北風が吹くと枯葉は、きれいな青空を背にしながら散っていく。
枯葉をやさしく包み込むあの銀世界は、もうすぐこの北風にのってやってくる。
冷たい雪というけれど、雪の下はきっと暖かくて、
その雪の下で枯葉たちは、やさしい雪の暖かさをうけながら、春を夢みているに違いない。
そして、春が来る頃に、枯葉たちはどこかに消え去ってしまうけれど、
本当は、枯葉たちは小さな小さな粒になって、新しい命を育てるためのベッドになる。
そして、そのベッドにまた新しい命が宿り、緑の世界がやってくる。
(白石さきこ作 2022.11.22)