夏のきしめん
今朝、地元テレビ局のニュースで、
原材料の値上げに触れ〝きしめん店〟の悲鳴を取り上げていました。
というのも麺類で一番製造コストが高いのが〝きしめんの麺〟とされ、
然りとて〝きしめん〟はラーメンやうどんほどの需要も見込めず、
それでいて値上げをすれば客足が遠のくということなのでしょうか。
店主の苦しい胸の内が語られていたように見て取れました。
おそらく名古屋だけなのでしょうが、
「きしめん」と染め抜かれた暖簾などをちょくちょく見かけます。
会社近くの御園座付近でもこんな感じで「きしめん」の文字を。
それでも、例えば社員同士や仲間で昼食に行くときなどに、
「今日は〝うどん〟にしようか」とか、
「〝そば〟にしようか」という会話が交わされることがあっても、
「〝きしめん〟を食べようか」と声を掛け合うことは一般的ではありません。
名古屋飯の一角に食い込んでいる食べ物としては、
いささか寂しさと肩身の狭い思いを感じるとともに、
時代に取り残された古格な匂いのする食べ物との認識が強いのです。
きしめんが好物の私にとっては残念至極なこと。
さて、そんな〝きしめん〟ですが、
この暑さ厳しい時期になると冷たい〝ざるきし〟や、
ざるそばと〝ざるきしめん〟がセットの相盛なども美味で喉越しがいい。
今年もそろそろ、夏のきしめんを堪能する時期に差し掛かってきました。
ちなみに〝きしめん〟は、
愛知県の三河の平打ちうどんがそのルーツといわれているようで、
過日に読んだ書籍にそう書かれていました。(異説もあるそうです)。