AM4:00、アラームと太鼓が同時に鳴る。一分と経たずおはようございますの声、お寺の朝はとかく早い。御来光を見る人はお勤めは出なくてもよいらしい~これは時期的なものかどうかは聞き忘れた。

 5月から旧知のイマコ嬢が敬慎院で働いている。夕方のお勤めの時に見かけて、そういえばそんな話を聞いてたなあと。そのイマコにいずれ細かい立ち振る舞いは聞いてみよう。ちなみになぜ山の上で働こうと思いたったかは不明だが足腰はも少し鍛えた方がよいぞ!下り半日はかなりスロー!!

 旧知といえばお隣さんで嫁さんが町一番の美人で長男がミュージシャン兼高校生のじゅんくんにも朝になって遭遇した。剛力もとい強力であがってきたよう、昨夜知ってたらいっぺえやったんだがなあ~

 昨日、富士山を眺めた門前の広場には500人規模の白装束の信者さんが。お題目を唱えつつ御来光を待っている。日を選べば富士山頂から日が昇るダイアモンド富士が見られたのだろうが(いつだったかググるの忘れた、これもイマコに聞こう)。今日は富士山からだいぶ左から昇るよう、うっすらと明るくなってから本体が現れるまでけっこう待たされた。ちょうど空と陸地の境に帯状に薄い雲がかかっていて、そこを抜けるまではちょうど黒い下敷きで日食を見るような按配に。そのベルト地帯を抜けてようやくパーっと光の粒子が。お題目の音量も一段と⬆️。
 
 365日24時間営業の職場にいたので初日の出すら何年も見ていなかった。っても仮に休みだったとしても早々に虎の子の酒を飲んじゃって朝寝坊、どのみち夜は明けているのだが。

 日の出を眺めて戻ると朝のお勤めはまだ続いていた。


 朝食を頂き歯磨きなど出発の支度。味噌汁の入っている手桶(?)にY君とフクちゃんが夜も朝も食いついていた。普段朝飯を食べる習慣があまりないのだがこの時はしっかり頂きました。
 敬慎院から山頂までは一時間といったところ。天気良し、昨夜の睡眠も良し。今日はY君も同道してくれるとの事、50オーバーの初老チームの亀スピードに逆についてこれるのか??
 ナナイタガレのヘリをかすめカラマツ林を進む。相変わらず内ももがもぞもぞする眺めである。程なく山頂へ、標柱がなければどこがてっぺんだか判然としないのも相変わらず。カラマツ林に囲まれて展望はまるで無し。小休止。


 展望は登山の一つの魅力だと思う。七面山山頂から南へ(コースタイムだと)25分、八紘嶺へと続く稜線の中途に希望嶺という小ピークがあって、そこまで行くと南アルプスの展望がばばーんと開ける!日帰りでここまで来るにはそれなりの脚力なり体力が必要だろう、といってもトレランの方々のようにものすげー人はたくさんいるけれど。
 敬慎院のとても丁寧なスタッフの方も言っていたが八紘嶺に向かう稜線は倒木が多い。それもこれも昨年の19号か21号の影響だろう、15年前は至極歩き易い山道だったのだが。記憶は美化されているのだろうか?
 
 天気が良い!よって展望も良い!


 ランドマークはいつも笊ヶ岳。

初めてここから北岳を見たとき、シャープに尖った山容に最初どの山かわからなかった。聖岳の屋根の様な山頂付近は真っ白。4月に雪が降ったしなあ。目線を下げると雨畑の谷。稲又谷の左岸の布引山への長い尾根が目に留まる。行ってみたいような、大変そうだしな~なような。
 この先は八紘嶺まで倒木ガチャガチャで罰ゲームですか地帯との事。この夏は八紘嶺に突き上げる御馬谷を詰めて七面山へ回って帰ろうか、なんてアイデアもあったのだがどうもアイデア倒れになりそう。

 往路を戻る。一度通った路は短く(近く)感じる。さっきみた風景の中を戻るので話題は跳んで北ちゃんのすっとぼけた話とむちゃぶり~Y君の旅の話~に笑っているうちに敬慎院へ。デポさせて頂いていた荷物を受け取る。


 帰ってきて今思うには北参道側へ回り二ノ池や奥の院を眺めるというのもアリだったなあと。車の回収には一工夫必要だが。Y君は公共交通機関で来たのでバス停から近い北参道から登ってきたという。登山口付近に蛭除スプレーが置いてあって20丁目辺りまでは蛭がでるうんぬんとの看板があったという。そうかー七面山にもいよいよやつらが~~。春木川を挟んだ赤沢集落辺りにもかなり出没していると聞いているし。八紘嶺から向こうの安倍奥も蛭の山。七面山も冬に登る山になってしまうのか………。
 やはり往路のつづら折りを戻る。話は異国の地からロシア文学へ。人生(やその他諸事万端)に迷った時はロシア文学、読みやすい新訳がでているというので~すべてY君のウケウリだが。ン十年ぶりに再チャレンジャーしてみようかな~いくつか挫折したままになっているやつを。中高年の迷いに果たして効くか?
 ご婦人というかおばさんというかの二名の膝がカクカクする頃、無事に羽衣へ下山。かくいう自分もふくらはぎに張りが。



 昼過ぎで腹ペコだ、ここはひとつ早川で最も旬な一軒に連れてくべしと『おすくに』へ。ホームページの載せ方がよくわからんので早川、おすくに、月夜見山荘でぜひ検索を!

 蕎麦が相変わらず美味い!時雨煮も美味い、どのくらい美味いかというと午前11時から冷酒をかっくらいたいくらい(時雨煮は)美味い(^^)/斜め隣の方々が食べていた山菜天ぷらも間違いなしの鉄板だろう!たぶん午前11時からビールをかっくらいたいくらいに(^^)/

 お腹がいっぱいになったところで温泉へ。湯島で源泉掛け流しを堪能してお別れの駅へと向かう。横浜、大阪に帰るご婦人(おばさん)二名は上りなんでそんなに待たずに電車に乗れたよう。一方、下り電車ににタッチの差で(車からダッシュしたのだが)乗れなかったY君。実は前の日もチャリ・ダッシュで駅へ行くも予定の電車に乗れなかったとか。きっと小一時間ロシア文学を読んでいた事だろう。

 遠路組二人は無事帰宅、Y君は実は誰もアドレスなりを聞いてなく連絡不能。少し珍しい苗字なんでいずれ目にしたらすぐわかるかな、また(マイナーな)外国の話しを聞いてみたい。