禅修行の白居易 ~ 衆善奉行 | taroo の茶道日誌

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覚えが悪いので、お茶のお稽古で出会ったことなど、書いて覚えてゆきたいと思います。

京都訪問の続きは大徳寺真珠庵

 

 

光る君人気を背景に初公開となる屏風を拝見させていただきました。

ここ大徳寺は御所から徒歩20分位でしょうか。

かつて藤式部の生家もこのあたりで、

ここ真珠庵の井戸の水で、産湯につかったそうです。

 

手前は村田珠光のつくばい。

 

 

 

 

 

お釈迦様以前にも仏様がおられたそうで、お釈迦様を入れて七人。

その教えが七仏通戒偈。

諸悪莫作 しょあくまくさ     悪を作ること莫(な)かれ
衆善奉行 しゅうぜんぶぎょう   もろもろの善を行うべし
自浄其意 じじょうごい      自ら其の意を浄くせよ
是諸仏教 ぜしょぶっきょう    是がもろもろの仏の教えなり

 

 

一休宗純師の開いた大徳寺真珠庵の入口がこちらです。

 

 

 

 

 

須弥南畔   須弥の南畔
誰会我禅   誰かわが禅を会せん
虚堂来也   虚堂来たる也
不直半銭   半銭にも直せず
  東海純一休
 

一休さんの遺墨というのでしょうか。この後に及んで、もし憧れの虚堂老師が来てくれたとしても半銭にもならぬと。

 

ちなみに、海の真ん中に浮かぶのが須弥山。

その頂上が有頂天・うちょうてん。

周りの海の境目が金輪際・こんりんざい。

山の南側に人間が住む島があるのだそうです。
なので我々が須弥をめざすなら、南側から畔をめざすことになりましょうか。

ですが北側からでも良いという意味で「南」の字が小さいのでしょうか。

忘れただけとしても、敢えて書き加えるほどの意味があるのでしょう。

 

 

方丈襖絵は400年ぶりに新しくされたそうで、つりばか日誌の北見けんいち氏の描く「楽園」。

一休さんのお寺らしく、殻をやぶっています。

 

 

 

 

 

ところで白居易(字は楽天)は、玄宗皇帝と楊貴妃 & 安史の乱の頃の唐代の詩人で禅を好んだとか。

 

ある時、鳥窠道林(ちょうかどうりん)師に仏教の本質を問うた。

すると

「悪いことをせず、良いことをしないさい。」と。

「そのような事は、この隣にいる子供でもわかる。」

「わかっても、80歳の私でも出来ない。」

 

 

 

その問答に登場する三人の様子は、こちら曹洞宗大本山總持寺の襖絵にもなっています。