先日フィギュアスケート(以下FSに略)男子のNHK杯をTVで見ました。10年くらい前はFSのTV中継をよく見ていましたが、最近はあまり見ていませんし、以前ほど注目されていない気がします。個性的な選手が少なくなった、技術の追求(=採点の複雑化)が普通の人から見て面白くない、一大勢力のロシア選手がいなくなったetc…と私は思いますが要するに私みたいな軽い観客を惹きつける要素が減りました。プロスポーツは興行的成功を得るためにはマニア向けになってはいけませんが、FSはいまどうでしょうか。

 NHK杯は鍵山、宇野両選手が外国人選手を寄せ付けない演技で1、2位となりましたが、この状況は今のFSにとって良いことかというと、私のような昭和世代日本人としては、かっちょいい欧米人たちに見た目も技術も敵わないはずのFSで日本人がなんとなんと3位!というような状況の方が面白かったんですよね。鍵山、宇野は上手いですが、もうちょっと欧米人たちが強くて華があった方がFS業界は盛り上がると思います。要らんことを書けば鍵山、宇野両選手は見た目が子供っぽい(身長も低い)のが難点、女性から見たらステキというよりカワイイ感じでしょうし、最近は他人の外見を評さないのがスタンダードとはいえここはFSという特殊世界ですから、私は見た目は大事と思います。…その意味では羽生結弦、彼はさまざまな要素に恵まれた選手でした。彼は見た目と技術、ライバル選手に恵まれていました。彼の登場で日本のFS男子は一つの到達点に立った、逆に言えば羽生以降の目標設定が難しくなりました。今は選手みなが羽生に比べて…という目で見られる不幸な時代です。鍵山、宇野は羽生を総合的に超えることはないでしょう。総合的というのは世間的な評価であり、明確な数字的な成績ではなく世間からの記憶、よく言われるのは記録より記憶というものですね。

 …FSについて浅い私の意見はともかく、羽生結弦ですよ、皆さん。彼はこの夏結婚しましたが先日17日に離婚しました。そして離婚直前の11月11日にアエラという雑誌の編集部が作った羽生結弦大特集本が発売されています。「孤高の原動力」というタイトルの本ですが、もちろん妻については語られていないのでしょう、その本から羽生の考えを推察するメディアもありません。私の想像では羽生ファン(=マニア)だけに向けて作られた本のはず、なぜなら4400円もしますから…。そして11月24日にはそのアエラ(470円)が発売されているのですが、その宣伝広告を見る限り羽生についての記事は無いようです。羽生に一番接近しているマスコミは朝日新聞系列のアエラだと思いますが、結局は羽生の意向通りのものしか出版出来ないという意味でそれすなわちコマーシャル媒体でしかありません。アエラ編集部の仕事は記事の制作ではなくコマーシャルの制作です。羽生は離婚の理由にマスコミ等の報道を挙げましたが、アエラや朝日新聞は羽生にとってはマスコミではなく宣伝部隊と考えているはずです。羽生結弦、彼はFS選手の頃は「羽」が「生」えているような軽やかな演技を披露していました。そして結婚相手としてバイオリン奏者つまり「弦」で人を惹きつける女性と「結」ばれた、運命的な名前でカッコイイぜと私は思っていましたが、今はなんか色々と残念ですね。羽生は今後FS選手の育成にも関わらないでしょうし、宇野は今回のNHK杯の採点に不満気、私がFSに飽きただけかもしれませんが、FSの未来は明るくないと思われます。