tomiyabiのブログ新垣隆先生のこと

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08Jan
- 予定表（2024/1～）　新垣隆先生
  　公式サイト→　新垣隆　作曲家／ピアニスト (takashi-niigaki.com)）★コンサートその他予定※★★★放送プラットフォーム・シラス「新垣隆の音楽室　シラス版」（有料）　月３～4回放送 2022/8/15から新垣隆の音楽室　シラス版 | シラス (shirasu.io)◆2024/1/21(日）13時30分　新垣隆＆奥村愛デュオ・リサイタル　〜紀の川市　貴志川生涯学習センター新垣隆＆奥村愛　デュオ・リサイタル　～名曲の演奏と楽しいトークで、珠玉の時間を～人が行き交い　自然の恵みあふれる　住みよいまちwww.city.kinokawa.lg.jp■2024/1/21(日）　14時　※新垣隆先生の出演は無し※新垣隆　新作管弦楽作品演奏会　〜豊後大野市総合文化センターhttps://teket.jp/884/29934△△△△2024/1/27（土）13時　シラス（非公式）合同オフ会△△△△〜五反田　ゲンロンカフェhttps://x.com/shirasu20240127?t=HcVFwL6gG3NxADVid6GMMg&s=09◆2024/2/11(日）18時東京国際バリトンサックス・フェスティバル〜SOUND ADVENTURES SPECIAL CONCERT〜吉祥寺マンダラ2　Ｎ/Ｙ（新垣隆＆吉田隆一）Bari-Sax-Fest 2024 — eqcd.neteqcd-net.squarespace.com◆2024/2/26(月）※新垣先生は指揮のみ第10回blue_Tピアノコンチェルトコンクール14時開場〜20時閉演　〜四谷区民ホール入場無料・予約不要・自由席◆2024/3/30(土）17時半開演　8th DONORS FELLOWSHIP CONCERT〜東京ウィメンズプラザ　（渋谷）※下記リンク先より寄付受付　※入場無料（下記リンク先よりチケット申込）https://www.azabulions.com/◆2024/4/13(土）15:20開場／15:45開演　第24回弁士・伴奏付き無声映画上映会　〜川越スカラ座第24回弁士・伴奏付き無声映画上映会 | 川越スカラ座イベント情報みなさま、こんにちは！前回の無声映画上映会でのアンケートのご回答ありがとうございました。もう一度観たい（あるいは見逃しているので観たい）作品ベスト3の発表です！（ドラムロール）2位は同点で2作品！『オペラの怪人』『メevent.k-scalaza.com◆2024/4/23(火）19：00〜　サロンドチェロVol.144 デュオ・オリゴinイギリス館〜横浜イギリス館https://twitter.com/Mikio_Unno/status/1760085827097694285?t=Z__NEHBA7sp0a3J7a9pZ2A&s=19◆2024/4/29(月・祝）15：00〜　磯村大（精神科医）佐々木真（フルート）新垣隆（ピアノ）・レクチャー＆コンサート～大泉学園ゆめりあホールイベントカレンダー | 練馬区立大泉学園ゆめりあホール (neribun.or.jp)□2024/4/30(火）19：00〜　Point de Vue Vol.17〜SCHOLARS AQUARIUSを迎えて〜東京文化会館小ホール　　作曲作品提供　委嘱新作　ホーム | Point de VuePoint de Vue（ポワンドゥヴュ）は作曲家の鈴木輝昭・森山智宏プロデュースによる現代音楽コンサートシリーズである。邦人作曲家の新作発表を中心に、2007年より毎年公演を開催している。これまで集まった様々な作曲家は、語法や様式に共通したメッセージを標榜するものではなく、各々が追求する音楽の在り方・価値観によって相互の視座（＝Point de Vu…www.pointdevuemusic.com◆2024/5/1(水）17：30～　ガルガンチュア音楽祭（4/28～5/5）　「作曲家たちのひらめき大会」　～金沢・北國新聞赤羽ホール◆2024/5/3(金）18：30～　ガルガンチュア音楽祭（4/28～5/5）　「アメリカ無声映画とその音楽」～金沢・金沢市アートホール　弁士・ハルキ　Pf新垣隆　全ページ_0216.indd (gargan.jp)有料・本公演 | ガルガンチュア音楽祭 2024ガルガンチュア音楽祭 2024年のテーマは「大西洋をわたる風〜イギリス・アメリカの音楽〜」。ゴールデンウィークの金沢がクラシック音楽であふれる！www.gargan.jp◆2024/6/1(土）16時開演　21時終演ジェニーハイ出演Yogibo BOOM TOKYO 2024〜幕張メッセhttps://boomfes.com/◆2024/6/2(日）14時開演　新垣隆の楽しい音楽会　〜千葉県南総文化ホール新垣隆の楽しい音楽会 - 千葉県南総文化ホールドビュッシー／組曲「子供の領分」ベートーヴェン／ピアノソナタ第5番作品10-1 新垣隆／ピアノソナタwww.cbs.or.jp△2024/6/7 19時　新垣隆過去作品ありQuatuor B Concert 2024〜渋谷　さくらホール6/7 Quatuor B Concert 2024 - 渋谷区文化総合センター大和田...shibu-cul.jp□ 2024/6/7（福岡公演）, 6/15（東京公演第5夜）IMAGINARC 想像力の音楽　作曲参加（委嘱作品）https://www.imaginarc.jp/◆2024/6/29(土）15：00ｉMUSICA ensemble concert vol.10〜ｉプラザホール（稲城市）https://twitter.com/mimikirako/status/1780192189743808827?t=-P4U5AGGK9C5QGVaZ4YLgg&s=19△2024/7/7 15時　新垣隆過去作品あり〜両国門天ホール双子座三重奏団七夕コンサートスケジュール | 両国門天ホールwww.monten.jp□2024/8/4(日）14：00～　委嘱新作作品　TAIRIK×オーケストラ・アンサンブル金沢～長野市芸術館TAIRIK×オーケストラ・アンサンブル金沢　《ヴァイオリン×ヴィオラ　クラシック×クロスオーバー　二刀流ステージ》 - 長野市芸術館概要普段からヴァイオリンとヴィオラの二刀流を貫くTSUKEMENリーダーTAIRIKの、そのどちらもフィーチャー...www.nagano-arts.or.jp△2024/8/12(月・祝）予定～　広島大学サタケメモリアルホール次回演奏会 | 東広島交響楽団次回の演奏会についてのページです。8/12に演奏会が終了したばかりのため、現在は更新待ちになっています。情報をお待ちください。hhorch.wixsite.com◆2024/8/31(土）トカイナカコンサート2024 歌の大学　＆トカイナカミーティング2024トカイナカコンサート2024 in ときがわ町『歌の大学〜大正浪漫編〜』 - THE LEGEND(ザ・レジェンド)トカイナカコンサート2024 in ときがわ町『歌の大学〜大正浪漫編〜』公演日 2024年 8月31日（土）13:00開演（12:30開場）会場ときがわ町文化センター（アスピアたまがわ）〒355-0342 埼 … "トカイナカコンサート2024 in ときがわ町『歌の大学〜大正浪漫編〜』" の続きを読むwww.opera-legend.comEASTWORKS powered by BASEMusic enriches all people. A company that creates music that can be transmitted from Japan to the world with an inflexible spirit.音楽は人を豊かにする。COMPANYEASTは個性豊かなアーティストとその音楽を日本から世界へ発信…eastworks.official.ec◆2024/9/14(土）9/15(日）コヤブソニックジェニーハイ出演　KOYABU SONIC 2024KOYABU SONIC 2024www.koyabusonic.com
03Oct
- 予定表　新垣隆先生
  　　公式サイト→　新垣隆　作曲家／ピアニスト (takashi-niigaki.com)）★コンサートその他予定※★★★放送プラットフォーム・シラス「新垣隆の音楽室　シラス版」（有料）　月３～4回放送 2022/8/15から新垣隆の音楽室　シラス版 | シラス (shirasu.io)◆2023/2/5（日）　トカイナカコンサート　in ときがわ町（埼玉県比企郡）　　　　　　　　　　　　　　＆トカイナカミーティング　in ときたまひみつきち COMORIVERトカイナカコンサート - 株式会社カンパニーイースト (companyeast.jp)☆☆☆2023/2/8（水）　26：36～　メディア情報　テレ朝他　アルピーテイル　　　新垣隆SP　クラシックの世界へようこそ◆2023/2/23（木）15:00～ Blue-Tピアノコンチェルトコンクール(オーケストラ指揮) ～千歳烏山http://blue-t.jp/archives/2907第9回ピアノコンチェルトコンクール | 八幡山Blue-TProgram 当日のプログラムになります。ご来場大歓迎です。出演者の熱演を聴きにいらっしゃってください。フライヤー当日のフライヤー参加者の締め切りもあり参加曲が決定いたしました。初のホールでの祝日の開催となります。有料になりますが、ご来場お待ちいｔしております。 2023年度日程決まりました 2023年2月14日（火）オーケストラ合わせ2023年2月…blue-t.jp◆2023/2/25（土）　15:00～　林英哲スペシャルコンサート2023『春鼓人宝～しゅんこ・ひとだから～』　　Dream House 大ホール（東大阪市御厨南二丁目3番4号）東大阪市文化創造館 | 林英哲スペシャルコンサート2023『春鼓人宝～しゅんこ・ひとだから～』 (hall-info.jp)◆2023/3/18（土）　14:00～　きりりプレミアムクラシック新垣隆&奥村愛デュオリサイタル　　　三次市民ホールきりり（KIRIRI）　（広島県三次市）きりりプレミアムクラシック新垣隆&奥村愛デュオリサイタル｜三次市民ホールきりり（KIRIRI）◆2023/4/8(土) 12：00～青山月見ル君想フ「2PIANO4HANDS2023」https://www.moonromantic.com/post/2p4h23sp2PIANO4HANDS2023春の開催が決定！出演に新垣隆、芹澤優真(SPECIAL OTHERS)、寺尾紗穂など総勢１６人のピアニストが登場！2PIANO4HANDSは会場のフロアの真ん中にグランドピアノ2台を搬入して2名のピアニストと2台のピアノだけで連日彩る、月見ル君想フの名物イベント。毎回実力派の人気ピアニストが登場し、ピアニストとピアノの魅力を存分に詰め込まれた企画である。会場は2台のピアノをぐるっと囲むように座席が配置され、ピアノの楽しみ方をお客様ひとりひとりが選べるような配置になっ…www.moonromantic.com◆2023/4/9(日) 17：00～弁士・伴奏付き『ノートルダムのせむし男』無声映画上映会～川越スカラ座第22回弁士・伴奏付き『ノートルダムのせむし男』無声映画上映会 | 川越スカラ座イベント情報みなさま、こんにちは！早いもので弁士・伴奏つき無声映画上映会も今回で22回目。ハルキさん、新垣隆さんのパフォーマンスは第1回目から素晴らしかったですが、回を重ねるごとにそれまでのレベルを超えてくるという限界の見えなさ。毎回とてもevent.k-scalaza.com☆☆☆メディア情報　2023/4/20（木）　2：35～3：35　（水曜深夜）　※BS日テレ4/29　朝8：00～　日テレ　読響プレミア　4月放送ナビゲーター：新垣隆　読響プレミア｜日本テレビ (ntv.co.jp)◆2023/4/21(金) 19：00～横浜イギリス館Salon.de.violoncello vol.137デュオ・オリゴ×6大B！？ https://mikio-unno.com/concert/category/salon-violoncello/◆2023/5/2(火）17：30-19：00　　いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭 2023　「作曲家たちのひらめき大会」　北國新聞赤羽ホール◆2023/5/3(水）18：20-19：00　いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭 2023　「新垣隆　民族音楽とは！！」　石川県立音楽堂　交流ホール有料・本公演 | いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭 2023 (gargan.jp)◆2023/5/5(金) 音絵本vol.7コンサート～パルテノン多摩小ホールhttps://eplus.jp/sf/detail/3806180001音絵本vol.7のチケット情報 - イープラス音絵本vol.7のチケット情報ページです。日程、会場情報や料金を確認し、チケットの簡単オンライン予約・購入ができます。eplus.jp◆2023/5/6(土）　ジェニーハイ出演　VIVA LA ROCK 2023　～さいたまスーパーアリーナVIVA LA ROCK 2023◆2023/5/14(日）　ジェニーハイ出演 METROCK2023 ～大阪LINE UP | 出演アーティスト｜METROCK 2023｜メトロック 2023TOKYO・OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2023（トウキョウ・オオサカメトロポリタン・ロック・フェスティバル2023）公式サイト。大阪：5月13日（土）・14日（日）大阪府堺市海とのふれあい広場、東京：5月20日（土）・21日（日）新木場若洲公園にて開催。metrock.jp◆2023/5/27(土） 17:00　爆祭Vol.15～イッキュウ爆誕祭～Vol.19でやれよな～ゲスト：ジェニーハイ～GORILLAHALLOSAKAeplus.jp/bakusai15/◆2023/6/3（土）不識倶楽部シネマクラシックス　vol.1弁士・伴奏付「メトロポリス」無声映画上映会　～富山上映作品紹介 – 不識倶楽部ーフシキクラブfushikiclub.6y6.jp◆2023/6/11（日）　第4回 148オーケストラ　（スペシャルゲスト：新垣隆）　　高崎芸術劇場【第４回１４８オーケストラ】～今までの楽曲ほぼほぼ全部やります～ | 86.3 FM GUNMA【第４回１４８オーケストラ】～今までの楽曲ほぼほぼ全部やります～日程：２０２３年６月１１日（日）会場：高崎芸www.fmgunma.com◆2023/6/23（金）20:00 温故知新つかまつりそろ～　晴れたら空に豆まいて晴れたら空に豆まいてharemame.com◆◇◇2023/7/14～9/26 全10公演ジェニーハイ TOUR2023 クラシックファイブ7/14(金)【埼玉】戸田市文化会館　18:00/19:007/23(日)【千葉】市川市文化会館大ホール　16:30/17:307/29(土) 【大阪】グランキューブ大阪（大阪府立国際会議場）　16:30/17:308/25(金) 【仙台】東京エレクトロンホール宮城　18:00/19:008/29(火) 【愛知】日本特殊陶業市民会館フォレストホール　18:00/19:009/2(土)　【石川】本多の森ホール　16:30/17:309/8(金)　【広島】広島上野学園ホール　18:00/19:009/10(日) 【福岡】福岡市民会館　16:30/17:309/20(水)【北海道】カナモトホール　18:00/19:009/26(火) 【東京】東京国際フォーラム　ホールA　18:00/19:00ジェニーハイ｜楽天チケット (rakuten.co.jp)◆2023/7/2（日）14:30 ベストプレイスダンスパフォーマンス『わざわい転じて…』～パストラルかぞ小ホール (加須市)https://bplace2000dance.wixsite.com/bestplace◆2023/8/6（日）14:00 音楽劇『シミグダリ氏または麦粉の殿』～東京文化会館小ホール(上野)音楽劇『シミグダリ氏または麦粉の殿』《新制作》 | 東京文化会館東京文化会館 | Tokyo Bunka Kaikan -- 東京文化会館は、「首都東京にオペラやバレエもできる本格的な音楽ホールを」という要望に応え、東京都が開都500年事業として建設し、1961(昭和36)年４月にオープンしました。以来今日まで、オペラ、バレエ、クラシックコンサートなど、世界中の著名なアーティストによる名演の数々が繰り広げられ、“奇跡的…www.t-bunka.jp◆2023/8/12(土)ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023 ジェニーハイ出演日ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023ロック･イン・ジャパン・フェスティバル2023公式サイト。2023年8月5日(土)・6日(日)／11日(金・祝)・12日(土)・13日(日)の5日間、千葉市蘇我スポーツ公園にて開催!!rijfes.jp◆2023/9/16(土)・9/17(日) コヤブソニック～ジェニーハイ出演日KOYABU SONIC 2023KOYABU SONIC 2023www.koyabusonic.com2023/10/13(金) 19:00　吉原りえフルートリサイタル　〜大泉学園ゆめりあホールSCHEDULESCHEDULE - 西武鉄道　旅するレストラン　『52席の至福』　　日時：2023.12.24(日) ブランチコース、ディナーコース詳細・予約↓52席の至福HP内容：西武秩父駅から西武新宿駅までほぼfunwari-otokukan.amebaownd.com◆2023/10/15(日) 15:00　こどもオペラおいもさま　～島根県・大田市民会館大ホールこどもオペラおいもさま-大田市民会館 (ohda-hall.jp)◆2023/11/18(土) 　17:00（開場16:30）　　　川越スカラ座第23回弁士・伴奏付き無声映画上映会　「キートンの蒸気船」第23回弁士・伴奏付き『キートンの蒸気船』無声映画上映会 | 川越スカラ座イベント情報時間と料金、予約日、作品情報をUPしました！（10月23日）----------------------------みなさま、こんにちは！いつも大大大大好評いただいている、弁士・伴奏付き無声映画上映会の次回開催日が決定しました！event.k-scalaza.com◆2023/12/2(土) 14:00 ソプラノ酒井紀子リサイタル・昇天ライブhttps://www.suginamikoukaidou.com/event/8414/　◆2023/12/7(木) 18:30　新垣隆✖QREHA Strings　～旧・東京音楽学校奏楽堂（上野）新垣隆氏の「ゴースト」をテーマにした最新作を世界初演桐朋学園富山キャンパスの教え子・弦楽五重奏団との初共演！有限会社ルミアデス・ソリューションのプレスリリース（2023年9月13日 15時）。作曲家・新垣隆のゴーストライター騒動から10年…「新たなるゴースト」を携えて桐朋学園教え子の若手アーティストからなる弦楽五重奏団QREHA Stringsと饗宴を繰り広げる。新垣隆・最新作トリオ「幽霊の主題による新作」世界初演！新垣隆・14歳時の傑作「ピアノのためのソナタ」…www.value-press.com◆2023/12/14(木）18:00観る・学ぶ・楽しむえどはくスペシャル公演「弁士とピアノ演奏付き無声映画」〜東京都国分寺市立いずみホールhttps://www.edo-tokyo-museum.or.jp/sp/event/special-performance/37318/edohakuspecial_2023_silentmovie/1◆2023/12/16(土）14:30廣津留すみれと新垣隆の深堀り音楽実験室〜ベルサール虎ノ門https://www.takashi-niigaki.com/hirotsuru-niigaki-20231216◆2024/1/21(日）13時30分　新垣隆＆奥村愛デュオ・リサイタル　〜紀の川市　貴志川生涯学習センター新垣隆＆奥村愛　デュオ・リサイタル　～名曲の演奏と楽しいトークで、珠玉の時間を～人が行き交い　自然の恵みあふれる　住みよいまちwww.city.kinokawa.lg.jp■2024/1/21(日）　14時　※新垣隆先生の出演は無し※新垣隆　新作管弦楽作品演奏会　〜豊後大野市総合文化センターhttps://teket.jp/884/29934△△△△2024/1/27（土）13時　シラス（非公式）合同オフ会△△△△〜五反田　ゲンロンカフェhttps://x.com/shirasu20240127?t=HcVFwL6gG3NxADVid6GMMg&s=09◆2024/2/11(日）18時東京国際バリトンサックス・フェスティバル〜SOUND ADVENTURES SPECIAL CONCERT〜吉祥寺マンダラ2　Ｎ/Ｙ（新垣隆＆吉田隆一）Bari-Sax-Fest 2024 — eqcd.neteqcd-net.squarespace.com新垣隆:交響曲《連祷》 -Litany- (2016年福島市音楽堂、ライヴ)Amazon（アマゾン）2,200円音楽という＜真実＞Amazon（アマゾン）1,144円
20Jul
- 2020/7/19　大阪音大にてミニコンサート
  有為転変の世。しかしまさかこのような禍々しき状況になるとは、昨年末にブログを書き込んだ際には予想だにしませんでした。楽しみにしていたコンサートも中止・延期。大宮ソニックシティ大ホールで聴けるはずであった「新生」も、聴くこと叶わず。そんな失意の中、ありがたくも開催された7/19大阪音楽大学オープンキャンパスでの新垣先生のミニコンサート。（新垣先生は、本年度より大阪音楽短期大学作曲デザインコースの客員教授）ｙｏｕｔｕｂｅライブ生配信があったのですが当方時間失念し、遅れて慌ててチェック。幸い数時間はアーカイブで視聴可能だったので助かりました。。自分の備忘録の為そして見逃した方の為にも、記憶の範囲ですがまとめておきます。とても素晴らしいコンサートでした。7/19（日）大阪音楽大学オープンキャンパス　新垣隆先生ミニコンサート曲目（順番、中盤の記憶が曖昧です。ジェニーハイと猫の物語が逆だったかもしれません。）◇プレリュード◇コーヒー豆の即興曲◇カフェにて◇ジェニーハイ「片目で異常に恋してる」6音の音列変奏◇猫の物語（猫のおいかけっこ）◇ベートーヴェン　ピアノソナタ　（作品10-1）◇お別れされたお母様に捧げる曲①出だしのプレリュード。昨年来コンサートの折々によく演奏された先生作プレリュードですが、その都度少し変化されていると思います。プレリュードは指慣らし、と以前仰ってましたが、毎回ですが指慣らしなんてとんでもない、しかも序奏というよりいきなり滝の中に放り込まれるような音の自由な奔流。後で講師のお一人から、度肝を抜かれたとのご感想あり。講師の方曰く、通常、音楽は時間の芸術、時間の進行があるものだが、この曲は時間軸を失くしての響きであり驚いた、とのこと。時間を操る現代音楽。現代音楽家新垣先生の本領部分です。②音楽は何かを表現可能である---との実演で、コーヒー豆を現す曲。ポツンポツンとした豆を彷彿とさせる曲。③更にそれを変化させドラマ的色彩を加えることで「カフェにて」。https://youtu.be/WAzXE7t-uaU（※尚、こちらの鎌倉の歐林洞カフェは6/20でとても残念ながら閉店されたようです。）④ジェニーハイの「片目で異常に恋してる」のテーマの6つの音を始めに示され、その音列を解きほぐして組み立てし直し、同一の音世界の枠の中で新たに構築された曲を演奏。美しい技術。「家で音をいじくってみてください」と参加生徒さんへアドバイス。幼い頃から、好きな曲の響きを探るため、ピアノで音を一つ一つ確かめていったという作業を（こよなく愛し）作曲の身体的感覚を醸成していった新垣先生からの、作曲家を目指す生徒さんへの具体的アドバイスです。この時「片目で～」の歌詞について面白いご発言あり。「（歌の内容は）嫌われるかもしれない、で、愛想つく、あいそつか、、あれ、、（しどろもどろ笑い）愛想つく、という歌」　？う-ん、そうなのかな。ちょっと違うような気もしますが過去にも金沢で青島先生にこの歌の意味を聞かれた際に、2分ぐらいステージ上で考え込んでしまった新垣先生。今回は誰に聞かれた訳でもなくご自身から説明されたのですが、そうですね～作曲は容易くもリリック分析は難問ということでしょうか。。解釈は人それぞれですしね。（因みに自分は、愛想尽かしたふりをしてしまう青少年の恋と羞恥と自尊心の揺らぎと分析(笑)。川谷さんの詩は深いですからねえ）そして「今は5歳の子がこれを歌う」と仰ってたのは、どういう意味だったのでしょうか。⑤猫の追いかけっこ（猫の物語）ラジオ番組や過去のコンサートでも度々演奏された曲。ビートたけしさんと国分太一さんの番組内でも部分的ですが演奏されたことがあります。その際はたけしさんが、「アニメの曲のようだ」と感心されておられました。小学生の時に作った曲。大好きだったストラヴィンスキーやバルトークの曲に倣ったとのお話。⑥ベートーヴェン　ピアノソナタ　（作品10-1）18～19世紀の「ソナタ」という形式についての提示曲。おそらく作曲科であれば外せない基礎知識となるのでしょう。ピアニストとしても超一流の腕前披露。ですがいつもの如くご謙遜され、「時間の関係と、演奏に自信がないので」前半だけの演奏でした。素晴らしい演奏。⑦そして一番最後にご本人が「準備してきました」という曲。お母様が5月に天国へ旅立たれたことについて、普段はご自身のことは全くと言って良い程、語ったことの無い新垣先生が、「個人的な事ですが、最近母と、お別れしました」と切り出されました。「幼い頃自分はピアノを母から習いました」「母はピアニストという訳ではなかったのですが、保育の資格を取るためにピアノを練習していました」「母と二人で一緒にバイエルを練習していました」「これから演奏する曲は母に。　母が好きだったバイエルが最後に少しでてきます」始まった曲は、（まるで隣にお母様がおられるように）やさしく手をクロスして弾き始められ、清く澄んだ西欧の旋律はどこか日本の唱歌が思いだされるような懐かしさを含み、柔らかく包容する響きの美しさが、最後までやさしく麗しく。穏やかな表情で演奏される新垣先生。胸を打ち、言葉を失ってしまうほどの、愛に満ち溢れた曲でした。
04Jan
- 新垣先生とオーケストラ
  1週間ほど前の2019年12/28、沖縄にて琉球交響楽団と新垣先生の共演がありました。「第5回沖縄国際音楽祭　第九inOKINAWA」第１部の演目にピアノ演奏者としてのご出演。演目はモーツァルト：ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271『ジュノム』モーツァルトの甘くかわいい軽快さを、繊細なタッチで美しく表現されておられました。琉球交響楽団の統一された響きと相俟ってゆったりとした至福の午後の鑑賞のひととき。この曲目選定はもしかしたら本音楽祭第２部のベートーヴェン交響曲第九に繋げての第9番繋がりだったのかもしれませんが、あるいは新垣先生にとっては弾き馴染んでおられる曲目との理由からかもしれません。モーツァルトピアノ協奏曲第9番は、2018/5/3　「金沢　風と緑の楽都音楽祭」（モーツァルトがテーマの年）においても新垣先生のピアノ演奏で披露された曲目です。この時のオーケストラもまさしく絹の響き、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団。ふと、これまでに新垣先生はいくつかの素晴らしいオーケストラと共演された事を思い出し、今回は過去に共演したオーケストラと曲目を記録してみます。①琉球交響楽団　　「モーツァルト：ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271『ジュノム』②ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団　「モーツァルト：ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271『ジュノム』③オーケストラ・アンサンブル金沢　　「ピアノ協奏曲　新生」④ネフスキー・オーケストラ　「ピアノ協奏曲　新生」（ロシアコンサート『ともだち』版）⑤東京フィルハーモニー交響楽団　「モーツァルトピアノ協奏曲第20番第2楽章」⑤東京室内管弦楽団　「ピアノ協奏曲　新生」や「交響曲　連祷-Litany」⑥東広島交響楽団　「ピアノ協奏曲　新生」や「交響曲　連祷-Litany」⑦ニッポン・シンフォニー　「ピアノ協奏曲　新生」等又、アンサンブルグループとして⑧アンサンブルグループ奏楽　「ピアノ協奏曲　新生」等⑨Opus.７　　「ピアノ協奏曲　新生」等と、２０１５年以降思い出す限りですがこの沢山のオーケストラと共演。（共演はせず作曲作品提供も多々あり、特に思い出すのは、チェコ国立室内管弦楽団パルドヴェツェへ提供の作品『弦楽オーケストラとフルートの為のFNM』）（また他に吹奏楽団への吹奏楽曲もありますがそれは又別途）更に、ご謙遜家のご本人が声を大にして語らないのですが、実は13、14歳の天才少年時代に既に東京フィルなどの名門と共演済みという華々しいご経歴あり。●1984年（13歳）　東京交響楽団と共演　ガーシュイン　ラプソディ・イン・ブルー●1985年（14歳）　東京フィルハーモニー交響楽団と共演　モーツァルトピアノ協奏曲第26番第3楽章　等々演奏家として華々しいキャリアです。ところが、新垣先生は本職「作曲家」確か金沢でザルツブルクのオーケストラと共演した際でしたが、司会の方が感心されて仰いましたが「演奏家として専門で練習している訳ではない、新垣さんは作曲家。なのに、ちょっとやると（モーツァルトのコンチェルトが）一流にできてしまう」という稀な天才ぶり。又作曲家だからこそ、構造的に曲を演奏し得るので多くが見習うべき演奏法となると、故中村紘子氏談あり。なので多くのコンサート主催者にとっては、一流のピアノ演奏も、作曲も、オーケストレーションも、音楽監督もお願いできてしまうという重宝過ぎる人材となる訳です(*´з`)最近はロック（ポピュラー）バンドのジェニーハイの一員としてキーボード演奏もされておられます。鮮やかに曲に彩りや煌めきを添える一流のピアノ演奏に、「キーボード最高すぎる」と感動する方々続出も、本当に当然ながら素晴らしい事。そして、今年2020年はまたもや素晴らしいオーケストラとの共演予定があります。2/23　第3回まほろばプロムナードコンサート　新垣隆＆鍵盤男子ピアノ協奏曲コンサート　　　　奈良県文化会館　国際ホール　　奈良フィルハーモニー管弦楽団と共演　ピアノ協奏曲「新生」5/29　第119回さいたま定期演奏会　日本フィルハーモニー交響楽団　　　　ソニックシティ大ホール　ピアノ協奏曲「新生」楽しみです。
06Oct
- いくつかの証言
  9/29にAI美芸展なる企画催しが東京藝術大学の一室で開催されました。AI美芸研（人口知能美学芸術研究会）主催の、題して「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」展の特別企画としてのシンポジウム。展覧会は数か月前から目黒で開催されていたことは自分も知っておりましたが、そのタイトルから受ける一種あざとい印象から、行ってみようという気にはちょっとなれなかった。しかし今回の催しには中川俊郎先生や川島素晴先生が出演されたという事で、YouTubeにアップされている動画をチェックしてみました。結果は、案の定ですが沸々と沸き起こる怒りの念に捕らわれ(^^;常々自分は自らを温厚なおばちゃんと自負しております('_')が、これはいくら何でもと看過できない大きな齟齬。事実をよく把握されておられる川島先生や中川先生のご発言にやっと溜飲を下すまで、気が高ぶっておりました。しかしなぜそうなるかというと、やはりきちんと物事が伝わってないからだ----と気づいた故の本稿です。稚拙ながらも伝える大切さです。主催代表からの講話。S氏の「指示書」について次のように位置付けておられました。（言うまでもなくＨＩＲＯＳＨＩＭＡ（現代典礼）作曲発注の際の指示書です）曰く「アーティスティックな指示書」。（？？）曰く「芸術至上主義をきちんとちりばめたかなり思想のつまった指示書」で（間を端折ると）それは人間の美学であると。　（？？）曰く「作曲における創作とは何かというと、作曲＝記譜、演奏＝解釈」で「作曲＞演奏」であるとの二元論が、「この指示書は作曲を「発案＝指示、「解釈＝記譜」に更に二分するもので、結論として「指示＞記譜」であると　（？？）それはご自身が作ったコンピュータープログラムから実行表示した作品の創作について、ソースと実行の優位性を語るにおいて「ソース＞実行」との帰結に当て嵌めるためでしょうが、かなり強引な理論。「Ｎ・Ｓ（敬称のない呼び捨てで当事者を語っておられました）のコラボレーションスタイルとしては、Ｓが美学に相当し、Ｎが技術に相当する」その構図を前提として、美学＝人間、技術＝ＡＩとした場合の状況検証をしたい会だった訳です。意識を持つ強いＡＩだったら著作権がどうだとかＡＩに芸術が作れるかとか。（テーマが壮大過ぎるためですが、終わり近くに一人の出演者の方が指摘されたように、結局機械には心がないわよねえというおばちゃんたちの会話に過ぎないような終着）要はこの講話をした方は、作曲イコール記譜としか見ていないのです。そしてあろうことか例の指示書を人間の美学（創作としての作曲）と捉えているのです。それに対してわざわざ反論しなくても皆さん分かり切っている話なのでしょうが、しかし伝える大切さです。目で見たモノには、周辺の状況を知らないと正しく見えないことが多いですから。結論を先に。川島素晴先生がこの会で述べられたいくつかの証言です。「新垣隆の仕事はＡＩ作曲家にはできない。代替可能なものではなかった。」「（個々の人間を見た判断がなされた曲作り等）新垣さんはそのレベルの作業を微に入り細に入り行っている。ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ（現代典礼）には少なくとも人工知能作曲家というレベルには成し得ない作業が８割以上含まれている。」更に「指示書にある、ペンデレツキの交響曲第2番を超えている」従って「（ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ）がヒットした背景はある。（新垣隆の仕事ゆえである。）駄目な人を雇っていたら駄目だった。（ヒットしなかった。）人は騙しきれない。」ここで新垣先生の人物像という大前提を抑えて頂くことがポイントです。（知らない方の為に）・４歳からピアノ。小学校2年でショパンの幻想即興曲の楽譜を見て驚き興奮する。楽譜の図形・模様に圧倒され特別なものを感じる。・黒々とした音符がたくさんある楽譜が特に大好きでシューベルトの幻想曲など真似をして書き写すことに喜びを感じていた。・ヤマハに通いつつ小２頃には自身でも作曲をして譜面を書く。小５ではコンクールで優勝する曲を書く。管弦楽法の本など小学校高学年で読み独学でオーケストレーションもマスター。ほぼ独学、小６でオーケストラ曲を書く。誰かにやれと言われているのではなく、とにかく音符、楽譜が大好きで大好きでその作業を自ら進んでしてしまう。そこに喜びを感じるという正に音楽を愛し音楽に愛された天才です。（ついでにピアノ技術も、中学生で東京フィルと共演する程の達人）かつ記憶力も半端なく秀でておられます。おそらく一度聞いた旋律は忘れない。対位法など音楽理論についても、新垣先生の高校時に教示された中川先生は、彼はある程度一人でできてしまっていたと以前お話されていたように、独学で殆どマスターされておられます。理由：とにかく楽譜が大好きだから。幼児期からこの通りの人物という周辺状況を鑑みれば、現代典礼作曲の際にも、その複雑さを伴う作業に「興奮していた」「喜んでいた」（川島・中川両先生の証言）のは理解するに難くないものです。ついでに言うなら、この会でも「ゴーストライターは結局お金の問題でしょう」と質問された方がおられましたが、上記の人物像を見て頂ければ全く違う事を気づいて頂けると思います。＜僕は出来ないのでオーケストレーションしてもらいたい＞＜いいですよ。面白いし＞曲完成してから＜これは自分の名義にしたい＞＜別にいいですよ、面白かったし＞経済の事は全く関心がなく（その後のゲーム音楽も無報酬）、純粋に曲作りを楽しむ音楽の天才の思考が、前提の人物像を思えば解っていただけると思います。普段経済の事しか関心がない我々一般人にはなかなか理解及ばないのですけれどね。作曲の際には、素材となる音から一つの世界を構築する。「HIROSHIMA」（現代典礼）では、昭和ヒトケタ世代の高名な作曲家の邦楽的な旋律（曲のDNAたる命の設計部分です。発注者はこれを知らない）をテーマとして、音の山を崩したり反対から成型したり過去の自作の作品との繋がりを構築したり。（更にまだまだ未発掘の多くの引用の秘密も）。それを音楽の決められた書法にはめ込み、時に逸脱したり、あらゆる技法を駆使して一つの音世界を創造していく。３０段を超える音を頭に鳴らしながら。これが作曲であり、それは単なる「記譜」ではないことは誰でもわかる事です。この作業を人類が行う「創造」＝人間の美学から発せられる芸術と呼ばずに、発注書が美学であり創作であって、この作曲はその下に置かれる技術にすぎないとの前提はまったくもって理解不能。その発注書であるいわゆる指示書について。記載されている、音量を指示しているグラフのような図形は、Ｓ氏の一からの創作ではありません。HIROSHIMAより以前に作られたゲーム音楽の制作時に、新垣先生が作った曲の流れや展開を、他者からの質問に答えられるよう、譜面の読めないＳ氏より請われて新垣先生が書いて提示した図形を、この時にＳ氏が真似しなぞらえたものという事です。何分頃にどうなってという、二人の打ち合わせ上で伝達が早い便利なツールという事でしょう。又、真偽の程ははっきりしておりませんが書いてある字はＳ氏奥様の字体との証言も奥様の母からあったようです。（ガセならごめんなさい）勿論、補助者がいたとしてもＳ氏なりに本を読み勉強をされいくつかの文章で希望を表示されたことは事実でしょう。ただしそれは「イメージ」です。素人の私にも書けます。発注書というのは、例えば、今日は魚弁当１０個と洋食弁当８個で、2万円で。というものと同じです。その魚弁当や洋食弁当を素材にこだわり味にこだわり調理する。（弁当では余り美しくない例ですね(^^;）　では、例えば赤い花を半分、白と青を残り半分でと注文用紙に書く、しかし実際に花束を作る人のセンスによって美しい花束が作られるわけで、その注文用紙が創造そのものであるとはとても言えません。例え、それがなかったら花束は出来なかったとは言えど。中川先生が「魂」の話をされましたが、例えばこういう経済的目的の発注書を書く際に、魂を込めて書く人はいないでしょう。件の指示書にしても、Ｓ氏の背伸びしたい気持ちが入っているとしても、もともとの目的は発注書であることに変わりなく、魂をこめて（集中力の限りを尽くして神の（宇宙の）原理に触れようと思う心で）芸術作品として書いたわけではないでしょう。先に書いたように、ＡＩ作曲家を目的関数の書き手、「実行」とし、人間の指示を「ソース」として、ソース＞実行の構図にＳ氏、Ｎ氏の構図を当て嵌めたかっただけなのでしょうが、破綻している前提から何を導こうとしているのか謎でした。意志ある強いＡＩが成す芸術の話であれば、特にこの「Ｓ氏がもしＡＩ～」というテーマも不要だったのでは。尤も講話後半では、「美学」は単に「意識」の置き換えとして語られ、「技術」を本来の意味としてのアート＝「芸術」とし、S氏指示書は美学としての「意識」でN氏作曲行為が「技術」＝「芸術」とも分類したようでしたが、前段では指示書を発案としての「作曲」の範疇で分類しており、整合性無き前提破綻。何もこの発注書を「美学」と打ち立てなくても、今回のシンポジウム内容であれば率直にすっきりと「AI作曲家はN氏作曲『HIROSHIMA（現代典礼）』が創れるか」とすれば良かったのでは。尚、今年初めにテレビ東京で新垣先生とＡＩとの作曲対決という番組をやっておりました。この番組のＡＩの精度はあまり高く無かったようですがどちらの作曲が良かったか聴衆に問うという対決、結果はやはり人間・新垣先生の圧倒的勝ち。川島先生が仰られたとおりです。レベルが違う。彩りが全く大人と子供程の差。それはきっと受け手の人間も一定でなく常に変化しているから。ＡＩに積み上げられたデータだけでは役に立たないからでしょう。今日は空気がきれい、湿気が多い、ニュースでいじめをやっていた、消費税が上がった、好きな人に褒められた、家族に文句を言われた、ケーキが美味しかった、明日に期待している、その一つ一つ違うだけでも聴く曲の感覚は異なってしまうもの。そこを嗅ぎ取り、今ある技術と何かしらの感覚をもって創造できるのが人間作曲家でしょう。（その同等ＡＩ登場はやはり300年ぐらい先では？）そして新垣先生の場合は膨大で確かな記憶力から、全ての曲は何らかの焼き直しとご自身の記憶の範囲で察知されてしまう。例えば誰かの鼻歌すら、それはシューベルトの何番の出だし、と判別されてしまう。きっと。だからこその、曲に込めるあらゆる引用。意味のある引用の秘密を込めた曲の構築が多分新垣先生オリジナリティ。で、それはＨＩＲＯＳＨＩＭＡ（現代典礼）にしても、連祷にしてもまだまだ解明されておらず、なのです。（どなたかお願いします！）最近ショスタコーヴィチの最後の作品「ヴィオラ・ソナタ」に15の交響曲が全部引用されていることを発見した人がいるそうです。３０年以上誰も気付かなかった。新垣先生の曲の多大な秘密も、解明されるのは３０年後でしょうか。（脱線しましたが、ここまで書いてようやく気持ちが静かになりました。)【というか、改めて読み返してみるとクドクドと何を言いたいのかさっぱり分かりません(^^;結論とか言っておいてちっとも結論ではないし。簡単に、言いたかったのは、①あの指示書を美学というのは止めて-！①習作といっても新垣隆の技量をご本人が誠心誠意（楽しんで）詰め込んだ秀逸作品だからHIOSHIMAは素晴らしい作曲作品になったのです！という事を言わずにはおけないただのファン心理なのでした。<(_ _)>】
29Sep
- サンクトペテルブルクの思い出　2018/10
  今更ながら1年前の記憶を記録です。２０１８年最大の思い出となっているサンクトペテルブルクへの旅。ちょうど１年前です。時々日が差す明るい曇り空でした。予想より寒く無く、東京の中秋から晩秋ぐらいの印象。因みに、コンサート前日までずっと雨だった、この時期に晴れたのは珍しいと現地の日本人関係者の方の談。2018年10/1　サンクトペテルブルクの歴史あるオペラとバレエの殿堂・マリインスキー劇場・新館にてＭａｙJさんのフルオーケストラコンサート。新垣先生はピアノ演奏で共演及び演奏曲全てのオーケストレーション（編曲）という大仕事。全20曲の曲目は次の通りです。（記事より）1 Sparkle ー輝きを信じてー2 ふたりのまほう3 I Will Always Love You4 Time To Say Goodbye5 母と娘の10,000日～未来の扉～6 本当の恋7 Have Dreams!8 愛燦燦9 ふるさと10 AVE MARIA11 異邦人12 Faith13 I Dreamed A Dream14 So Beautiful15 Garden16 RAINBOW17 SIDE BY SIDE18 My Star～メッセージ～ 19 My Heart Will Go On20 Let It Go演奏は地元サンクトペテルブルクの交響楽団ネフスキー・オーケストラ指揮はセルゲイ・ポリャニチコピアノ：新垣隆曲のアレンジをするにあたり、（全２０曲ですから、ご多忙の中多くの時間を費やされたようです）後日のインタビュー記事で新垣先生曰く「余り色々な事をやってはいけない。その中でアレンジャーとしての想いを乗せる醍醐味」原曲の流れを損なわずに、しかも巧妙に意味ある細工が施された結果、非常に感動的で素晴らしい楽曲の数々となりました。ＭａｙJさんも「素敵な旋律がとても新鮮で歌いながら感動しました」と仰ってましたが、例えば、本来日本的な郷愁誘う「ふるさと」にはストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」が最後に余韻のように見事に組み入れてあったりして、言うなればロシアで聴くどこかロシア的郷愁漂う日本のポピュラーソング。ＭａｙＪさんの美貌と完ぺきな歌声とともに、彩り豊かな楽曲の数々に、ほぼ満員の聴衆は魅了されておりました。尚、それだけではなかったのです。前半の終わり、Ｍａｙ Jさんが舞台袖に去り、休憩なのかなと思った瞬間です。自分にとって忘れられない１音が、妖しく鳴り響きました。予期しなかったことが。なんと2015年作・新垣隆ピアノ協奏曲「新生」が、このネフスキー交響楽団との演奏で突然始まったのです。これには驚き、感動で自分は固まってしまいました。その時のツイートにその興奮が表れております。「サンクトペテルブルクに響き渡る新垣隆「新生」！ May J.さんの歌の合間のオーケストラタイム。いきなりあの挑戦的な1音が鳴ったときはぞくっとし、ロシアのオーケストラ奏者が従い奏でる様にはグッとくるものが。短縮版ですが1楽章から最後3楽章終結にて披露、ブラボーの喝采。感動的でした。「新垣先生の自伝（にある）、少年期に憧れたというストラヴィンスキーや、作曲の姿勢もある種自身と重ねてリスペクトされているショスタコーヴィチ等の、当に基のこの地で、彼らの後継者たる若き奏者たちを従えて、自らの曲を演奏された。記念すべき日。またそのネフスキーオーケストラの皆様の雰囲気がとても良く、この自分の感動を助長するに余りある魅力があったのです。若く姿勢正しき品格ある第1ヴァイオリン男性奏者。新垣先生の迫力あるピアノ演奏を心から楽しんで笑顔を見せて演奏している第2ヴァイオリン男性・女性奏者等々。息をふうっと吸ってしなやかにたわむように空気に入り込むように演奏する西洋の美技を持つ奏者達。協奏曲ですから、ピアノがリードして管弦楽が追随していくような形態。しかもピアノ演奏者は作曲者。新垣先生が、この歴史と伝統ある、かのサンクトペテルブルク音楽院（ストラヴィンスキーの先生のリムスキ―・コルサコフもショスタコーヴィチも学び教鞭をとった）の目の前で、上記ツイートのように彼らの後継者のようなロシアの奏者を従えて、「新生」を演奏している。それだけでも感動です。極めてロシア的に響く「新生」。ロシアの観衆の大喝采をもって終了しました。第1楽章と第3楽章の終わりを繋げた短縮版（今回の披露題名は「ともだち」）でしたが、本当に迫力と気品のある演奏でした。コンサート会場はマリインスキー劇場の新館で2013年に完成した近代的な建物。緑の本館の裏手のガラス張りの建物。内部もゴールド色の壁とガラスの装飾が美しかったです。（リムスキ―コルサコフ像。マリインスキー劇場の目の前。サンクトペテルブルク音楽院は改修中でした。）後日、雑誌にシュールなエッセイを投稿された新垣先生。その中にコンサート翌日の想いがありました。抜粋です。「……コンサートの余韻が未だ醒めやまない。協演したロシアのオーケストラのメンバーたちの事も頭から離れない。……これからマリインスキー劇場でオペラ公演がある。………演目はグノーの『ファウスト』。三時間くらいの上演の間、自分は舞台は殆ど見ずに、目をつむって聴いた。バス歌手だったストラヴィンスキーのお父さんは、かつてメフィストフェレスを演じていた。この舞台で。」※１００年後に、誰かのエッセイで同様に語られるでしょうか。（妄想）日本の新垣隆氏はかつてここで演奏した。ピアノコンチェルトを。この舞台で。　http://www.wws-channel.com/music2/105245.html/attachment/mayj-2?pg=105245&mv=0
15Aug
- 有田クラスパの新垣先生②
  二日目の有田クラスパ。２日目は、暑さに弱い自分(^^;はぼーっと怠けていたので、詳細な記憶が殆んど残っておらず、ただの徒然草紙になっております。<(_ _)>始まりはワークショップ「新垣先生のＭａｄｅ in 有田塾」レジェンド吉田知明さんの素敵なフルート演奏や篠笛ＥＤＩＳＯＮさんの風趣ある演奏に合わせたピアノ伴奏。そして有田椀琴楽会の皆様の演奏。有田椀琴楽会は平成元年創立との事。グラスや鐘の音とは異なる、ふくよかさがあってどこか落ち着きます。もしかしたら現代音楽との相性も良さそうですね。今後もコラボがあったら又聴いてみたいですね。この後ホールのステージではレ・フレールｗｉｔｈ鍵盤男子の組み合わせシャッフルあり連弾ありの大盛況パフォーマンスがあり、新垣先生は客席から楽し気に観覧。片足を上げて客席の拍手を呼び込む技をご自身も取り入れようと、、思われたかどうかホール最終ステージはオールスター勢揃い（和太鼓の方々以外。泉山の準備が大変でしょうし）という事で、観客も暑い通路に早くから並んで満員。リハーサルが押したとの事で20分ぐらい開場が遅れました。２日で１３公演もあると、直前に合わせる事もたくさんあるのでしょう。妥協なき詰め。ですのでステージは本当に圧巻でした。前日同様レジェンドさんの客席降臨で出演者入り乱れ興奮も最高潮。最後は新垣先生指揮の焱の歌で場内オールスタンディングオベーションで終演。そして有田クラスパ最終ステージ、泉山磁石場野外ステージでのグランドフィナーレこちらもリハーサルが押しているとの事で開場が遅れました。まだ高い日差しの中並んでいると、良く響く音響で歌声が聴こえており、更に妥協なき詰めをされているアーティストの気構えを感じました。観客は暑さの中汗を拭いつつ１時間ほど楽しみを待ち立ち尽くし、そうまさしくこれは、フェス！クラシックコンサートのかしこまった世界から逸脱しております。Ｔシャツとタオルとうちわの真夏のフェス。有田スパークという趣旨を肌で感じつつ、幻想的風景の磁石場で最後の音楽の堪能です。レ・フレール、吉武大地さん、ＥＤＩＳＯＮさんと進み、ＥＤＩＳＯＮさんの篠笛の伴奏に新垣先生登場。このあたりで日も落ちて、ライトアップが映えて幻想的な風景に。引続き新垣先生のソロ。冴えわたる月と幻想的な岩とピアノ。何か、孤高のピアニスト、と表現したくなるような新垣先生の姿。絶好のロケーションです。即興演奏は新垣先生作曲のくまモンのワルツこと「子ぐまのワルツ」をベースに「友人であるくまモン、そして川谷絵音さん」の曲も引用するという事で、「私以外私じゃないの」や、ジェニーハイの「片目で異常に恋してる」のフレーズを上手く忍び込ませた美しい即興演奏を披露。その後大井さん、鍵盤男子、レジェンドと続き盛り上がりも最高潮に達して、最終演目に林英哲＆新垣隆「死と乙女」。ＮＢＡバレエ団の委嘱により２０１６年に初演の新垣隆作曲「死と乙女」。バレエ音楽なので実際の演奏時間は長大ですが、コンサート用短縮版を2017年に林英哲さんのコンサートでサントリーホールにて、２０１８年に石川県白山の「白山国際太鼓エクスタジア」にて披露。大きな反響がありました。特に昨年の白山での演奏は、終了後に観客はしばし茫然としてしまうほどの衝撃があり。その都度、曲の編集が少し異なるようです。今回は、主要テーマのいくつかの旋律が均等に打ち出されていたバージョンのように感じました。和太鼓の鼓動は自分自身の体内のリズムとなり、その上を走る狂気的な旋律。１００年前には考え及ばなかった西洋と東洋の楽器が織りなす異世界。泉山磁石場の風景と相まった幻想性を堪能しました。たった２回ほどの打合せで静と動の切り替えの入りのタイミングも息ぴったり（プロですから当たり前なのでしょうが）で、林英哲・新垣隆、今後も是非聴きたいコラボです。今回この演目を入れられたスタッフ様に感謝です。最後は全員による焱の歌大合唱にて終了となりました。この日の野外エピソードで、レジェンドさんの闘牛士の歌が始まった時に、バリトン菅原さんのマイクの不具合があり、要のバリトンの声が会場に届かなかったハプニングがあったのですが、曲が終わり、時間の押しもあるしそのまま流れていくのかなと思った時、カンパニーイースト社長堀越氏が、もう１回、と、すばやいご英断で駆け込んで指示を出され、鍵盤男子さんが明るく飛び出して「もう１回--！」レジェンド吉田さんが「鍵盤男子が無事おわったとこから--笑」で聴衆は最高の高揚感を与えてもらい、直ったマイクでバリトンの第一声が響いたと同時に会場全体が最大の盛り上がりをみせた瞬間、最高でした。　２日で１３公演、やることは多くとも音楽を貶めてしまうことは許せず譲らず。この有田クラスパ、企画の立役者、社長様のご苦労は大変だったと思います。そしてもう一人の立役者、音楽監修から最多出演まで務めた新垣先生。どこまでも人に協力的で（曰く桐朋時代のお仲間）、常に依頼以上の完成度をもって応える（曰く作曲家のお仲間）新垣先生。ただ、1日に５公演、激しい打鍵の演奏の後にも学術的な解説付き演奏など、やりすぎではないのかやらされすぎではないのかと率直に伺いましたところ、「いやいややっていると、駄目なんです。いやいやだったら、身体ができなくなっている。いやいやではないから、出来るんです。」何処までも音楽に対してタフで挑戦的な新垣先生の有田クラスパ、たくさんの感動と共に終幕です。
13Aug
- 有田クラスパの新垣先生①
  ハードでこれ以上無いほど盛り沢山、充実した3日間でした。出演者も観客も。九州・有田で8/9・8/10開催されたクラシックスパーク音楽フェスティバル、称して有田クラスパ。翌日8/11の有田町観光や9日夕食時の演奏や10日のアフターパーティーとイベントも多かったフェス。カンパニーイースト所属のアーティストである　ザ・レジェンド・鍵盤男子・西尾周祐そして新垣隆。及びゲストアーティストのレ・フレール・吉武大地・ＥＤＩＳＯＮ、スペシャルゲストアーティストの林英哲＆英哲風雲の会。個性豊かな実力者揃いの出演者による、合計７ステージ+６ライブワークショップのなんと１３公演+イベント。その中で最多出演者として大活躍の新垣先生。実に２日で８公演（初日５公演（含９日夕食会の演奏）、翌日３公演）！フェスのテーマソングである「焱の歌」の作曲も（編曲は中村匡宏さん）するという、八面六臂のご活躍でした。今回は新垣先生ご出演ステージライブの記憶を記録しておきます。まず8/9のオープニングアクト。出演者がロビーフロアに続々登場しオープニングの挨拶です。新垣先生作曲「焱の歌」披露。出だしが、もういくつ寝ると、、、の「お正月」の旋律に似ているようで異なる民謡風。レジェンドさんの合唱で聴くと、どこか「ペルシャの市場にて」の男性合唱のようなノスタルジックさがあって良い曲です。有田町では今後町内放送に使っていくのではというお話もあり。早速、ホールの館内放送では使われていました。（椀琴演奏版）そしてこのテーマ曲を最終ステージで観客全員で歌い、有田焼カスタネット（お皿）を打ち鳴らしながら大合唱するので覚えてくださいねという企画がこの時レジェンドさんより通達あり。観客協演型フェス。観客もボーっとしていられません。何しろ1日8公演を良席でコンプリート観覧するために、お昼ご飯時間もほぼ無しで手際よく動かないといけません。(^^;（但し暑さに弱い自分はすぐゆったり怠けペース）そう、後方席観覧でも、とても響きの良いホール＆高級ピアノ・ＳＩＧＥＲＵＫＡＷＡＩ。聞くところによると協賛の河合楽器さんが〇千万円で東京から運んでくれたものとか。流石クリアで素晴らしい響き。アーティストの演奏が一段と輝くと観客の皆様感心しておりました。その素晴らしいピアノ演奏のステージ、初回は鍵盤男子のスーパークラシシズム。ここで新垣先生の面白エピソード。ご自身が出演する回以外のステージを全て観客席の後方右端からご覧になった新垣先生（多数出演で忙しい中でも音楽を楽しんでおられますね）、運命やカノン、四季などクラシックの名曲11曲が引用されているメドレー方式の曲、鍵盤男子中村さんがさあ何曲入っていたでしょうかと場内に問い、なぜか3曲のところで勢いよく手を挙げられた。中村さん爆笑しその後のワークショップで、新垣先生にそこを問われたところ、先生曰く「3曲でしたよね。カラス（ここ自分の記憶曖昧）とカステラ1番と遠き山に日が落ちての」で場内爆笑及びポカーンとなったのは言うまでもありません。作曲のジャンル分けを切り詰めるとそうなるのでしょうか？でもその後に、ベートーヴェンが入っていたとうっかり話されて、あ、3曲では無かったですねすみませんと自己訂正をされる。そんなほのぼのとしているようで実は挑戦的な音楽分析といった流れで、鍵盤男子との実践。「焱の歌」を黒鍵だけでアレンジする、或いは右の旋律部分をグーで弾いて繰り返し、それに合わせて下支えの音を即興で演奏するといった指示を出されて3人で実験的即興演奏披露。凝った響きを集中して奏でる名ピアニスト3人。終わった時に大井さんが「高度な演奏だった」と仰ってました。常々思うのですが、演奏家の集中力を引き出すことにかけて新垣先生は達人ではないかと。その後ステージⅢでは大井さんと新垣先生の連弾「白鳥」に始まるクラシカルステージ。大井さんのしっとりとしたノクターンや月の光、海の上のピアニストなどのソロに続いて新垣先生のソロ。最近よく演奏されている曲ですが、この選曲理由がユニーク。始めの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士。これはプレリュードとして自分の緊張をほぐすという点と、先ほど大井さんが演奏した「海の上のピアニスト」の出だしを受けてのものとの事。２曲の出だしのところを弾いて証明されましたが、成る程両曲が共通していました。次にストラヴィンスキー「ピアノ・ラグ・ミュージック」。前のステージで鍵盤男子が弾いた「春の祭典」を受けて、と仰ってストラヴィンスキー繋がり。今日はこのように鍵盤男子を意識して継いだスタイルのようでと観客の笑いを誘ってました。お得意の即興演奏はＳＡＧＡの音名ミ♭ラソラを主題とした曲。即興はお得意で、どんなものでも音楽にできないものは無い、とうそぶいていたところ、先日のＴＶ（ＫＢＣドｵ－モ）ロケで、絶叫マシンに乗った自分の顔を見て即興をと言われたがそれは初めて、出来なかった、何も思い浮かばなかった、とか。（笑)その後も最近コンサートでお馴染みとなったカール・エマニュエル・バッハのソナタ。今の音楽のもととなる語法を作ったという解説。ソロの後は、有田の椀琴アンサンブルとの共演。新垣先生の作曲「窯声（ヨウセイ）」お椀を叩いて奏でられる安定感のある澄んだ音に新垣先生のピアノが加わり、時間が流れて動いていく。どこか前衛的な趣あり、素敵でした。最後に新垣先生のコメント、とても繊細な大井さんの演奏の後に演奏するのは大変でした。そして、二人で連弾できたことは中村さんには内緒です、と茶目っ気あるお話で締めくくりました。初日最終ステージⅣ　和太鼓・林英哲さんのステージのゲストで新垣先生登場。共演の曲目は湯山昭「鬼あられ」。凄まじく激しいものでした。和太鼓の強大なボリュームに対抗する新垣先生の演奏は、手、足、胴体、身体全部を使い全身全霊で鳴らす響き。やはり客席で観覧していたレジェンドさんや鍵盤男子の皆様などを始め、観客によるブラヴォーのスタンディングオベーション。高揚した初日最終ステージとなりました。激しい運動で疲労もピークでしょうしこれで終わりかと思ったら、新垣先生はこの後更にツアー客の有田焼鑑賞食事会の演奏のお仕事。1　Ｊ．ブル　「王様の狩り」２　Ｊ・Ａ・ラインケン「フーガ　ト短調」３　Ｊ・パッヘルベル「アリアセバルディーナ」.....カノンも引用４　Ａ・Ｅ・シャブリエ「即興曲」５　新垣隆　「焱の歌」......近代、西洋の音楽の世界に仲間入りをした日本という位置、しかし有田焼の歴史はまたそれと異なる（逆に古くから西洋に影響を与えていた）ことを踏まえた曲という解説。「有田焼を巡る美食と美音の時間旅行」との食事会テーマの音楽監修者として、１６世紀から現代までの有田焼歴史に沿った曲目選定・解説と演奏。本当にお疲れ様です。初日５公演の新垣先生でした。翌日に続きます。　
01Jul
- 新垣隆展2019
  随分さぼってしまいました。前回の記事から早2年。この2年の間色々な出来事があり、もちろん新垣先生のコンサートについても是非記録しておかないといけない事もあるのですが先ずはつい先日のコンサートから記録しておきましょう。記憶はよく捏造になりますから記録が大切ですね(^^;ありのままに記載を心がけておりますがそこはそれ人間だもの。主観による取り込みがあることは仕方なしということでお許しください。新垣隆展2019　　2019/6/27　銀座ＹＡＭＡＨＡホール（プログラム）＜1＞　1　プレリュード2　変ホ長調の組曲　（2018～）　　　　　　ヨハン・マッテゾン（1681-1764）「通奏低音教本」（1731）の課題を含む3　クララ・シューマン（1819-1896）即興曲「ウィーンの思い出」　作品9（1838）4　八村義夫（1938-1985）「ピアノのための即興曲」　作品Ⅰ（1957）5　フレデリック・ショパン（1810-1849）「ワルツ」　作品64のⅠ　「子犬のワルツ」（1846-48）6　子ぐまのワルツ　（2017-19）＜2＞1　ノクターン2　クララ・シューマン（1819-1896）　「ノットゥルノ」（1836）3　カフェ組曲　（2019～）湯山玲子プロデュース「カフェにて・・・・。」プロジェクトより　　　　　　　　　※ヨハン・セバスチャン・バッハ（1685-1750）「コーヒー・カンタータ」BWV211（1732-34）より　　　　　　　　　　「ああ、コーヒーの美味しいこと」を挿入4　カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ（1714-1788）　「ソナタ　ト調」（1746）新垣先生のコメント　（太字部分）　＊太字以外は自分の補記です。・昨年大変好評（新垣隆展2018）だったものですから（笑）、今年も同様に開催。あたかもこの場が私の部屋・タカシの部屋として自分の仕事場をここに持ち込んでしまう、という昨年同様の趣旨のコンサート。・このYAMAHAホール（ヤマハ銀座店）は先生が少年時代によく通った場で、すべてのクラシック音楽が揃っていて、世界の入り口だった。１日でも２日も居ることができる場で、その魅力は先生にとってはあの浦安（笑）に勝っていたと。1　プレリュードについて・クープラン先生がかつて、プレリュードとは指慣らしだと言った。それに基づき、ステージのこの場で指慣らしをした。・音楽は和音の帯でありコラールと言っても良い、それが音楽の扉である、とちょっと洒落ました(笑　（いうまでも無しの、新垣先生の高度なピアノ演奏技術、滑らかで高速な打鍵が光る音の川のような曲でした。）２　変ホ長調の組曲・前回（2018年）途中まで披露。それを増やしていこうと。今後も増殖中の曲らしいです。サグラダファミリアみたいですね。・組曲はバロック時代の形式　（前回の説明：1アルマンド　2クーラント　３サラバンド　4ジーグ）を取り入れ、忠実ではなく自分なりに繋いでいくが、一つルールを設けている。一つの音の色の世界としている。変ホ長調という色合い、それを守りそれ以外は何でも有り。・途中でバロックの作曲の教科書があり変ホ短調をどこかに挿入する。　(演奏中は一つ一つその場で音を確認し音遊びをされているような印象。過去に３回ほど演奏されましたが全部少しづつ違っているよう。以下演奏終わってからのコメント↓）・最初はアルマンド。本当のアルマンドとは違うがいいんです。ガルッピのメロディから始まりガルッピの先生のヨハン・マッテゾンの課題を解いて・・・最後はジーク、途中～　　一人で遊んでますが（笑）最後尻切れトンボ、音列、ドレミファ、で、あっと思ってやめました。　(楽し気に一人で将棋の感想戦を語るような新垣先生。お声は小さいため残念ながら用語に疎い素人はこれ以上聴きとれません( ﾉД`)ご来席の作曲家の方々はきっと興味津々だった事でしょう）３　クララ・シューマン「ウィーンの思い出」・クララはシューマンの妻であり優れたピアニストであるが作曲家としても天才的であった。１０代の頃に書いた曲。ハイドンがちょっと前に書いたものをクララがパラフレーズしている曲。ドイツの色々な歴史を含んだ旋律となっている。４　八村義夫　「ピアノのための即興曲」・彼が１０代の頃に作曲した。シェーンベルクの影響を受けている。前回（2018）シェーンベルクの６つの小品を演奏したが、この曲はまさにその世界。内面の不安の１楽章、おどけた諧謔的２楽章、どこへいくのかと３楽章はペザンテ、重々しいもの。そして４楽章は重いコラール。　（ピティナ事典によると全５楽章の曲のようですが、説明聞き逃したようです。１２音技法のような一粒一粒が洗練された曲。最後に手をクロスしてクラスターで颯爽と終わりました。終演後高名な作曲家の方々のお話を伺うと八村義夫を入れたのは良かったと特に好評。過去に八村義夫については先生から言及あり、自伝『音楽という真実』にも高校生の頃影響を受けていた作曲家とあります。）５　ショパン「子犬のワルツ」６　くまモンのワルツ（子ぐまのワルツ）・最近、師三善晃先生に関する本で「帰納と演繹の繰り返し」という事を読んでウワあと思った。という事で、（この２曲のワルツは）帰納・演繹です。（もうちょっと凡人にも解るようにご説明をいただきたいところです(^^;　一つ一つの細やかな音の形や型から曲を組み立て音楽の理念に達したり又逆に音楽の理論理念から一つ一つの音や形を選択して曲を組み立てる作曲の在り方とか、そういう事なのでしょうか。子犬とくまモンの繋がりとは・・・　）◆休憩を挟み二部へ続きます◆（後日以下やっと追記です(^^;＜2＞1　ノクターン2部の冒頭は新垣隆・ノクターン。ノクターン（夜想曲）というのは静けさと同時に激しさを表現するもの。左手のベースは八村義夫のスタイルとの事で、12音技法を取り入れたような重々しくかつ洗練された曲でした。2　クララ・シューマン（1819-1896）　「ノットゥルノ」（1836）ノクターンはイタリア語でノットゥルノ。クララ・シューマンのこの曲、ピアノ独奏曲「音楽の夜会」の中の2番。1836年、クララ16歳の時の曲。12歳の時にクララは「変奏曲」を書いたが、その12歳の時点で既にクラシック（の手法・技術）を全部知っていて、それが曲に全部出てしまう。やがて大人になって、１６歳の時に書いたノクターンがこの曲。大人（と言っても１０代ですが）になった天才少女のしっとりとした味わいの曲でした。クララ・シューマンについては、これまで度々新垣先生のコンサートで取り上げられてきました。シューマンも優れた作曲家ながら、その妻で8人もの子を育てた賢母、かつピアノ演奏技術においても作曲においても秀逸であった天才少女。確かクララやシューマンについて研究しているという言及が４年ほど前にあったと思います。新垣先生ご自身も１４歳で大曲（ピアノソナタ）を作曲し得た天才。クララは音楽家としてご自身との比較対象か又は新垣先生の理想の女性像？（かも。）3　カフェ組曲　（2019～）湯山玲子プロデュース「カフェにて・・・・。」プロジェクトより　湯山玲子さんとの新しく進行中のプロジェクト。今回途中経過報告としての４曲を披露です。実際に湯山さんと新垣先生でカフェ巡りをされて、お店の雰囲気や在店時の自分の感情など主観と独断でお店の音楽を作っているとの事。①Ｊ－ＣＯＯＫ（外苑前）　②茶亭　羽當(渋谷）　③ラ・メゾン・デュ・ショコラ（銀座）　④ＵＴカフェ・ベルトレ・ルージュ（本郷）、現在のところこの４店舗のための曲が完成し披露。モデルは湯山玲子さんのお父様である湯山昭さんの子どものためのピアノ作品「お菓子の世界」。子どもの頃私は湯山昭（の曲）から学んだと以前代官山で湯山玲子さんと初共演された際にも感激して仰っていた新垣先生。「お菓子の世界」をモデルに、コーヒー（好き）のバッハ先生の助けを借りながら作るカフェ組曲は、色々な音楽的キャラクターをなるべく広く取り込み、ヨーロッパそして南米の香り漂う如しの粋な曲揃いでした。今後の展開も楽しみです。新垣先生はコーヒーがバッハに引けを取らぬ程大好きだそうです。4　カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ（1714-1788）　「ソナタ　ト調」（1746）今まで演奏してきたことが最後のこの曲にすべて包含されるという。方式としての曲同士の関連、繋がり、終結は始点に戻る必然など、言うまでもなく音楽の所作が身に付いておられる新垣先生が選択された終わりの１曲。来席の西澤健一氏によると、かなり「マニアック」な選択のようです。お父さん（大バッハ）が居たカフェから生まれたソナタと捏造して演奏しますとの事でカフェ繋がりもあり。アンコールは今のバッハの流れで　「ジェニーハイ学園物語」。こちらにも本日の音の繋がりそしてコーヒールンバが取り込まれるという構築。爽やかに終幕となりました。終演後にご来席の中川俊郎先生に厚かましくも失礼ながらご感想をお伺いした所、前述の八村義夫を取り上げたのは良かった、という点そして「彼が良く考えた構成。それを聴衆は好意的に受け止めた」
31Jul
- ポール・シェーンフィールドと「新生」
  ポール・シェーンフィールド。ガーシュウィンやルロイ・アンダーソンのような明快で分かりやすい音楽を目指し、多くの人に届く曲を作り出すアメリカの作曲家。彼のピアノ協奏曲「４つの寓話」。明快なジャズスタイルに加えてオーケストラのシンフォニック。軽快で非常にエキサイティング、聴いているとぐいぐい引き込まれるようなとてもかっこいい曲。新垣先生は２年前ピアノ協奏曲（「新生」でしょう）を作る際、この曲が「手がかり」になったそうです。（「新垣隆の音楽室」９４回より）「２年前にピアノ協奏曲を書いた時に思っていたのは、多くの人々に届けたい、という気持ち。どうしたらいいのかなとずっと考えて作っていた。この曲も曲を作る上で手がかりになったもの。」「音楽自体は自分が発表したものとは全然違うものですが、そういう所で自分は影響を受けた作品」「手がかり」という言葉を良く新垣先生は使われます。何もない所から構築する作曲家の方々の「手がかり」という言葉は重みがありますね。暗闇から登場する世界の始まりの灯のような感覚でしょうか。※「新生」もですが、あの愛すべき「HARIKOMI」の爽快感も、近い？
02Apr
- ディヴェルティメント　無視されない聴衆
  「全ての音楽はディヴェルティメント（嬉遊曲）である。」～新垣隆2017/2/6　芸劇ウィンドオーケストラ第３回演奏会事前レクチャー（新垣隆×鈴木優人）　にて、多少ご冗談めかした新垣先生の一言。「より多くの人々に届くものを表現者は求めるべきである」、以前のご発言をも想起させるもので、人の傍らに、人と共に在るべき背景としての楽しみたる音楽の在り方を考えさせられる一言。今回は2/25に芸劇ウィンドオーケストラによって世界初演された新垣隆作曲「ディヴェルティメント」のプログラムノート（一部抜粋）をメモ。“この三年の間、多くの方々の尽力によってさまざまな作曲の機会に恵まれた。各々に大事な思いがあるが、その中で、より多くの人々へ向けての、クラシカルな作品（大きな形式を持った作品）というべきものが私自身にとってのひとつの柱となった。それは、ヴァイオリン独奏のためのソナタ「創造」、ピアノ協奏曲「新生」、交響曲「連祷」であり、これらは言わば「三部作」として音の組織、また内容の上で相互に関連を持っている。そして今回の作品はこれらの「ｓｐｉｎ-ｏｆｆ＝外伝」とでも言うべきものとして構想され、共通の音の言葉を持ちながら、また別の形態あるいは可能性を追求している。同時にそれは、かつて別人名義で書いていたものの延長線上にあるものでもあって、十数年前に手掛けたあるゲームのための音楽が起点である。それは歴史の文脈で（敢えて）言えば、20世紀からの映画のための音楽、そこから派生した日本に於ける大河ドラマなどの音楽からのまた更なる派生物である。”----『無視された聴衆』－現代音楽の命運-　（原　博著、１９９６年出版）という本で既に２０年以上も前に提言されていた現代音楽、クラシック音楽全体が抱える問題。新奇性と未知への崇拝に比して、人間の「感性」が置き去りにされているとされる音楽。本来音楽の指針となるべき聴衆は無視されているという原氏による本質的芸術論としての孤高の問いかけ。その出版から２０年経過した現在、ここでモダニスト新垣先生が提言する音楽の分流。一つは「元をただせばＲシュトラウスやラヴェルからの流れ。」そこからのディズニーアニメ音楽や映画音楽、日本の大河ドラマ曲など。その「派生物」、例えば過去に手掛けたゲーム音楽や「ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ」。そして今回の「ディベルティメント」はこの流れの「延長である」。言わば聴衆は無視されていない。「モダニズムが陥ってしまった問題がある。その事に関し目をつむってはいけない。」そして又一つは「シェーンベルクやエドガー・ヴァレーズなどからの流れ。」調性の超越や音響の追求。こちらの支流も「同時に」使っているという新垣先生。「自分としてはこちらをやっていきたい」のは当然でしょうね。かつ「音楽的時間の仕掛けはどんなスタイルであってもやりたいと思っている」上記のプログラムノート続きに“私は以前、その流れ（Ｒシュトラウス～映画音楽～）とは別の、新しい、そして「アート」としての音楽を指向していた。-----（それは音楽家の在り方としての私の最も幸福な一時期だった。）”今後は二つのキャラを融合していくのかという鈴木優人氏からの問いに対し、「融合になるかはわからないが、自分は音楽が好きで、好きな音楽、それが出発点であり、自分の好きなものはどういうコンテクストをもっているか？--どちらも好きなのでどちらもやりたいと」「どれが本当なんですかと言われることもあるが、受け入れた中で、様々なものを遠慮なくやりたいと思っています。」
23Feb
- アンサンブルジェネシスの活動　鈴木優人×新垣隆
  2017/2/6 芸劇ウィンドオーケストラ第3会公演　事前レクチャー　鈴木優人×新垣隆過去のアンサンブルジェネシスの活動についてのトークから要点抜粋です。（敬称一部略）1.お二人の出会いについて　２００４年　鈴木さんの個展（学校卒業した記念・牛込の小さなホールにて）で初めて会った。「黙示録」を演奏。ソリスト２人のアンサンブル。（注・ここの新垣先生の記憶力がすごい）新垣「これはすごい作曲家があらわれたなと思った」。２.アンサンブルジェネシスの活動について2005年鈴木氏が創立。ピアノ、パーカッション、ソプラノといったユニークなメンバーのアンサンブルで新垣先生はレジデントコンポーザー。2005年9月は「秋」という曲。2009年11月にはＮＨＫ（ＢＳ）で「アンサンブルジェネシス　光と影」という１時間番組が放送されたそうで、大阪のスタジオで１日がかりで撮影だったとか。曲は新垣さんの書き下ろし。ピンポン玉３つ落とすシーンなどもあり。作曲家へのインタビューあり、鈴木さん曰く「新垣さん直立不動でインタビュー。撮り直し多く、テイク３回。今はテレビですらすらしゃべっている（笑）」のに驚くとか。新垣「彼（鈴木さん）の指揮やチェンバロはその頃から変わらない。彼がプログラムを構成する。自由自在。アプローチが自然で自由。そういう空気の中、メンバーがああでもない、こうでもないと言い合い一緒にご飯を食べて」楽しく活動されていたとか。ところが、鈴木「新垣さんの譜面がなかなかこない。（来たと思うと）大きな紙に四分音符が３つとか、五線もない。。丸いシールが貼ってあったり。---演奏する順番も分からないので、パニックになったり。事前に（創立者でもありコンマスの）山口幸恵さんからの、新垣さんの譜面はなかなか来ないからねとの警告の通りだった。でも（譜面届いて）大丈夫かと思ったら、途中でどんどん差し替えになる。。」（注・楽譜が締め切りぎりぎり（未だ無かったり(>_<)）という話は最近だけでなくもともとでしたか。。やはり妥協なき作曲というものはそういうもののようで。又は偶然性狙い？でしょうか。。）ＮＨＫ（例の騒動で難しいかもしれませんが）の番組すごく良かったので再放送希望を（笑）と鈴木さんからお話しあり。ほんと、観たいですね。「夏の庭」という曲について。ソプラノが〝7月4日月曜日・・″という、本を読み始める曲。鈴木さんに聞かれて、新垣「私はこのような表現のスタイルと自分で思っている」（注・はい、「インヴェンションあるいは倒置法」しかり「序奏、ロンド〜螺旋」、「31・1」しかり。読むのがお好きです。ＴＨＥ現代音楽という感じ）しかし、ここからレクチャー本題　新垣「今回は、こうではない。今回は、3年（前まで）関わってきたこと、その音楽の延長」※この本題は後日　（ＯＴＴＡＶＡ動画（YouTubeあり）の新垣先生コメント（代読）でもほぼ主旨は語られています。「芸劇ウィンド・オーケストラ第3回演奏会～バッハから新垣隆まで～」）
31Jan
- 新垣隆先生　少年期三大作品
  新垣先生幼少期から少年期の作曲　三大作品2017/1/16　ぎふチャン開局５５年記念「新垣隆展」　於：サラマンカホール少年期の（暫定）三大作品が演奏されました。プログラムノートにあったご本人からの解説（太字）をメモ。【京の幻想】〈私は小さい頃より音楽教室にて、作曲を学んだ。この曲は小学校五年生の時に作ったもので、そのころ大好きだったロシアの作曲家ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」や「春の祭典」のようなものを自分でも作ってみたいという気持ちであった。「京」とは京都のことで、京都に家族で旅行した時の印象を描いている。「庭」「寺」「喧騒の街」の３つの部分よりなる小品である。〉とても小学校５年生とは思えない前衛的作風の曲です。無調の響きや美しさ、技巧的激しさ。以前ブログ記事に記載した同級生の方のお話にあった、全校朝礼で皆の前で演奏され先生方がポカーンとしてしまったというのはこの曲ではないかなと推測しています。ご本人曰くこの曲は「ストラヴィンスキーの難しい音を見よう見まねで、どういう音かと一つ一つ探していった」こういう作曲の姿勢は、昨今の「連祷」評で池辺晋一郎氏が評価された「底辺にある音を探る感性、自分の耳で聴こえてくるものを丹念に聴き丹念に書いている」技に繋がるものではないでしょうか。三善門下として醸成された作曲の技、それ以前にこの頃から既に備わっていたというべき天性の優れた資質と言えるかもしれません。【七月－窓の向こう側で】〈ヴァイオリンとピアノのための作品で、中学時のもの。その頃は、ドビュッシーや武満徹に憧れ、音の「響き」というものに強い興味を抱いていた。ここではドリア旋法というひとつの響きに浸っていて、普段の日常とは何か違う世界というものを夢見ていた。1980年代前半、坂本龍一、吉松隆といった、当時30代はじめだった若い作曲家たちの影響もある。曲の形式は大きくＡ-Ｂ-そしてＡの復帰、といったシンプルな３部構成となっている。〉2014年11月1日のライブ（晴れ豆）、江副麻琴さんのヴァイオリン演奏にて初めて聴いた「Ｊｕｌｙ　七月」が、ずっと忘れられない1曲になっていました。再度聴くことができてこの時は興奮いたしました。中川俊郎先生もこの曲について話しておられ（YouTube　「オケ・プロ2015」出品作曲家４人+新垣隆21：30 ）「三部形式のヴァイオリンソナタでA-B-AでBの部分が現代音楽。重音とか特殊奏法とかハーモニクスもある程度使っていて。両側がまったくミニマルミュージック。中学1年の時のバイオリンソナタで出世作。ヤマハの先生方全然分からなくて、南聡先生だけちゃんと指示してくれた」とか。今回岐阜で再度聴いたこの曲（窓の向こう側で、という副題もあったのですね）、B部分の、中川先生が表現された「前衛のヴァイオリンのグワ～」というところが、前回感じた激しいイメージより穏やかさが増して聞こえたのは、こちら側の心持ちの問題でしょうか。素人耳にも和音も複雑で凝っているなあという響き。とても中学生とは思えず。まあ「ドリア旋法に浸り違う世界を夢見る」中学生ですからね。。ミニマルのA部分は、ドビュッシーの奏でる水面のような響き。もの哀しく揺蕩うような繰り返し。武満徹さんに憧れた中学時代の新垣少年、この頃武満さんに手紙を出された所、ご本人から返信を頂いたと以前「新垣隆の音楽室(2016/2月）」で語っておられました。ポストに手紙を見つけた時の喜びをその時の風や木々の情景と共に記憶しておられるとか。その当時作られたこの「7月」は武満さんの影響が大きいものでしょう。ご本人曰く「中学の頃、音の響きに興味を持っていた。響きの中に溺れこんでいくような曲を作った」まさに、響きに溺れる、といった素敵な曲です。追記→佐藤聰明　『Litania』～「歪んだ時の鳥達Ⅱ」の印象が原典のようです。（新垣隆の音楽室93回より）　「中学生の頃に楽譜屋さんに行ったんですね。楽譜をパラパラめくるのが好きだった。それで手にした楽譜が佐藤さんのこの曲だった。譜面見て、とてもきれいだなと思ったんですね。丁度その頃ヴァイオリンとピアノの曲を書こうと思っていた。なので、佐藤さんの楽譜の印象が自分の曲に強く現れることになった」そうです。※感動しTwitterにも書いたのですが、ミニマルのベース＝ピアノが奏でる時間の上をたゆたうヴァイオリンの旋律の構図がまさに同じような。そして、この「７月」を新垣先生の作品１とするそうです。（同９６回より）「一つの響きなんですけど旋法があって、その中で揺蕩うような曲」を作品１番とする事に、ご本人が「今、決めました」との事。（暫定？(^-^)）【ピアノソナタ】※こちらはCD「新生」に収録あり。ライナーノーツと同じ内容ですので、一部抜粋〈ヤマハ音楽教室に所属していた中学時に南聡先生の指導の下で書いた習作～～ロマン派の和声で、前奏曲における旋律がその後の本編でのソナタの第二主題として機能している。この作品に取り掛かる前に、南先生の仲間で、後に私の師匠となる中川俊郎先生が、バッハの音名-BACHすなわちシ♭、ラ、ド、シ、-をモチーフとした即興演奏をされたのを、間近で聴いた。それは-30年が過ぎた今でもなお-信じがたい体験だった　～～ソナタの終わる直前にはっきりこの4音の音名を入れている　　〉習作という事ですが、この曲が後のHIROSHIMAや連祷の系譜の初めとなっているとの説も。南聡氏が、騒動の時に初めてHIROSHIMAを聴かれたところ、このピアノソナタの和音との共通性を感じられたというお話あり。自分の素人耳も、連祷、HIROSHIMA、新生、創造、そしてこのピアノソナタ、何か悪魔が爪を立てるような部分の(^_^)響きが、同じ類のように聴こえる、（ように感じます。）以上少年期三大作品と思います。10代の頃の作曲として、後は、幻のオーケストラ曲『僕は僕という枠の中を歩き回っている』（千葉県のアマチュアオーケストラにて演奏されたそうです。）そして小学校6年生時　ベートーヴェン　ピアノコンチェルト3番のような作風という題名未判明の曲聴いてみたいですね。追記です。（2017/8　100回記念「新垣隆の音楽室」より）「猫の物語」　中学生時代飼っていた猫への曲。「彼らの曲を書こうと思いまして」傑作です。4大作品ですね。
27Nov
- 交響曲『連祷-Litany-』世界配信
  「本当にアイディアというのは尽きることがないですね。」「（オーケストラのアイディアというのも）そう考えると可能性あると思いますね。」（　--２０１５年8月、新垣隆氏と師・中川俊郎氏による子弟対談（YouTube「オケ・プロ」）の一シーン）２０１５年初頭に東広島交響楽団から委嘱を受け、既に交響曲の構想中であった新垣氏。恩師の奇抜なオーケストラの曲想を聞きながら、この時どのようなアイディアが脳裡を去来したのか。１年の構想の後、その後の半年間で譜面を書き上げられ、２０１６年８/１６広島で記念すべき初演があった「交響曲《連祷》-Litany-」。11/16より名門レーベルDECCAから世界配信もされています。世間を賑わせてからここへ至る、そもそもの発端となったあの交響曲第１番『HIROSHIMA』の「続編であり、あるいはもう一度やり直しであるという二つを兼ねています。その意味で連続している」（ﾚｺｰﾄﾞ芸術12月）。その連続は『HIROSHIMA』だけでなく、2014年作無伴奏ヴァイオリン・ソナタ「創造」、2015年ピアノ協奏曲「新生」、そしてこの「連祷」へと続く一連が「ひとつの流れになっているのです。」（CDｼﾞｬｰﾅﾙ）連祷は３楽章全体で１つのソナタという事のようですが、もしかしたら４つの曲全体でも大きなソナタと言えるかもしれませんね。---再起であり、これまでの統合でもある渾身の交響曲です。音楽の技術・知識にこの上なく長けた芸術家によるこの祈りの全３楽章は「細部まで精緻で、モチヴェイションがたしかなエクリチュール（書法）に感嘆」（池辺晋一郎氏によるライナーノーツより）させる美しさに溢れています。受け継がれるべき１９世紀の美しき技術・文法のリスペクトと共に、多彩に変化循環するテーマ・仕掛け・暗号が盛り沢山の、まさに尽きる事無きアイデアが詰まった交響曲となっています。ご自身のノートによる重要な主題やオマージュ、暗号、引用を挙げると「希望のテーマ」暗号「H-F-Es（S）-A」　（ヒロシマ、フクシマのテーマ）大木正夫　「交響曲第5番≪ヒロシマ≫」「連祷-Litany」のテーマ「HIROSHIMA」のベース「運命が扉を叩く」テーマ他にも「動かない時間」「粒子の音楽」「擦る音」（ホワイトノイズ）「ウルトラ対位法」（ショスタコーヴィチ）といった現代音楽指向の動きも多く盛り込まれています。更に、曲を書く際に念頭にあったモデル、系譜を継ぎたいと考えた作曲家・曲名として林光　「交響曲ト調」　（「HIROSHIMA」作曲時より）尾高尚忠「フルート協奏曲」ショスタコーヴィチ・大木正夫遠因としての三善晃・武満徹（曲名「連祷・リタニ」の系譜）等々。本歌取りによって作品が多世界になる鑑賞の楽しみは、やはり本歌を知らずしては充分には楽しめません。素人の自分はまだまだ5割ぐらいしか曲を堪能していないと言えます。しかし、意味論としては。誰しも共通に在るべき感動の鉱脈を持つ者として語るべきは第３楽章終盤の情景　「リタニ」のテーマが「希望のテーマ」を紡ぎ、対比する不穏な音やあらゆる音が潜む単一ではない複合の世界の中、ふくよかに輝かしく融合して天上に昇る音楽の感動。その後の不穏が爪を立てる響き、それを断ち切る鋭利なほど美しい弦の響き。印象的に最後の低音が止まる鮮やかなメッセージ性。　又は「擦る音」から受ける世界の喪失感、寂寥感。--「モノ」ではなくとも共有され、人の心に作用し人の知覚に委ねられる価値が音楽たるものです。「ゴーストライターの件がなく私が交響曲を作っていたら、おそらく、分かる人だけに分かればいいというものになったでしょう」（週刊ｼﾞｮｰｼﾞｱ）と言う現代音楽家新垣氏は、この２年半のあらゆるかかわりの中で、人の要望に応え、共有できる音楽の言葉を人々とご自身の中から掘り出して表現することに成功された作曲家と思えます。「より多くの人々に届くものを表現者は（芸術家は）求めるべきである、と思っています」（新垣隆の音楽室）「共有する音楽の言葉、自分はそこから選んでお話を作る、自分が選ぶにしても、それは皆のものであると。多くの人々の中の自分がいて、自分がどういうものを聴きたいのか、皆さんと共有できるかという所で音を選んでいる。」（ﾛｰﾁｹHMVｲﾝﾀﾋﾞｭｰ）とはいっても、確固たる音楽への志向の根本のご変化はないのでしょう。上述の前衛的手法が物語ります。曲の終結、「時間は遡行し「『HIROSHIMA』以前に回帰」する」とノートに示されていますが、冒頭の中川氏との子弟対談の際「自分というのは、変わらないんですね。そこからもう１回やりたいという、そういう気持ちなんですね。」---------愛される音楽の天才、世界へ。
10Sep
- 交響曲『連祷-Litany-』
  新垣隆氏　交響曲『連祷』。曲のタイトルの由来でもある第二楽章中盤から現れる弦楽合奏による美しい旋律のラメント。初めは静かにひっそりと、曲を覆う闇の気配からの解き放ちの旋律として登場し、何度も隠れては又現れ、曲の経過とともに力強い解放の祈りとなり、やがて終盤にかけては第一楽章で示唆された「希望のテーマ」をも呼び起こして、これと共に紡いでいく旋律。この美しい旋律が「『連祷』のテーマ」になっているのですが、「この部分は、２０１４年に公開されたドキュメンタリー映画『日本と原発』に寄せた音楽からの引用である。」（新垣氏による楽曲解説より）との事。『日本と原発』（２０１４年版）最終シーンで５４基の原子力発電所の映像を背景に流れる曲は、クレジット記載の曲名によると「LUX AETERNA」（ルクスエテルナ＝永遠の光）で、これがすなわち「連祷のテーマ」という訳です。（『連祷』曲中のテーマは他にも音名（Ｈ-Ｆ-Ｅｓ（Ｓ）-Ａ）のテーマ・希望のテーマ・かの「HIROSHIMA」や大木正夫「ヒロシマ」のテーマもあるという事です。）映画に流れるこの旋律を聴いた時のイメージは、批判や意見、争いという事ではなく又単なる嘆きというカタルシスですらなく、肯定でも否定でもないありのままの「認識」、冷徹に聳え立つ事実と人間の営みの結果の提示と同時に、抗いがたい時間に抗う厳しさの表現、でした。俯瞰して、人間を、歴史を厳しく見つめる旋律のように聞こえました。『連祷』に組み込まれたその旋律は、今度は人間の側から発せられ、嘆き祈り、かつ信じ続ける希望へと上昇し行く旋律として、重要なテーマになり流れていきます過去のものを取り込むことにより、過去のものは新しい息吹となり、己は過去を凌駕して進むことができる------それは例えば『ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ』と「題されたもの」を取り込み凌駕するように。そんな「ストーリー」で自分には知覚される素晴らしい交響曲です。そして、例えば武満徹作「二つのレント」後の「リタニ」、リゲティの「ルクス・エテルナ」とタイトルが現代音楽作曲家へのリスペクトとなっているような新垣先生のご選択に、現代音楽家として交響曲を発表する気概を忍ばせておられるのかな、と想像してしまいます。そしていよいよ、連祷の重要な地、福島へ。9/15です。
12Jun
- 森達也監督の映画
  森達也監督　映画「ＦＡＫＥ」。　ネタバレありです。ドキュメンタリー映画と括っているものの、監督自らドキュメンタリーにはウソがあると打ち明けているように、これはドキュメンタリーっぽい虚構、フィクションものとしてのエンターテイメント映画であります。ゴーストライター騒動後のこの2年半の成り行きを良く知っている人、佐村河内氏や新垣隆氏の人物像を良く知っている人は、虚構は虚構として受け止められる映画ですが、そうそう興味も関心もなくメディアの打ち出す見出しのみでこの騒動を知っている世間一般の人々、特に疑う事を知らない純粋な人々は騙されてしまうでしょう。---映画の終盤に佐村河内氏が演奏する場面ではライトアップと音響効果を取り入れ聴衆の高揚感を誘う。　おそらくオンエア当日ではない日、録画ではないかと想像される新垣氏ＴＶ出演画面を、いかにもリアルタイムのように佐村河内氏が見るシーンを効果的角度で映し出し、生々しさを際立たせる。----それによって佐村河内氏は美化される。又は茶化される。いかようにも切り取れるし人は簡単に騙されるというのが監督の狙いで、故に白黒でしか語れない、大勢の白に迎合する卑俗さがあるメディアへの警鐘、が映画に据えるテーマなのでしょう。奇しくもかつて佐村河内氏の演じる嘘を放送し検証されたＮＨＫスペシャルという番組に6/11に出演された森監督は、その白黒のみで捉える社会を「不寛容社会」と括りこれを批評されました。----果たして現代は本当に不寛容社会でしょうか。ミスリードで純粋な人々が不実に対しても感化されてしまうのを許している分には寛容社会ですが。普通に生活し年齢を重ねた自分にとっては、そのようなメディアの切り取り方ほどには、世間は不寛容ではないと見えます。佐村河内氏にも今後十分「出口」がありご活躍の場は開かれていると思います。但し出方、つまりは志によっては。出口への道のりは、まず自己の非を受け入れる勇気からではないでしょうか。勇気ある謝罪からではないでしょうか。そもそも才能を利用されたに過ぎない新垣氏は、潔く「共犯者です」として何ら言い訳をする事無く、自らの立場を置きました。メディアからの面白おかしくするだけの演出に対しても断りを入れず、謝罪の意味も含めて受け入れ2年半要望に応える事を実践してこられたのは、傷ついてしまった罪のない少女たち、多くの人々へ対する「引き裂かれるような思い」があった故の事です。利用されただけとしても、しかし影響を与えてしまった結果として共犯者でなかったとは言えない、（これは自分の考えですが）そこを受け入れ実態以上の謝罪をされてこられたのです。もともとの天才音楽家だったという事以上に、だからこそ出口があり、世間からの崇敬、敬愛をも得ることができたのです。この映画は、その根本を全く無視しています。それでも、エンターテイメントなんだからいいと、思って観る知恵が必要です。なので、「このドキュメンタリーはフィクションです」説明責任上注釈テロップを入れましょ( 一一)
07May
- 追加　新垣隆氏の源流　その2
  自分勝手備忘録ブログその２です。　こういう作業によって対象者の実像に迫る事を自己満足として望んでいるのですが、なかなか真実を抽出する作業というのは難しい事です。どだい人は自己のフィルターを通してのみしか、事柄が耳に届きませんし事実として把握できません。結局は現状の自分の受容力の記録としてよろしいかと。１週間後にはこの事実の切り取り方もおそらく変化、しているでしょう。---新垣隆氏の作曲史（幼少～少年期）---　※引用元は2014年各ライブ内容（トークメモ）、８月北海道新聞等の記事、１０月朝日新聞デジタル記事、ミュージックバード放送メモ、｢ペテン師と天才｣、他○『みんなでうたおう（よ）』　　幼稚園時代。生まれて初めての作曲。　語尾の「よ」は付いたり付かなかったり。2015年１月にはＡＥＲＡによる依頼でこの曲をモチーフとされた新『みんなでうたおうよ』発表。　○『春（の）嵐』→追記『春あらし』が正解　　小学校２年又は３年。（１１月ライブでは２年生とお話有り。テレビＰＲ動画では小学校３年生）○『ねこのこもりうた』　　小学校２年　お母様がつけられたタイトルとのお話だったと思いますが「春嵐」なのか、「春の嵐」なのか、これも諸説あり（笑）。フジテレビドラマ「ゴーストライター」７話ＰＲ動画中でも後述の『ソナタ』と共に演奏披露されました。○『京の幻想』　小学校５年「京の～」シリーズは３部作だったそうで、他にも別タイトル曲２作あるそうです。（京の街、とか岩？とかのタイトルだったと思いますが失念しました。）追記：『京の幻想』の構成が３つの部分からなるという事のようです。「庭」「寺」「喧騒の街」との事。　前回記載しました新垣先生が辿られた曲の系譜どおり、作曲においても低学年ではショパン（幻想即興曲）調→高学年でストラヴィンスキー調へと辿って行かれたようです。　尚、同級生（偶然にもミュージックバードスタッフの方）の方のお話では、小学５年生でヤマハ音楽教室の全国的な作曲賞をとられ、全校集会で披露されたそうですが、その時点で既に不協和音の音楽であり、学校の先生方含め皆さま「ポカーンと」してしまった、との事。ジョン・ケージ曲を初めてラジオで聴いたのも、三善晃曲の譜面を初めて見て「これまで習った楽譜、ドミソではない、丸でなくて四角い音符がある等」「違うものに出会った衝撃」を受けられたのも小学校時代。となりますと伝統的クラシック（調整）音楽から、(主に）無調音楽である現代音楽へと進むべき志向へ舵を切られた時期は既にこの早い時期、小学校高学年のようです。　ＦＭの番組で三善晃『ピアノ協奏曲』を（ご家族に隠れて）聴かれ、「興奮や驚きが混然一体となった強烈な体験」をされたのもこの頃。　ヤマハ音楽教室の指導者もされていた南聡氏が見て驚愕されたという、２０分を超えるフルオーケストラスコアを独学で作曲したのも小学校６年生。（この曲名は何でしょう？）南氏、「後にも先にもそんな子供はいなかった。」神山本によりますと、ヤマハの先生に勧められて書いたその曲はベートーヴェン「ピアノ・コンチェルト３番」の楽譜を置いてそれを真似するように書いた曲との事。しかしながら既に現代音楽の方向へ舵を取っている天才新垣少年としては「クラシック音楽へのオマージュ」であり、「自分はこんな曲を書くはずじゃないのにと泣きながら書いた作品」であったとの事です。○『Ｊｕｌｙ』（７月）　　１４歳○『ソナタ』（又は『ピアノソナタ』）　中学３年生　ショパンやラフマニノフに倣い作曲。小学校６年から師事された南氏の指導があったようです。新垣少年としては「（南先生の弦楽四重奏曲のような）新しい音楽を自分も絶対にやる、ドミソの音楽なんかやっている場合ではない」というやんちゃな気持ちでおられたそうですが、南先生のご指導「勉強の意味でも調性音楽をちゃんと書くのは大事だ」との経緯で生み出された作品のようです。　その成果、と決めつけてよいかどうかわかりませんが、今私のような凡人が、聴いていると心休まる、日々の拘泥から解放され癒される「調整」音楽を、事もなくさらさらと創って頂ける素地をより一層育んで頂いたと考えますと、これに感謝、でしょうか。　　音楽史のとおりに進んできたという新垣先生少年時代の作曲史ですが、「大作曲家だ、と思っていたが実はスカスカだった」という気付きもこの頃あったとのお話も。少年期の挫折でしょうか。この詳細は謎です。（単なるご謙遜トークだったかもしれません。）↓追記　週刊エコノミスト（5/19号）に記載あり。｢（自作ピアノ曲を南先生に提出した際）初めに言われたのは｢基礎を踏まえること｣というもの。意外だったのと同時に、自分が音楽の先頭を走っていたつもりで、ある意味では現代音楽に｢かぶれていた｣ことを思い知りました。｣そのいわば挫折感の一方で｢小学校、中学校と進んでも、興味の対象はほとんどピアノや作曲に関すること。ピアノの練習を続けているなかで、技術の不足などで悩む事もあったのですが、中学生の頃には｢自分は音楽で生きていく。それしかないんだ｣と考えていました。｣　（同記事より）---そして、中川俊郎先生との邂逅。南氏が北海道へ赴任される事になり、次の師、中川俊郎氏に高校時代から師事。既に６年生の時にお会いはされていたようですが。中川氏を紹介した南氏「個性的な人は、個性的な人にみてもらうのが良いのではと考えた」　お二人は一回り違うご年齢。中川先生が若干２４歳、ジョン・ケージを迎えての作曲コンクールで１位を取られた頃、新垣先生１２歳。中川先生がご自身の音楽家としての「モデルであり、中川氏のようになりたい」という指針が、ここから以後ずっと続く事になるのでしょう。奇しくも、、というか天才の嗜好の必然性なのか、転機の音楽（自分を変えた音）として小学校５,６年で聴いたジョン・ケージ、それ以前に聴いたドビュッシーを挙げる中川俊郎氏（現音エアーより）。同一の方向性を持つ天才二人の遭遇。天の采配---については、資料の収集ができましたら又次に記載してみたいと思っています。
29Apr
- 追加情報　新垣隆氏の源流
  　新垣隆氏の音楽活動の原点。ＤＩＭＥ掲載記事を読んで、掲載内容以外にも以前のラジオ放送等で聴いた内容がある事に気付き、忘れぬうちに書きとめておきます。（自分勝手備忘録ブログです）（2014/12/14ＯＡ（衛星ラジオ）ミュージックバード）◎「てんとう虫のサンバ」３歳。新垣さんが（この世に生まれて）一番初めに聴いた曲だそうです。ひょっとしたら後付けの記憶かもとご謙遜。いえいえ、作曲家の記憶力は確かでいらっしゃいますので。◎カーペンターズ幼稚園の頃。音楽好きのご両親がお持ちのレコードがあり、まだ自分では操作出来ない為とにかくレコードをかけてかけてと言っておられたそうです。ボーカルの魅力はもちろん、オーケストラ、アレンジやハーモニーの感覚に惹かれ憧れたとの事。声の響き、音の肌触り、和音。これはその後のクラシックに興味を持つベース、基盤となったそうです。他にもポール・モーリア、パーシー・フェイスのレコードがご家庭にお有りで、聴かされていた環境だったそうです。◎ショパン「幻想即興曲」ＤＩＭＥ記事では聴いていたのは小学校２～３年とありましたが、このＯＡ時では幼稚園の頃、とおっしゃってました。カーペンターズ→ショパン、はある種自然な流れだったとの事。やはりご両親がお持ちのレコードがあったそうです。特にお母様がヨーロッパ、アメリカの文化がお好きでその影響があった、とのお話。◎ドビュッシー「月の光」◎ベートーベン「月光」◎シューベルト「さすらい人幻想曲」ピアノ名曲集のレコードがご家庭にあり、聴いていたそうです。幼い時期から、お兄様のピアノ教室にくっついてご自身も行かれていたそうですが、小学校低学年の頃、ピアノの先生がショパンの楽譜をくれたそうです。　譜面を見た時、びっくりして興奮した。大好きだった曲のあの音はこういうものだったと。楽譜の図形、模様。圧倒されたんですね。見たとき、何かこう、特別なものを感じた、という記憶があるそうです。それがきっかけで作曲を始める事になる---　自分の出発点、原点との事。小学校3年生の時にもレコードで聴いていたシューベルト「さすらい人幻想曲」の楽譜を見て、その図形的な興味もあいまって虜になってしまったそうです。譜面を見て、レコードをかけながら真似ごとのように譜面を書き写し、それで気持ちが満たされ、喜んでいた-----確か１１月のライブの時にも「実際の音よりも、音符を書くのがとにかく好きだった。」とお話されていたと思います。そして早い段階で楽譜が読めるようになり、この早い時期に既に「作曲家になりたい」と考えたとの事。小学校にベートーベン等々伝記シリーズ本があり、自分も作曲家になるんだと勝手に考えていた、と。小学校２年から通われたヤマハ音楽教室は、毎年作曲の発表会があり作曲披露があったそうです。◎ドビュッシー「子供の領分」◎ストラヴィンスキー「ぺトルーシュカ」お気に入りの曲が「さすらい人-」から「子供の領分」へ。その頃たまたま手に入れたレコードがドビュッシーのアルバムで、「わあっとなって」しまったと。こういう曲があるのか、とわくわくして幸せになってしまう、それまで聴いていたクラシックより近代的な響き、すっと入るハーモニーが大好きになった、との事。その後小学６年生の頃はストラヴィンスキー。この辺りからオーケストラを聴くそうです。今度はストラヴィンスキーばかり。気に入るとそればかりになるようです。この年はストラヴィンスキー生誕１００年だったのでラジオ番組露出多く、エアチェックに余念が無かったそうです。◎大野雄二「ルパン三世」◎ＹＭＯ「体操」、「ライディーン」クラシックを聴いていた一面でテレビ（のポピュラー音楽）も色々接していたとの事。ここはＤＩＭＥ記事が詳しいようです。この番組のＯＡ時（2014/12）は「（ポピュラーとクラシックは）どこか違うものだという認識がある。何か別のものだという意識をずっと持っていた。それが何なのかわからないんですが、いい面、悪い面があるのかなと」おっしゃってました。その後ポピュラー、子供時代のテレビで聴いた音楽が「知らない間に染み込んでいる」という記憶が発現されたのかもしれませんね。
15Apr
- 音楽の知識も教養もないずぶの素人が考える音楽の魅力　
  　その分野の知識も教養もない者が、厚かましく恥知らずにさも解ったように見解を述べる事ほど、聴く者読む者をやりきれなく不快にする事はない。----　と重々承知はしております。　こと音楽については数学の数式を覚えるような綿密な専門性が身に付いている一部の人とそうでない多くの人とでは、視点も感受世界もまるで異なる、かなりの隔たりがあるでしょう。　作曲家は音楽の専門家からの批評を求めているのであり一般人の感想は不要との極論も以前なにかで拝見。　新垣隆先生もドラマコメント動画で｢（多くの人に聴いてほしいという気持ちはあるもののやはり）自分の親しい人、近しい人にまず聴いてもらいたいという気持ちもある｣と仰ってました。　確か将棋の羽生さんだったと思いますが、かなり以前に、対局の大詰めの棋譜について、これは世の数人しかわからない世界と仰っていて、そこに名人という極致のみが味わえる神聖な興奮があるという趣旨で語られた記事を読んだ記憶があります。　音楽家も同じでしょうし芸術を生み出す人、とはそういう世界を味わえる住人なのでしょう。　しかしながら、音楽あるいはその他の芸術全て、知恵のある発信者の為だけにあるのではなく、当然ながら衆人という受け手に広く与え響くものがあるからこそ、存在している価値。　人が持つ感動という普遍性ある原理を、深層から発掘し導き出す使命をもつのが芸術家とも言えるのです。　逆に言えば、一般の｢音楽の知識も教養もないずぶの素人｣が嘘偽りなく感動するものに、普遍性の原理がある----　とも。　新垣先生も前述の一方で｢結局、聴き手がどう感じるかが一番大事　音楽は誰のものかといわれれば、やっぱりそれは聴き手のもの｣（サイゾー記事）とも仰っています。　従いまして、普通の人が音楽を語る事にも充分意義があるとの、これは長すぎる前置きでした。　最近ようやく音楽に興味を持ちコンサートに何度か足を運び感じた音楽の魅力の一つ、音は体内に入り込んで響き伝わること。　チェロ奏者の海野幹夫さんが、奥様からご教示になられた事として、雪の結晶は音楽を流すことで形がまろやかな結晶となるとお話されましたが、よくわかります。確かワインや味噌もクラシックを流した部屋で醸造すると味が違うという話も聞いたことがあります。感覚的にわかります。というのは、小規模のコンサート会場で自分も経験しましたが、　ヴァイオリンやフルートの音色は胸に響き、チェロの深い音は足元から半身に響く。（もっと言えば子宮に。）　バリトンサックスは胃の下あたり（笑）から足を揺らす。そしてピアノは-----なんでしょう。不思議と、ピアノは体内というよりも、頭に。　音楽、ジャンルとしてはクラシックや緩やかなジャズを聴く事は、呼吸法を意識してヨガを１時間行った時のような体内浄化の効能がある、と発見。　クラシックを聴いて綺麗になる---美容健康本が一冊書けそうな発見があるのですが（笑）この本題の続きは、（あれば）又後日。
02Feb
- 今更ながら新垣隆論
  いまさらながら。　-----例のゴーストライター問題の記者会見から既に１年。この間に騒動の経緯や問題の焦点についてはさんざん語り尽くされました。結局あの事件の新垣氏側の｢事実｣は何だったのかと言うならば、早い段階で近しい音楽家の方々がブログや記事で表明され指摘された事実へと１年を経て帰結してきたように思えます。「真に天才と言えるような音楽家」で｢世俗の欲からは果てしなく遠い人物｣「音楽以外の余計な事には興味が全くない」人物が他の多くの仕事同様にたまたま請け負った一つの仕事がそのあと重大な詐欺的商法へ利用されてしまった-----落ち度と言うならば１点、新垣氏だけでなくこの商法に関わった音楽産業や各種メディア同様、「知っていたが黙っていた」（黙らざるを得なかった）のみ。それでも今も尚、厳しい視点の方も多く｢共犯者なのになぜ許されるのか｣｢詐欺の片棒を担ぎ相棒を裏切ったではないか｣という声も。そう思う人々がいるのは当然です。なぜなら本人が、自分に不利な事も頭ごなしには否定せず、｢やってしまったことは事実、何を言われてもちゃんと受け止める｣となんでも｢引き受けて｣しまう姿勢に終始されるのですから。。昔、日本人は交通事故の際相手にすぐ謝るから不利だと言われましたが、まさに同じ。｢受け取った一番多い作曲料は２００万です。｣とテレビ番組で何の計算もなく伝え、一方の事実である、初期の数曲は提供後にギャラを貰わなかった（ボランティア）点や、通常の報酬は数万円～２０万程度の低料金だった事については声高に表明をされない、まったくもって善良な、世俗的かけひき計算の無い方なのですから。新垣隆という方は。凡人である会社勤めの私などは、例えば報酬２００万の金額に対して仕事（労働）の時間が｢１年以上かかった｣（８０分ものオーケストラフルスコア曲を書くという、長大な作業時間）という事実があるのですから、すぐ電卓を叩いて考えます。２００万を１２で割れば１カ月当たり１６.７万。この金額では単なる労働時間に対する対価報酬にすぎないもの（それでも少ない）であり、小学生のころからオーケストラのフルスコアを書くことのできた数少ない｢天才｣であり｢芸術音楽のトップランナーの一人として｣｢超１級折り紙がつけられる｣プロフェッショナルに対する｢技術料｣対価は全く含まれていない額と言えるでしょう。ＣＤ販売や演奏会収益などで大金が動くべき曲の提供者という事を鑑みれば、この２００万自体そもそも正当な利益見込み配分を全く受けていない不当に安い金額である、と声高に訴える所でしょう。もし私ならば。しかし、こんな事は部外者の私がやきもきして表する必要もない話です。当の本人が、例え真相と異なる言われ方をされようとも　「すべての元凶は自分にありますから、それがどうとらえられようと受け止めるしかありません。」としているのですから。かつ、テレビ局を始めマスコミからのどんなオファーに対しても、反省と釈明の為に「基本的に（断らず）引き受ける」姿勢を貫いた（騒動の年、２０１４年は）のですから。そしていまや新垣隆氏の魅力全開。多方面からオファー殺到のご様子。音楽における天賦の才と極めて善良な人格を備える類稀な人物として、世間に認知され活躍の場を広げておられます。百戦錬磨の芸能界に生きるタレントさん達の口をして「新垣氏は本当にいい人。正直者が馬鹿を見る事にはならないで良かった」と言わしめる、正に人の悪意を浄化してくれるような、人の良心を引き出してくれるような、そんな比類のない人格者、新垣隆氏。常日頃悪意渦巻くような社会生活にて生きる私も同様、新垣氏を昨年初めてテレビで拝見し、感銘を受けたのはその誠実な受け答え、真実から発せられる正しい言葉、正しさから醸成される品格、そして誰に対しても許容を与えているように見受けられる貴い姿勢、その精神の素晴らしさ。私が強く思うのは、そのような許容力、「ちゃんと受け止める」生き方がどうしてできるのか、という点です。一見、受身この上なく弱い行動のようでいて、実はかなり強靭な精神力がないと出来ない生き方。通常に生活する人間であれば、（自分を含め周りを見回しても）自分に対して批判、攻撃してくる相手がいれば逆に相手を批判するか、憎むか、又はその問題から逃げるか反らすかして、自己の精神を守ります。生きていく間にいつの間にかそんなスタイルに慣れるのが人間です。そうしないと精神の平穏が得られず、辛くて一歩も前に進めなくなるからです。矢のように刺さる攻撃に対して憎しみや逃げに陥らずに「ちゃんと受け止める」事ができる人間が、いったい世の中にどれほどいるものでしょうか。ピアノ演奏と作曲において早熟な天才として既に小学校の頃から頭角を現し、認められていた新垣氏にとって、多くの人が成人しても持ち続ける、他人に認められたいというコンプレックスに陥る事は無縁の環境だったのかもしれません。一つの理由として、故に人を憎む事に陥らず、他者を許せる力が自然と醸成されたのかもしれません。又、何よりも、４歳の頃にピアノに感化され、小学校低学年で音譜の啓示（特別なものを感じたとの事ですので）を受け、とにかく音符を書くのが楽しい、という事が人生の全てと相成った新垣氏にとっては、音楽が人生の全てであり音楽に自身をあずけて進んでいくので、他の一切の事は許容し得る領域なのかもしれません。そして、それだけではなく-------（最も印象深かった去年の朝日新聞デジタルのインタビュー内容）桐朋音大時代、師である三善晃先生から学ばれた事として「（三善先生の文章や楽譜には）文体や言葉遣いそのものが唯一の表現であるような、作曲と同じ方法で作られているんですね。いろいろなものごとの複雑さをちゃんと引き受けて考える、ということにすごく影響されました。」三善先生の曲のピアノリダクション作成について「この音はどういうことなんだろうと自分自身が考えなければいけない。どれだけ深層まで降り立ってつかんでこられるかという体験でした。」深層まで降り立って掴み取るおそらく作曲というのはそういう作業なのでしょう。ジョン・ケージが、音はあふれていると提示し又すべての音を許容して新しい創造に挑戦した如くあふれ出る音、動き回る大好きな音符、その複雑さをちゃんと引き受けて、全て許容して。混沌の中から、或いはなにも無いところから、深層に降り立ち、そこに潜むたったひとつ、妥協のない「唯一の表現」を掴み取り、我々に提示してくれる。作曲に限らず芸術とはそういう創造世界なのかもしれません。新垣氏は小学生で既に１５分もの作曲をこなせる集中力を持つ天才でありながら、天賦の才に甘んじず、三善先生等々の教えを柔軟に受容され生み出す努力をされ、これを確立されてこられたのでしょう。そして音楽のみならず。言動も行動も。すべてちゃんと引き受けて、妥協のない唯一の表現を探し出して。人格者とは、それができる人なのかもしれません。