だいぶ前の新聞に載っていたコラムをご紹介。切り抜いたままだったのだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
まもなく夫は定年になる。
夫はバスの運転士。
子どもが小さいころには、年明けの初仕事のバスに家族皆で乗りに行ったりした。
でも、引っ越してこの20年ほど、乗る機会はなかった。
バスや電車が好きな孫娘に、自分の運転姿を覚えていてほしいとの夫の願いをかなえるため、皆で夫のバスに乗る計画を立てた。
当日、私、娘、息子夫婦と孫の5人でバス停に並び、普通のお客さんとして乗った。
ところが、夫がつい小声で孫の名を呼んでしまった。
一瞬驚いた孫は、バスが動き出すや「じいちゃんガンバレ!」と大きな声で4、5度も叫んだのだ。
私たちもびっくりするやら恥ずかしいやらドギマギ。
当然、停車を告げる夫の声もゆるみ気味。
同乗の方たちも事情を察してニコニコ。
家族は皆、目を潤ませてしまった。
孫の言葉が、私にも宝物になった。
(某県某市・○○○○ 57)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
微笑ましいですよねぇ。まるでその場にいるように情景が浮かんできます。