最近、日韓両国で出生数が少ないとのニュースがありました。私たち夫婦も子供を作りませんでしたので、少子化に加担した人間の一人です。子供を作らず何をしていたかというと、仕事です。一にも二にも仕事、自分がしたい仕事を一生懸命していたらあっという間に時間が過ぎました。私たち夫婦は今51歳、まだまだやりたい仕事がありますが、普通のサラリーマンや公務員であればそろそろ役職定年が近い年齢です。私たち夫婦は子供は作らなかったけれど「会社」を作ったということで社会に貢献できたと自負していますので、それでご勘弁お願いしたいところです。

 日本や韓国の若い夫婦が子供を作らないこと、その理由は様々あるでしょう。しかしながら子供を作らないことは悪なのか、私は悪だと思います。それはあくまでも地球上の人間社会の存続において、という前提ですが。…私は人間が地球で繁栄し過ぎだと思う派なので人口が減る流れは悪くないと思います。日本社会の最適人口がどのくらいなのか?というそもそもの定義がなされていないことが人口問題をややこしくしています。私たちが子供の頃はベビーブームと呼ばれ、むやみに子供を産むのではなく「家族計画を」なんて言葉もありました。繰り返しますが、私は少子化は現代日本においては悪いことではないというスタンスでこの文章を書いています。現代、日本人の多くはサラリーマンです。このことが少子化の原因だと私は考えています。

 サラリーマンという働き方は、日本がかつて農林水産業(=第一次産業)が盛んで商店街に個人商店が軒を連ねていた頃は多数派ではなかったものです。かつての一次産業や個人商店の特徴は人手を要するということであり、労働者一人一人が経営者であるという点です。それすなわち、自分で働いた分だけお金が手に入る人間が多かったということです。働かざる者食うべからずという言葉が生きていた時代です。今はどうでしょうか?みなさん、働いていますか?…マッチングなんて妙なヨコ文字で他人を働かせて自分は汗かかずに利益を得るなんて仕事ばかりになっていませんか?…自分の働きがそのままお金になっていた時代の人間が考えること、それはその仕事を子供に継がせるということです。仕事の利益を他人である従業員に渡すよりも、可愛い自分の子供に渡す、それは極めて当たり前のことです。そんなわけで昔の人はごく当たり前に子供を作っていたわけです。

 今、サラリーマンが大多数を占める日本ですが、働く場所である会社が軋(きし)んでいます。ストレス、ハラスメントにあふれているとされ、在宅勤務なんてものも現れました。あれが嫌だ、それはやりたくない、そんなことばかりの会社勤めをしていて果たして子供を作ろうと思うか、そりゃあ作りませんよ。今自分が体験していることを子供にさせたいかと問われたら「NO」のサラリーマンが多いと思われる日本社会、政府は少子化対策にお金をばらまくのではなく、現実を見てサラリーマンが楽しく働いていないのはなぜなのかを突き詰めてみたら、結果的に人口減少は止まると思います。そして、テレビやネットなど情報を流す立場のメディアは、子育てのネガティヴな話はあえて控え目にして、そう、今なら大谷翔平の結婚をキッカケにして結婚することの良さや子供を育てることの素晴らしさを伝えたら良いと思うんですよね。goodnewsではなくbadnewsばかりをクローズアップしがちなメディアも少子化に加担しているのではないかなと私は思います。