ときにそれは、ストームと寮歌に代表されるけれど、
そういえば、こぐのいた寮にも寮歌があったよ。
いまでも、ボートのレースなんかで同窓生が集まると、必ずこの歌を歌うわ。
ジーンと来るものがあるんだよね。
あの頃を思い出して。
(前略)
嗚呼紅の華陰に
感激燃ゆる青春を
君高らかに唄わずや
ちょっと旧制高校のそれに比べると、俗っぽいなぁ。あはは。