大上段に振りかぶって「バック&フォースの使い方!」というタイトルも考えたがビビってやめた。3シーズン、渓流でのスプーンは9割程度バック&フォース一択、偏愛。ツララとハルシオンのテスターの工藤氏が自身のブログで「ペニーサックの使い方」というログをアップしていて、当時コピペが上手くいかず手書きで写した。あのような普遍性のある「使い方」を書いてこその「使い方」だなと。
スミス社のバック&フォース、4/5/7gのウェイトラインナップ。ただ7gにはダイヤカットのモデルはない。池谷成就氏の快作、ハスルアーからオットットへと続く系譜の最終型~最終形という言葉を氏が使っていたかは記憶が曖昧。
渓流でのルアーフィッシングの主力がミノーという人は多いと思う。釣具店の棚に占める面積の割合もそれに比例していて、よくいく某大型店のトラウトルアーコーナーでは7:2:1の2がスプーン、1がスピナーといった案配(エリアコーナーを除く)。
皆川哲さんの「ルアーで釣る渓流のヤマメ&イワナ」~今は亡き山海堂~が発売されたのが2000年の3月、その前の年に山梨県へ移住してきた私も早速チップミノー赤金を購入し渓へ。なかなかというかさっぱりというかミノー(及びルアー全般)では釣れず仕舞、以降ボサ川の提灯釣り時々テンカラ釣りに傾倒してゆく。
流水でのスプーンの使い方は関根崇暁氏の「東洋式疑似餌研究所」とD3カスタムルアーズの福士知之が「鱒の森」に書かれていたいくつかの記事が秀逸だと思うし、個人的にも目指すところ。源流域だとそうはいってもその通りにはいかないので当然アレンジはするけれど。
バック&フォースに関しては池谷氏がブログや雑誌(私は「鱒の森」で読んだ)で解説されている。名前の由来?になったバック&フォース釣法は何度か見よう見まねでトライするも今のところ成功例は無し。実釣では4gのみ使用、ダイヤカットの方がルアーをトレースしやすくて好きだがマットでもプレーンでも釣果に差は感じない。
流れを釣ることの多いヤマメ・アマゴ釣りでは福士氏の言うところのドリフトの釣りのイメージで流して釣ることが多い。ほぼ脈釣り、いつか延べ竿につけて流してみようかと思う。大きいプールは投げて巻く、沈めて巻く、トゥイッチする人もいると聞くが(そして実際によく釣れているとも聞くが)私自身はやったことがない。
ハスルアーやバック&フォースのようにルアーの短辺方向にアールのないスプーンをひらがな系ともいうとか。やはりスミス社の異色作ラ・バンバ辺りが有名かな。このラ・バンバ、前述の福士氏によるとリトリーブの釣りではぱっとしないがドリフトの釣りでは実に素晴らしいとのこと。その記事を読んで以降、たまにチャレンジしてはいるがいまだ「これか!」という手応えを得ずにいるし目立った釣果も無い、修行が足りないようだ。
スプーンといえば「忠さん」、常見忠氏。その忠さんのスプーンの名作「バイト」だが、3gだけ短辺方向にアールのないモデルがある。最近店頭で見かけなくなって困っている。このバイトの話はまたいずれ。
イワナ釣りの時はフォールを意識して釣ることが多い。反転流をだらだらと~実際はけっこうなスピードで沈降しているはずだが~落として流す、ストラクチャーの際にふらふら落とす。ヤマメより水勢の弱いところを狙っていくのでリトリーブの釣りもそこそこやりやすい。
バック&フォースはつるしでついているフックがこれまた素晴らしい、その名もシュアフック・スーパーヤマメ。このフックを知るまではがまかつで言うところのヤマメ系(袖系)の鉤にアイを巻いて使っていたが、以降アマゴ系(キツネ系)に。サイズもワンランク小さくなった。イワナ釣りには鉤は大きければ大きい方がいいという餌釣り以来の思い込みがあってルアーにも割と大きめのフックを装着していたなあと今更ながら思う。
今シーズンも猛威を振るってくれるはずだったバック&フォースだが、コロナ自粛でなかなか投入出来ずに。追加購入した分はまだパッケージの中。新緑の渓で夏空の沢で竿が振れるのが待ち遠しい。