最後の年末ライブに行ってきました。
最後の年末ライブと聴いて、これで東京で三浦さんのライブを見るチャンスが最後かもしれないと思い、たぶん、12年ぶり位にマンダラ2に行きましたが
予想はしていましたが、ライブハウスが満員で呼吸が苦しくて酸欠になりそうでした。
来ていたお客さんでたしか最年長のかたは93歳のご婦人でした。
70才になられた三浦さんは今回のアルバムを「九つの物語」を「遺言」にしたい、と仰っていましたが
僕の祖父は僕が生まれる前にとても若くして亡くなり、僕が祖父と同じ年で亡くなるとしたら僕の人生はあと10年くらい。三浦さんのような作品でなくとも僕に何が残せるでしょうか?
三浦さんの場合はお父様が三浦さんがお母様のお腹の中にいる時に亡くなってしまったそうですが・・。
三浦さんは長年ブルース・スプリングスティーンの対訳をされていますが、
僕の好きなThis Hard Land という曲のStay hard,Stay hungry,Stay aliveという部分を
「つらいかもしれないがしっかりと生きてほしい」と訳されていました。
その当時、僕は高校生で、恵まれた少年だったのかもしれないけれど、この歌詞を何度も読んで噛みしめていました。
今回 三浦さんをサポートされていた小山さんはスプリングスティーンの歌に衝撃を受けた、とエッセイで書かれていたので体を鍛えてゴツゴツした人なのかと思っていたら
華奢でどことなく憂いのある顔をされた方でした。
三浦さんの今回のアルバム。
亡くなった人を悼んだり、家族のことを歌ったり、僧侶のことを歌ったり。
アルバムのブックレットの一曲目の「オーリアッド・バンドの歌」の色遣いが
すごく素敵だ。楽器が弾けなくても手拍子、足踏みで誰でも自分を表現できるオーリアッド。
そんな賑やかで楽しい光景が目に浮かぶ鮮やかな色遣い。
曲も柳さんの演奏が弾んでいて、辻井さんのコーラスがとても伸びやかでチャーミング。
聴いた後にきっと長野のオーリアッドに自分も行きたくなる、そんな
心が弾む、理屈抜きで楽しい歌。
「菅野有恒」。陸前高田の写真屋を営んでいた方。
菅野さんは僕と同じブルース・スプリングスティーンの大ファンで
妻に内緒でスプリングスティーンの五枚組のCDを買いました、
と三浦さんにおどけていた。
菅野さんは東日本大震災の時に母親と近所の人たちを車に乗せて避難所に
運んだ。そして奥さんを助けるために引き返した、そして菅野さんは波に
呑まれてしまった。
三浦さんは菅野さんと会ったことはない。声も聴いたことも無い、
と思っていたら一度 電話越しに聞いていた
「今度 柳という男がそちらへ行くからよろしく」と。
その亡き菅野さんの友人の柳さんが今回のアルバムに参加している。
登場したときは軽妙なバンジョーを弾いていた柳さんが
この歌の時にはすすり泣きのような音を出していた。
この歌を聴いてスプリングスティーンのInto the Fireを思い出した。この歌の中では
2001年9月11日のテロで旅客機が突き刺さった世界貿易センターに消防士が燃えさかる炎に向かって救助の為に向かった。
でも巨大なビルは世界中の人がテレビで見たように崩れ落ちた。この消防士を炎の中に向かわせたのも愛と義務だった。
夢のブックストア
三浦さんの住む町で書店を営んでいた方の話。
インターネットの時代になり、
本が売れなくなり、店が閉じられて、
店主の方は静かに亡くなり、それを三浦さんが知らされる。
さみしい。かなしい。
ガビオタの海
スプリングスティーンのアルバムのように
最後は希望と願いの歌で終わる。
「あなたに平和がありますように」
夢のブックストアの店主の田中正幸さんはガビオタの海が好きだった。
このアルバムのディスクにプリントされている
花は「都忘れ」とのこと。
鎌倉時代の承久の乱で佐渡へ流された順徳天皇が、この花を見ると都への思いを忘れられると話されたことに由来するそうです。
調べてみると花言葉のひとつが「別れ」
17歳の頃、三浦さんが生まれた町、
千葉の行徳にいた僕を文字で励ましてくれた三浦さんが
吉祥寺のライブハウスで目の前で歌っていました。
三浦さんがサインしてくれた言葉は
「Peace to You!」でした。
三浦さん、ありがとうございました。
