進歩的文化人とかという言葉が昔流行ったことがある。
ともすると我々は文化人とは非常に洗練された、教養を兼ね備えている人徳の高き人をイメージしたりする。
しかし
文化の英語、Culture ってCult(カルト)で始まっているように
カルト集団の大きな枠が社会であることに気づいているだろうか?
文化的社会とはカルト教団と殆ど変ることはない。
我々が純粋な子供だった頃には、自由という観念さえなかった。
すべてが新鮮で輝いていて日々が充実していた。
そして、その姿は無防備であり、だからこそ危なくて解放的でもあり開放された心を持っていた。
しかし、その自由さという無防備の姿を守ろうとする人々が現れる。
親であり教師であり社会であり道の先生や仲間や兄弟や伴侶や大きく枠を広げると、市民を守るという政治家であり警察官であり検事や弁護士、はては裁判官に至るまで・・・・
そして宗教家や、それこそ本当のカルト教団の教祖や新興宗教のリーダーが、あなたの無防備であることに警鐘を鳴らす。
これはダメ。ここは笑うとこではない。静かにしなさい。楽しくみせなさい。ありがとうと言いなさい。これは食べたらダメ。こういう人になりなさい。この学校に行きなさい。この人と結婚しなさい。家を持ちなさい。
これは社会というカルト教団の教義、聖典そのものではないのか?
世界基準、国連、これらも世界という観念で作り上げた世界カルト教団ではないのか?
これらの人々は別に悪意があり、あなたの自由を守るという大義の名の下に自由を剥奪したわけではない。
彼らも同じカルマ。ここでいうカルマとは無防備では危ないという文化的や何世代にもわたり繰り返してきた大河のようなエネルギーを示している。
彼らも無防備の姿で傷ついてきた被害者であり、その教訓として傷つけたくない親愛なる者を助けたいがための行為である。
そして、あなたも無防備でいることで傷ついた過去を経験する。
そして人々は無防備でいることの不安を常に抱えて鎧や仮面をまとうことを覚えていく。
それが、あなたの今の人格であり自己イメージである。
人々はその無防備であることの怖さから逃れるために、簡略に言えばうまくやるために個人的には人格、国家的に言えば文化を築いてきた。
私は何もここで文化的な形成を批判しようとしているではない。
しかし、うまくやることは限界がある。
洗練された軍事技術を先進国は持っているかのように見える。
でも実際はどうだろうか?
白昼堂々の大胆なテロの脅威に怯える世界。
国内でも増え続ける犯罪。狂気的な殺人事件。
そして3・11のような天災。
このようにして我々の観念は事件と共に木端微塵に吹き飛ばされる。
そう。我々の観念は吹き飛ばされるのだ。
真理が差し出す「今ここ」というギフトの前に。
その今ここという観念や自己イメージ以前の真実は容赦がない。
それは時にして、死や病気、事故、破産、親愛なるものとの別れ・・
だからこそ謙虚になれ、人生をコントロールすることなど決して不可能なのだと悟るのだ。
これは、もう一度無防備の姿で自由を謳歌する縁が結ばれたと言ってもいいだろう。
また人間同士の交流でも小手先の交渉術や心理学などではない、人を信じて傷ついていく苦しみと向き合う縁でもあるだろう。
その事実が深く体験として理解されたときに、あなたは本当の自分を見つける。
だれだけ傷ついても苦しんでも悲しんでも、本当の私には誰も何も触れることが出来ない目覚めが起きるだろう。神仏さえも触れることの出来ない、永遠のあなたという存在に気づくだろう。
そして、その目覚めは他者は存在しないことにも気づくだろう。
そのときに始めて世界や社会の混乱している本質を知る。
また苦悩している人々の心を深く理解することができる。
あなたが心を開けば、あなたは傷つくだろう。
でもその中に喜びがあることを見つける。
あなたが心を開けば、人々の苦しみが本当に理解される。
それは、あなたという経験を通してだ。
誤魔化さずに人々の苦しみを経験することは、とても苦しいことだ。
世間のボランティアは殆どが誤魔化しだ。
彼らは本当に対象とする人々の心には入っていない。
ただ自己イメージに沿って酔っているだけなのだ・・・
しかし本当に人々の苦しみを理解したとき・・・
あなたは心が張り裂けそうになるだろう。
なぜなら、あなたは他者を見ながら自分を経験しているからだ。
それは、もはや他者ではない。
だから苦しいのは当然なのだ。
だから心を開いて存在することは傷つくことを「覚悟」することである。
覚悟とは覚めて悟ることである。
無防備な姿では危ない、これを身に着けてれば大丈夫という悪夢から目覚めることなのだ。
そして、あなた自身が永遠であり慈悲そのものだと悟ることなのだ。
それは、あなただけではなく、森羅万象が決して分かれていないことを体験することでもある。
生きとし生けるもの全てが目覚めますように。
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