ステークホルダーの皆様へ

 

 新年おめでとうございます。本年も、宜しくお願い申し上げます。

 

 昨年はインバウンドも復活し、忘年会もコロナ前の様なあり様に戻った感がありました。

巷に、賑わいが戻ってきたように思います。

 

 皆様に昨年ご案内させて頂いた通り、弊社は令和5年10月の新事業年度より、取締役の体制を変更致しました。

新体制の下、より活性化した富田商店となるべく、社員一同励んでまいりたいと存じます。

 

 以下の所信は、社員に対する私の今年の方針を認めたものです。

 どうか本年も変わらぬご指導、ご鞭撻、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

 

令和六年 正月

株式会社 富田商店

代表取締役社長 富田浩正

 

令和六年 年頭にあたって

 

 

令和六年  正月

 

株式会社 富田商店

 

代表取締役社長

富田 浩正

 

 

―分別を捨てるー

 

 毎月、PHPを皆さんに回覧しています。毎号読んでいる方もいるでしょうし、「そんなのあったっけ」という方もいるでしょう。

 そのPHP昨年の12月号に、桂紹寿さんというお坊さんの、“すべてを捨てたあとに残ったもの”というコラムが、掲載されていました。

 そのコラムで紹寿さんは、“分別を捨てなさい”と説かれています。“人はたかだか数十年の自分だけの狭い経験値や今まで生きてきた中で身につけてきた固定観念や思い込みによって、良いとか悪いとか判断しているに過ぎない。分別を捨ててあるがままそのままを受け入れ、ご自身の都合というものを捨て去って、ただ今を懸命に生きなさい”と禅宗では説いているだと、そのコラムにはありました。

 またPHPの同じ号で、ダウン症の書家金澤翔子さんのお母様、金澤泰子さんのミニコラムには、“翔子は与えられた仕事を真摯に成し終えるしか術がなく、大海で漂う木の葉のように、流されてきて梶はなかった。よって目標もなかった。”と書かれています。

 されど、そんな非力な翔子さんが成し遂げた業績は、絶大です。

 このなんの関連もないような2つのコラムが、私にはリンクしているように思えてなりません。

 翔子さんには、執着がありません。“我”が無いのです。だから、我に囚われることなく、ただ目の前の仕事に真摯に取り組めるのです。

 私たちは、実業の中で“分別を捨てる”という事は、難しいでしょう。

 ですが、たかだか数十年の人生で得た知識や経験に固執し、それが判断基準の全てである様な思い込み程、恐ろしいものはありません。それを、慢心というのです。

 もちろん、仕事をしていく上で経験を積むこと、幅広い知識を身に着けることは大切です。

 でも、一度それを捨て去ってみて、あるがままを真摯に受け止める心構えも、同じくらい大切なのではないでしょうか。

 少なくとも、“思い込み”は捨て去ることです。

 

―LTV―

 

 ビジネス用語で、“LTV”という言葉が最近注目されています。LTVとは、“Life Time Value(ライフタイムバリュー)”の略称です。

 あるお客様が弊社とお取引をさせて頂いてから終了するまでの間に、どれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。

 それには、長期にわたってお客様と寄り添う姿勢が、大前提です。昨年世間を騒がせたビックモーターとは、対極にある考え方です。

 既存のお客様が、離れていかないようにすること。新規のお客様には、リピーターになっていただけること。富田商店のファンになっていただくことが、大事なのです。

 それには、ただ漫然と仕事をこなしていては、不可能です。

 石油事業部では、“三ツ星ガソリンスタンド”を目途に取り組んでいます。塗料事業部も、基本は同じです。

如何にすれば、お客様は弊社のファンになっていただけるのか。

 永続的にお客様に寄り添いながら、質の高いサービスをご提供し続けるには、どうしたら良いのか。

 我々は、とことんとことん、お客様に寄り添い続ける覚悟を持ち続けることが肝要なのです。

 試行錯誤と有言実行を繰り返しながら、寄り添い続けるのです。

 

―車販革命―

 

 石油事業部では、車販の拡充を言い続けてきました。石油事業部に於ける大きな柱に育てましょうと、取り組んできました。

 しかしながら、柱と呼ぶにはまだまだというのが現状です。

 今年こそ、車販レボリューション元年にしようではありませんか。数年後振り返ってみて、2024年が車販の本格的スタートだったと言える1年にしましょう。

 それには、富田商店で働く全員が、真剣に取り組む必要があります。この取り組みは、ガソリンスタンド業界に於いて、10年後も輝き続けている為には絶対に必要なのです。 車販レボリューションです。

 

―原点回帰―

 

 運輸業界に於ける2024年問題は、数年前から運輸業界のみならず全産業に於いても、危機感を持って受け止められてきました。今年、いよいよその2024年となってしまいました。

 塗料に関わる製販装業界に於いても、私は業界再編に繋がるような大問題だと認識しています。

 ペンキ缶は、重いし凹むし、何かの拍子にペンキが零れてしまったら、同じトラックに積まれていた荷物は、ペンキだらけになってしまいます。ペンキは、運送業の方にとっては出来れば避けたい、厄介な荷物なのではないでしょうか。

 2024年となり、いよいよ運転手不足が深刻化する中で、運送業者が今まで通りペンキを配達してくれると考えるのは、少々虫が良すぎると思います。

 時刻指定の現場へのメーカー直送なんて、もう無理でしょう。

 とすれば、自社配送便を有する販売店は、その配達力は大きな強みとなります。ブローカーの様な販売店は、駆逐されていくでしょう。

 また、直販を主体としているメーカーは、肝心の塗料を配達してくれる運送業者を手配する事が、困難になっていくのではないでしょうか。

 2024年は、塗料販売店としての基本的な役割。正確でスピーディーな配達が、改めて重要視される1年になると思います。

 塗料店としての、原点回帰の年です。

 

―新たなページをー

 

 富田商店としての新年度、令和5年10月より取締役の変更がありました。

 富田治郎取締役塗料事業部統括部長は、取締役副社長へ。富田龍一郎取締役石油事業部統括部長は、専務取締役へ。富田雄三取締役石油事業部部長は、常務取締役へと、それぞれ昇進致しました。

 これは、ただたんに役職名が変わっただけではありません。この3名は、新たな役職に相応しい自覚と責任をもって、それぞれに新しい役割を担っていくこととなります。

 私は直ぐに代表取締役社長を退くわけではありませんが、バトンゾーンに入ったことは間違いありません。

 私も還暦です。令和六年甲辰は、富田商店の新しいページが開く年でもあります。

 

令和六年正月

株式会社 富田商店

代表取締役社長 富田浩正