私が京都で大学生だった頃、1、2回生(関西ではこう言う)のときは自転車、自動車免許を取ってからは原付バイク、いわゆるスクーターに乗っていました。今私は53歳が目前で北九州市小倉北区に在住ですが移動手段はテクシー(テクテク歩くことをタクシーにもじった昔の流行?語)です。せわしないけれど比較的便利な小倉の町中、歩くのが一番安全で面倒がないようにも思います。特に原付バイクはもう怖い、若いということは怖いもの知らずなもんです。

 その原付バイク、国が定める新たな環境基準により50ccの排気量のものはなくなる、今後生産しないとのことです(125㏄になる)。すなわち性能は上がりますが当然価格も高くなります。このことを私が知ったのはつい先日テレビで地方の高校生が通学に50㏄のバイクを使っているが今後新しく買うことになると高くなって困る、という話を見たからです。ただ性能が良くなるので長く乗れるのではないかとも思いますし、一方で免許制度は変わらないようなのでペーパーテストだけで125㏄のバイクにいきなり乗るのって危なくないのか、そして最高速度制限も30キロが上限のままなのでちょっとまどろっこしいのでは?とか、色々考えさせられます。そして今、北九州市小倉でも町のあちこちに「LUUP」という妙な電動の乗り物が置いてあるのですが、50㏄バイクの代わりにこれを普及させようとしているのかもしれません。しかしながら原付バイク以上に安全性が低そうで(しかもヘルメットは被らなくてよい様子)、こんなのいったい誰が求めているのか、日本の行政のやることはよくわかりません。…ちなみに世界的に50㏄バイクを現在乗っている国はあまりないそうで、つまりはメーカーとして50㏄の小さなバイクを作ってもさほど儲からないという事情もあるようです。だったら環境どうのこうの言わずに、時代遅れの50㏄バイクは生産やめますと言う方が私は潔いと思いますけどね。

 話は変わりまして、福岡県太宰府市の市長がお笑いのM1グランプリ予選を通過中でしたが、市の職員が夜中に自転車を飲酒運転し警察に切符を切られたことを理由に参加を辞退したという話がありました。これが公務中の真昼間に自動車の飲酒運転ならM1辞退もやむなしと思いますが…清廉潔白ばかり求める今の日本は今後どうなっていくのでしょうかと心配になります(ホントのところは市長のお笑い挑戦がそろそろ注目度も上がり、自信がなくなってきて怖じ気づいたと私は邪推)。ところで自転車についても今年くらいから運転ルールが厳しく定められ、来年からは罰金制度も始まります。詳しくは警察のHPを参照していただければと思いますが、もしもルールを厳格に適用すれば、町中は違反者だらけになりそうです。そのくせ数年前に義務化?したはずのヘルメットは被らなくても罰金対象にはならないようです。

 この自転車の運転ルールの厳格化は、自動車事故の件数が減っている一方自転車事故が増えていることが根拠のようですが、それは今の日本人が東京や大阪など大都市に集中し、経済面から自動車に乗らなく(乗れなく)なり自転車にシフトしただけでしょう。つまり警察が昔ほど自動車から反則金を徴収できなくなったから新たに自転車から反則金をとれるようにしたということ、まったく警察って嫌なヤツですね。…ところで私が大学生の頃乗っていた自転車は駅で盗まれました。私は自転車を盗む人が昔から大嫌いなんですが、国民が求めているのは運転ルールの厳格化やLUUPなどの変な乗り物ではなく、自転車泥棒に対する厳罰ではないかと思います。