「じいちゃんガンバレ」は宝 | バス運転士の“公私混同”&“本音と建前”日記

バス運転士の“公私混同”&“本音と建前”日記

地球1周分の距離を『約2年』という歳月をかけて路線バスで走る運転士である富蔵(とみぞう)が“公と私を混同して綴った物”を記事として公開させていただいております。

だいぶ前の新聞に載っていたコラムをご紹介。切り抜いたままだったのだ。


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まもなく夫は定年になる。

夫はバスの運転士。

子どもが小さいころには、年明けの初仕事のバスに家族皆で乗りに行ったりした。


でも、引っ越してこの20年ほど、乗る機会はなかった。

バスや電車が好きな孫娘に、自分の運転姿を覚えていてほしいとの夫の願いをかなえるため、皆で夫のバスに乗る計画を立てた。


当日、私、娘、息子夫婦と孫の5人でバス停に並び、普通のお客さんとして乗った。

ところが、夫がつい小声で孫の名を呼んでしまった。

一瞬驚いた孫は、バスが動き出すや「じいちゃんガンバレ!」と大きな声で4、5度も叫んだのだ。


私たちもびっくりするやら恥ずかしいやらドギマギ。

当然、停車を告げる夫の声もゆるみ気味。

同乗の方たちも事情を察してニコニコ。

家族は皆、目を潤ませてしまった。

孫の言葉が、私にも宝物になった。


(某県某市・○○○○ 57)

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微笑ましいですよねぇ。まるでその場にいるように情景が浮かんできます。